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西村 潤一 先生

腹部大動脈瘤(ステントグラフト)の名医
日本赤十字社医療センター
放射線血管内治療科 部長
専門
放射線科、血管内治療、大動脈疾患、動脈瘤、閉塞性動脈硬化症
掲載開始日:2017年10月17日
最終更新日:2019年02月21日

臨床実績


年間腹部大動脈瘤ステント手術数
***

専門医資格
***

学会職位
***

学術活動


論文・学会発表数
*** 件
※件数は英語論文を含まない場合がございます

最終論文・学会発表年
*** 年

学術機関
***

出身大学
***

略歴
***

受診しやすさ


手術までの待機期間
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医師指定受診
***

外来待ち時間
-時間程度

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西村 潤一先生のインタビュー

公開日:2019年02月25日
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胸腹部大動脈瘤のステントグラフト治療を追求!丁寧に患者さんと向き合う放射線科医

西村先生は、どうして放射線科をご専門とされたのですか?

私は医学生の頃から研究に興味があったので、卒業後は大学院で研究に没頭したいと思っていました。脳に興味があり、PETやMRIなどの画像検査機器を使って脳の血流を視覚化し、大脳機能について研究すべく、母校の放射線医学講座大学院への進学を希望しましたが、既に希望者も多く、定員がいっぱいでした。そこで、大学院4年間はまず大脳生理学から学ぶために生理学教室へと進みました。その後、晴れて放射線科医になったところで、神経放射線学(Neuroradiology)を専門とされている先生に師事したのですが、その先生がNeuroradiologyのなかでもNeuro IVRと呼ばれる脳動脈瘤など脳の血管の病気に対するカテーテル治療を得意とされていたことから、私もステント治療などのカテーテルを使った治療を専門とすることになりました。

現在は血管の治療の中でも胸やお腹の大動脈瘤の治療を主にされているとのことですが、大動脈瘤の治療について教えていただけますか?

大動脈の壁は内膜、中膜、外膜と3層構造になっているのですが、大動脈解離はこの3層構造が裂け、中膜の間に血液が流れ込むことで起こります。また大動脈瘤は、大動脈自体が風船のように膨らむことで生じます。動脈瘤が小さい場合などでは薬物療法によって血圧をコントロールしながら経過をみることもありますし、より積極的な治療が必要な場合には動脈瘤ができた血管を切除し、人工血管に取り換える人工血管置換術や動脈瘤ができた血管の内側にステントと呼ばれる筒を留置して、動脈瘤に流れ込む血流を遮断させるステントグラフト内挿術を行います。

人工血管置換術、ステントグラフト内挿術といった治療の適応については、動脈瘤の大きさや大きくなるスピード、合併症の有無などを基準に判断します。腹痛や背部痛があったり、動脈瘤が拍動しているのが触れて圧痛などを感じられたりと自覚症状がある場合にも積極的に治療がすすめられます。このような医学的見地から治療の必要性を判断することは医師として当然のことですが、大動脈瘤は破裂すると命にかかわる一方、普段は自覚症状に乏しい病気ですので、患者さんの希望と社会的な背景も治療適応の重要な判断材料になります。過去にはバスの運転手をされていた患者さんで、大動脈瘤の状態としては経過観察でもよい状態(医学的適応)でしたが、万が一にも運転中に破裂したら一大事(社会的適応)であるという懸念も汲み、ステントグラフト内挿術を行いました。一方で、手術によるリスクをどのようにとらえるかは人それぞれですから、医学的適応を満たしていても、治療を受けないという決断をされる方もいらっしゃいます。

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人工血管置換術とステントグラフト内挿術の違いについて教えてください

患者さんには、人工血管置換術は石橋を叩いてわたるような治療法で、ステントグラフト内挿術は、石橋を叩く暇があるなら渡ってしまえという治療法ですとお伝えしています。

人工血管置換術は動脈瘤ができた血管を切除して化学繊維でできたチューブ(人工血管)と取り換える手術です。治療が必要な範囲に応じて開腹が必要ですので、手術自体の侵襲も大きいのですが、大動脈瘤の根本的な治療ができるので、ステント内挿術に比べて再治療に至ることは非常に少ないです。しかし、石橋を叩いているうちに橋が崩れてしまうということもあり、手術を待っている間に大動脈瘤が破裂してしまうことも稀にあります。

ステントグラフト内挿術は、足の付け根を小さく切開して太腿の動脈からカテーテルを挿入し、ステントと呼ばれる人工血管を動脈瘤の内側に張り付け、動脈瘤への血流を遮断する治療法です。足の付け根から動脈内に挿入したカテーテルを病変のある部位まで進めることで大動脈瘤にアプローチするため、局所麻酔でも行えるほどに侵襲性が低く、処置時間も1〜2時間と短いです。そのため人工血管置換術に比べて社会復帰率が良く、ED(勃起障害)などの合併症も起こりにくいです。しかし、動脈瘤自体は残るため、ステントグラフトがズレたり、動脈瘤のある部位から枝分かれしていた細い動脈内を血液が逆流したりすることで動脈瘤への血流が再開して動脈瘤が拡大する、エンドリークという問題が2〜3割で起こり、長期的にみると再治療が必要になる場合が少なくありません。

エンドリークが起きた時にはどのような治療をされるのでしょうか?

動脈瘤につながっている血管を塞ぎ、流入をとめるという方法などがありますが、その場合、治療による被ばくという問題がでてきてしまいます。ステントグラフト内挿術は、透視で血管の走行を確認しながら行います。エンドリークに対する塞栓術では複数の動脈を塞ぐことも必要になるのですが、1本あたり30分ほどかかってしまうので、透視のX線によって皮膚障害を起こしてしまうこともあります。

ステントグラフト内挿術は、比較的新しい治療法であることもあり、長い目でみた治療成績についてはまだまだ調査や議論の余地が残っています。長期的な予後の問題を鑑みると腹部大動脈瘤よりも胸部下行大動脈瘤の方がステントグラフト治療のメリットが大きいのではと言う考えもあって、専門医資格については、私は腹部よりも先に胸部での大動脈瘤ステントグラフト実施医資格を取得したという経緯があります。

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エンドリークの他に、ステントグラフト内挿術にはどのような合併症があるのでしょうか?

稀ですが、重篤な合併症として、脳梗塞、エンドリークにともなう破裂があります。その他にもカテーテルの刺激によって、動脈硬化した血管の内側にあるプラークと呼ばれるコレステロールの塊が剥がれてしまい、血流に乗って流れることで末梢血管を詰まらせるコレステリン塞栓症といった合併症が起こることもありますし、腸が壊死する非閉塞性腸管虚血(NOMI)などがあります。これらの合併症は糖尿病をお持ちの方や、透析を受けていて血管の状態が非常に悪い方に発症しやすい傾向にあります。
また、生命に直結しないため軽視されがちですが、治療後にEDを発症する方もいらっしゃいます。大動脈から枝分かれする内腸骨動脈と言う動脈への血流を温存することでEDを発症するリスクを抑えることができるのですが、術前に治療計画を立てる際にご家族が同席されているとなかなか本音を打ち明けてくれないこともあるので、患者さんと2人きりで話し合う機会を設けるなどしてよくお話を聞いたうえで、治療計画を立てるよう配慮しています。

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大動脈瘤は破裂するまで自覚症状に乏しく、治療するとしてもリスクがあるとのことですが、治療の決断に迷われる患者さんへのご説明ではどのようなことを心がけていらっしゃいますか?

判断に必要な情報は小分けにしながらでも偏りなく全て伝えること、考えてもらう時間や質問のための時間を確保することを大切にしています。また、迷われる患者さんに対して、治療によるメリットが明らかにリスクを上回っていると思われる場合には、治療の必要性を明言するようにしています。

胸腹部大動脈瘤は心臓血管外科や放射線科などで診療することが多いかと思いますが、診療する疾患が幅広い心臓血管外科に比べて、放射線科では大動脈瘤の診療に専念しやすく、日本赤十字社医療センターでは一人ひとりの患者さんと十分な相談時間を確保することができています。信頼関係がまだ出来ていない初対面の医師に治療の決断を迫られても、患者さんは困惑してしまいますから、何度か受診を重ねて頂いて少しずつ情報提供をしながら、患者さんの決断を待つ姿勢を大事にしています。

治療を提供する側にいる以上、治療のメリットだけでなく治療にともなうリスクも偏りなくお伝えする必要があるわけですが、メリットが明確であり、リスクに偏った判断をして治療の機会を逃してほしくない症例では、「リスクはありますが、それでも治療を受けることを強くお勧めします」と、医師としての考えをはっきりと主張しています。時には、医師としても治療の適応に迷ってしまうことはありますので、その場合は素直にお伝えし、患者さんと一緒になって悩むこともあります。

西村先生の今後のご展望について教えてください

腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術(EVAR)の合併症について追求していきながら、次の世代の医師を大切に育てていきたいと思っています。

EVAR後の合併症のひとつに、エンドリークとそれに伴う破裂がありますが、実はこの破裂の機序は通常の大動脈瘤の破裂とは異なる様相をみせております。この“EVAR病”とも呼べる特殊な病態について研究し、他の合併症も含め、できるだけ侵襲性が低くかつ簡易に実施できるような解決策を模索していきたいです。また、今の病院に移ってきた動機には治療の提供の他にも放射線科の医師を育てていきたいという思いもあり、研究の傍ら次の世代の医師も育てていきたいです。

今後も、日々丁寧に患者さんと向き合いながら、大動脈瘤治療がさらに発展するよう、微力ながら励んでいきたいですね。

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