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坂元 薫 先生

双極性障害の名医
心療内科・神経科赤坂クリニック
坂元薫うつ治療センターセンター長(赤坂クリニック内)
専門
気分障害・不安障害の臨床研究
掲載開始日:2016年04月12日
最終更新日:2018年12月18日

臨床実績


年間双極性障害患者数(延べ)
***

専門医資格
***

学会職位
***

学術活動


論文・学会発表数
*** 件

最終論文・学会発表年
*** 年

学術機関
***

出身大学
***

略歴
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受診しやすさ


初診までの待機期間
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医師指定受診
***

外来待ち時間
*** 時間程度

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坂元 薫先生のインタビュー

公開日:2018年12月17日
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一人でも多くの患者さんを笑顔に。36年間、うつ病患者に寄り添ってきた名医

坂元先生が医師を志したきっかけについて教えてください

子どもの頃から、将来は人の役に立つ仕事がしたいと思っており、医師か弁護士になりたいと考えていました。中学生の頃までは正義の味方となる弁護士になりたいという思いが強かったのですが、医師になろうと決めたのは中学3年生の時でした。医学部を卒業しても基礎医学研究に進む人が少なくなっているという新聞記事を読んだ時に、「これだ」と思い、基礎医学者になるために医学部に進学することにしました。

医学部での思い出や、診療科を決めたきっかけについて教えて下さい

私は東京医科歯科大学に入学したのですが、当時、医学部といっても2年生までは教養部といって一般教養の講義が中心であり、千葉県市川市にある国府台キャンパスで勉強をしていました。国府台キャンパスは、国府台牧場とも呼ばれるほど、とてものんびりした場所でした。そんななか、体育の教員は、「医者はとにかく体力だ」といい、体育の時間はいつも7kmの長距離走をしていました。当時は辛くてこんなことをして何の役に立つのかと思っていましたが、医師はやはり体力勝負だと思いますので、今ではあの時の先生の仰る通りだったと思っています。

3年生になると基礎医学に関する勉強が始まりました。先程も申し上げたように、当時、私は基礎医学者になりたかったのですが、生理学、生化学、解剖学と基礎医学の分野を勉強していくうちに、これは自分のやりたいことではないと思うようになりました。自分の琴線に響かないような、何かが違うような気がして、これは自分が一生をかけて取り組む仕事ではないと考えるようになりました。

実は、大学に入学する前から基礎医学以外に精神医学にも関心を持っていました。内科や外科の領域と比べると精神科の領域はまだまだ解明されていないことも多く、精神科こそ未知の世界だと思っていて、そうした未知への挑戦こそ男のロマンだなどと思ったのです。その後、病院での臨床研修が始まると、精神科への関心はさらに強くなり、基礎医学ではなく精神科を専門にすることにしました。医学部を卒業してから36年が経ちますが、これまで精神科医になったことを後悔したことは一度もないです。なかなか大変なこともある仕事ですが、この道を選んで良かったと思っています。

精神科領域のなかでも、うつ病をご専門にされるようになったのはなぜでしょうか?

大学卒業後、東京女子医科大学の神経精神科に入局しました。当時、医局では「単一精神病論」という精神分裂病とうつ病・躁うつ病(※現在はそれぞれ統合失調症、双極性障害に診断名が改定)を単一の病態と考える理論に基づいた診療を行っていました。患者さんのほとんどはうつ病や躁うつ病と診断され、医局の研究も主としてこれらの病気を対象としていたので、私も自然と臨床経験や研究テーマはうつ病や躁うつ病になりました。

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ドイツに留学されていたと伺いましたが、留学先での思い出について教えてください

私が医師になって2年目にウィーンで世界精神医学会が開催され、教授の発表に同行する形で私も参加し、学会の懇親会の席でフーバー教授という先生に出会いました。フーバー教授は精神医学界で非常に有名なクルト・シュナイダー教授の一番弟子であり、統合失調症研究の世界的権威でした。当時、東京女子医科大学の神経精神科ではそのフーバー教授の教科書を原語で毎朝輪読していました。一年間、ドイツ語会話学校にも通いながら少しずつ読んでいたその教科書を書かれた先生に会えるとは思ってもいなかったので、とても感動したのを覚えています。その場でたどたどしいドイツ語で、「あなたの教科書を毎日読んでいます。あなたの所で勉強がしたいです」と伝え、翌年には旧西ドイツ政府の給費留学生試験に合格し、フーバー先生が主任教授を務めているドイツのボン大学精神科に留学することができました。

ボン大学では週に一回行われる、フーバー教授の回診にとても緊張したのを覚えています。回診では、フーバー教授が新入院患者さんを診察された後、「今の患者さんの所見と治療方針を言ってみなさい」と試験が始まるのです。フーバー教授は、非常に厳しい先生でしたが、同僚の助けもあり、何とかこうした試験に合格できたのです。そして、患者さんを担当させてもらえることになり、病棟医として勤務していました。ボン大学での診察風景は日本と異なり、病棟にある医師の部屋に患者さんを呼んで診察していました。また、患者さんはいつでも医師の部屋を訪れることができる、そんな環境でした。ボン大学病院はライン川を見下ろす小高い丘の上というとても良い環境の中にありました。患者さんと一緒に朝もやの中に古城とライン川を望む小径を散歩したり、白樺にリスが遊ぶ、そんな見晴らしの良い庭で患者さんたちとお茶会をしたりすることもありましたね。

坂元先生がご専門にされているうつ病について教えて下さい

うつ病の原因に関してはまだ十分に解明されてはいないのですが、様々な喪失体験や心身両面に重くのしかかる負荷がうつ病の誘因になると考えられています。具体的には親しい人との離別や自尊心を失うような出来事との遭遇、過重労働などが挙げられます。うつ病の患者さんでは、それらのストレス負荷の影響で十分な睡眠がとれず脳の疲労が回復しない状態が続くことによって脳内の神経伝達物質の失調状態となり脳の機能が低下してしまうことが推測されています。

ストレス社会といわれる現代では、うつ病にかかる人が増えているといわれています。確かに統計上ではうつ病の患者数は増加しています。しかし、これらはうつ病の診断基準が緩和されたことや、精神科を受診するハードルが下がってきている影響などもあるので、うつ病の患者さんが本当に増えているとは言い切れない面もあると思います。

どのようなお悩みで受診される患者さんが多いのでしょうか

うつ病や双極性障害、そして、パニック症、社交不安症などの不安症の方が多いですね。受診の経緯としてはご自身でインターネットで調べて受診される方が多いようですが、口コミや他の先生からのご紹介で受診されたり、ご家族やご友人の方がお調べになって一緒に来られたりすることもあります。患者さんは東京都内や神奈川にお住まいの方が多いのですが、他にも千葉や埼玉、茨城、栃木、群馬、山梨など関東全域から来られていて、なかには、大阪や四国から毎月飛行機で受診されている方もいらっしゃいます。

一日に診る患者さんは30~40人程度です。女子医大の外来では一日に70人位診ることもあったので、それほど多くはないと思います。診察時間は患者さんの病状によって異なりますが、初診の時に詳しくお話を聞いて、可能な限り情報を集めて適切な診断をしたうえで治療方針を決定し、適切な心理教育をすることがとても大事だと思っていますので、初診の方には一時間程度の時間をとるようにしています。

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うつ病や双極性障害と診断された場合、どのような治療を行うのでしょうか

まずは心理教育といって、患者さんご自身や、ご家族の方に病気について勉強していただいています。例えば、うつ病の方の場合は私が書いた「そのからだの不調、ホントはうつですよ(平凡社新書)」という本をご紹介しますし、双極性障害の方の場合は日本うつ病学会のホームページにある双極性障害についてのテキスト(双極性障害とつきあうために)をご紹介します。患者さんやご家族の方に勉強していただいて、疑問点について次回の診察でお聞きします。心理教育を行う目的は、患者さんご自身やご家族の方が、病気についてよく知るということがとても大切だからです。どのような病気で、どのような治療方法があり、自分は何のために薬を飲むのか、生活ではどのようなことに気を付けたらよいのか、再発の兆候としてどのようなことがあるのか、どのような対人関係に気を付けたらよいのか、生活リズムを保つことがいかに大切なことなのか、ということについて勉強し、患者さんとご家族の間でその知識を共有していただいて、治療を進めていくようにしています。

最近は、私が取材を受けたテレビ番組に出演されていた、うつ病を体験された棋士の先崎学さんの「うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間」という本もおすすめしています。うつ病の方のご家族は、患者さんが「辛い」、「調子が悪い」と言ってもどのように辛いのか、どのように調子が悪いのかがよく分かりません。また患者さん自身も自分の辛さをうまく伝えられないことが多いのです。それこそ、なってみないと分からない。そんな病気なのです。この本はその辛さがとても良く書かれていると思いますので、まずご家族や患者さんを心配する周囲の方に読んでほしい本だと思っています。

どのような時にうつ病を疑い、受診を検討するとよいのでしょうか

憂うつな気分、つまり抑うつ気分は誰もが経験することだと思いますが、その抑うつ気分が一ヶ月、二カ月経っても改善しない時や気晴らしをしても抑うつ気分が良くならない場合には受診を検討されてみるとよいのではないでしょうか。また、そうした抑うつ気分や意欲の低下によって仕事や家事、対人関係に影響が出てくる場合、例えば、友人と上手くいかない、家事をさぼりがちになる、ご主人と頻繁に喧嘩になる、仕事の能率が落ちたり仕事を休むようになってしまうなど、いわゆる社会機能の低下がみられるようになった時には受診を考えるべきだと思います。

また、対人関係などに明らかな影響が出ていなくても、眠れない日が続いたり、朝起きると胸が押し付けられるような感覚や、ざわざわするような、いてもたってもいられない感覚が続いたりして、会社に行きたくない、家事がしたくない、人に会いたくないという思いが続く場合にも、受診を検討されると良いのではないかと思います。あとは、倦怠感、食欲不振、頭痛や不眠などが続くので内科の先生にかかって色々検査を受けても問題ないと言われた時や、気の持ちようとかストレスでしょうなどと言われた時もうつ病の可能性があるので私どもへの受診を考えて下さい。

坂元先生でもそのようなお気持ちになられることはありますか?

もちろん私もありますよ。精神科医の辛いところは、なかなか精神科医にかかれないことですね。そういう時には、好きなブラームスやラフマニノフの音楽を聴いたり、下手ながらピアノやチェロを弾いたりすることもあります。あとは毎週のようにオーケストラを聴きに行ったりもします。自分自身が学生時代にオーケストラでチェロを弾いていたので当時を思い出して楽しいひとときを過ごせます。また、映画も好きで時々観に行きますね。最近もボヘミアン・ラプソディーを観て涙してしまいました。

また、雨の日も、雪の日も、台風でも毎朝5時に起きて3~4km走るようにしています。これはもう5年間一日も休まず続けています。体を動かすこと、走ること、つまり有酸素運動はうつ病予防にもとても良いことですので、患者さんにも歩いたり、慣れてきたらスロージョギングをしたりすることをおすすめしています。

話は少しそれますが、私は講演をするのがとても好きなのです。聴衆は精神科専門医や一般科医であったり、あるいは一般の方や患者さんとそのご家族であったりすることもあります。各地での講演ではうつ病診療やメンタルヘルスの問題全般について様々にお話しをして精神科診療の啓発に努めてきました。また行政機関の自殺予防対策講演会などで全国をまわったりもします。講演に赴く各地でいろいろな人に出会ったり各地方の風土や人情や料理などに触れるのがなによりも楽しみです。これは自分自身にとっての精神療法や行動療法を兼ねていると思います。そうした講演もまもなく1,200回を数えます。稚内から石垣島まで全国をくまなくまわりましたが、今年の9月には、富山県でついに講演全国5周を達成しました。つまり全都道府県で5回以上講演したということになります。

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坂元先生が大切に思っていることと、今後のご展望について教えてください

よく講演会などで他の先生にお話しているのですが、実は、心理教育をすることよりもっと大切なことは、私たちが患者さんの苦しみを理解しようとすることだと思っています。医師は患者さんの苦しみを全て理解できるわけではないですが、患者さんがどのような悩みを抱え、どのような苦しみを感じているのか、病気を抱えたことによってどのような恐怖感や不安を感じているのかを理解しようとすることが、心理教育よりも大切なことだと思います。

今後の展望としては、うつ病や双極性障害の臨床をさらに極める、ということですね。なかなか難しいこともありますが、症状が改善して笑顔になっていく患者さんをみていると嬉しい気持ちになりますので、一人でも多くの患者さんの笑顔を見られるようにしていきたいです。また今後も啓発活動を目的とした全国講演を続けることでより多くの人々と出会えることも楽しみです。

編集後記

坂元先生の診察室は大きな窓で開放的でありながら、素敵な絵画やご家族が同席されるためのソファなどもあり、アットホームな空間が印象的でした。そのなかで、坂元先生は36年間に渡ってうつの治療に取り組まれ、これまで1万人以上の患者さんを診察されてこられた豊富な知識やご経験について、穏やかな口調でお話して下さりました。

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勤務先医療機関

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