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貝谷 久宣 先生

パニック障害/不安障害の名医
心療内科・神経科赤坂クリニック
医療法人 和楽会理事長
専門
不安症・パニック症
掲載開始日:2016年04月12日
最終更新日:2022年08月03日

臨床実績


年間不安障害患者数(延べ)
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専門医資格
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学会職位
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学術活動


論文・学会発表数
*** 件
※件数は英語論文を含まない場合がございます

最終論文・学会発表年
*** 年

学術機関
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出身大学
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略歴
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受診しやすさ


初診までの待機期間
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医師指定受診
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外来待ち時間
*** 時間程度

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貝谷 久宣先生のインタビュー

公開日:2018年12月06日
”発作と予期不安ゼロ”になって、再び病気を意識しない生活へ。日本のパニック症治療第一人者

パニック症の診断と治療を日本でも提供したいという思いから開院されたそうですが、どのような経緯があったのですか?

今から20~30年前は、診断や治療がされずに、家の中から一歩も出られずに人生を送られているパニック症の患者さんがまだ大勢いらっしゃいました。精神分析のようなエビデンスのない治療ではなく、最新の精神薬理学の知識を駆使し、患者さんの苦痛を一刻も早く取り去ることめざした医療を実現させたいという思いから開業しました。

はじめに名古屋の中日新聞で「パニック障害」の記事が私の写真付きで紹介されてから、テレビ、雑誌と続々と取材され、待合室にはパニック症の患者さんがあふれるようになりました。医者にとって、患者さんをたくさん診察させていただけるということはたくさん勉強できるということです。経験症例も増加して、開院して3年目には米国精神医学会にパニック症に関するポスター発表をすることができました。また、病状がよくなって旅行に行けるようになった患者さんはクリニックのマスコットであるフクロウをお土産に買ってきてくれるようになりました。お陰様で、クリニックは、杏林ではなく梟の森になりました。患者さんの中には長期間外出できなかった人が、治療により元気になり地下鉄の自動改札を初めてくぐった衝撃について話す人もいました。

最初は名古屋で診療を行っていましたが、パニック症がまだまだ世の中に知られていないことを実感し、当時、昭和大学病院教授であった樋口輝彦先生(現・精神神経センター名誉総長)やジュネーブのパニック・シンポジウムにご一緒させていただいた久保木富房東京大学助教授(現・東京大学名誉教授)とともに、パニック症を啓発するための運動をしようということになり、NPO法人不安・抑うつ臨床研究会を立ち上げるとともに、東京で当院を開院するに至りました。

どのような症状を自覚したら、パニック症を疑って受診を考えた方がよいのでしょうか?

今まで何ともなかったのに、突然、めまいや動悸、息苦しさなどの症状とともに、死を連想するような激しい不安に襲われるパニック発作があったらすぐに受診すべきですが、早期発見早期治療に越したことはありませんが、遅れて診断されても必ず回復する病気です。

パニック症は不安障害(不安症群)と呼ばれるグループに属する病気です。もともと、イミプラミンが奏効することからほかの病気から区別されるようになった病態ですから、薬物療法がまずなされます。現在では、イミプラミンよりも副作用の少ないSSRI(※選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が主薬で、持続性の抗不安薬も併用し、できるだけ早く辛い状態を除きます。パニック症は脳の機能障害と理解して治療するとよいです。あまり、あれこれと精神的原因にこだわりすぎると治療が遅れてしまいます。

脳の機能障害とはどのようなことなのでしょうか?

不安や恐怖は脳内の不安サーキットの発動によって生じると最近は考えられています。その中心は扁桃体です。扁桃体は生体の保持に危険な状況をいち早くキャッチし、脳内各部位に警報を発し生体の維持を図るようにできています。パニック症はこの扁桃体の誤警報または過剰興奮によって生じる病気です。パニック症は生来的に扁桃体の興奮性が高いから発症する場合もありますし、過剰なストレスにより扁桃体が興奮してしまい発症することもあります。いわば、体質と環境との相互関係で発病すると考えられています。

パニック症の治療について教えてください。薬物療法ではどのようなことが大切になりますか?

まず、パニック発作をゼロにするように医師の指示のもとにきちんと服薬することです。少し良くなったと思い自分で薬を減らすことはもっとも慎まなければならないことです。この点で、医師―患者の信頼関係がとても大切です。パニック発作が減ってもまだ薬を増やす場合があります。目標はパニック発作ゼロを一刻も早く達成することだからです。パニック発作は扁桃体にブレーキをかける前頭前野の機能を低下させますから、発作が次の発作を呼ぶのです。この悪循環に陥らないように、パニック発作ゼロに徹することが必要です。

パニック発作ゼロが3か月以上続いた後に、ほんの少しだけ減薬を始めます。そして、1~3年を費やして薬物なしの状態に持っていきます。パニック症の治療はセロトニン系、GABA系の薬物が主になりますが、時にドパミン系の薬も必要なことがあります。

薬物療法以外では、どのような治療が行われるのでしょうか?

パニック症のような不安の病気はまず病気についての知識を十分に身につけ、その対処法を知ることが必要です。そのため、赤坂クリニックでは初診後できるだけ早く1時間の臨床心理士による心理教育を行います。心理教育が終わったら、外出・乗り物恐怖の強い人には広場恐怖の行動療法を集団精神療法として公認心理士が行います。これは、不安・恐怖についてのメカニズムとその対処法を習い、ステップ・バイ・ステップの暴露療法を行います。パニック発作の頑固な人には公認心理士による認知療法を受けていただきます。わずかな不安・恐怖を引き起こすような状況に過度に反応する人に、その刺激に対する認知の変容を催すような治療を致します。

パニック症が軽くなってきたら、薬物を減量または無しにするために、また、完全に病気から快復した人には再発防止のためにマインドフルネス訓練をいたします。いま、赤坂では、指導者がつき、毎日マインドフルネス訓練を3時間やっています。マインドフルネスとは今この瞬間に気づくことです。マインドフルネスでは、評価をしない、何事も受容する、執着しない、といった心を養います。マインドフルネスでするヨガは自分の体との対話です。また、瞑想は自分の心との対話です。マインドフルネスにより、温かい寛容な心が養われ、病的な心から脱出できるだけでなく、楽しく有意義な人生を送ることができるようになります。

パニック症でお悩みの患者さんに、メッセージをお願いします

“発作と予期不安ゼロ”になって、病気を意識しない生活を取り戻しましょう。

精神医学の教科書に書いてあることそのままに、「パニック発作がなくなったから、治った」と考える治療者がいますが、残念ながら治療者と患者さんの間には、治ったという感覚に大きな乖離があるのが現状です。患者さんにとって最後まで残る障害は、予期不安です。パニック発作への恐怖があるうちはパニック症がなくても生活は制限されがちです。パニック症は慢性の病気です。治ったと思って断薬するとまたすぐ再発します。気長に波乗りをするつもりで治療を続けましょう。予期不安が無く、病気を全く意識しない生活を目指して治療していきましょう。そして、さらにマインドフルネスで人生を楽しく有意義なものにしましょう。

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電話番号:03-5575-8198