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佐々木 司 先生

パニック障害/不安障害の名医
専門
不安障害を含む精神障害全般
掲載開始日:2016年05月19日
最終更新日:2022年08月03日

臨床実績


年間不安障害患者数(延べ)
***

専門医資格
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学会職位
***

学術活動


論文・学会発表数
*** 件
※件数は英語論文を含まない場合がございます

最終論文・学会発表年
*** 年

学術機関
***

出身大学
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略歴
***

受診しやすさ


初診までの待機期間
***

医師指定受診
***

外来待ち時間
*** 時間程度

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佐々木 司先生のインタビュー

公開日:2019年01月10日
正確な診断と適切な治療を。精神科の名医が語る、診療への思い

先生が精神科をご専門にされるようになったきっかけについて教えて下さい

昔から人間の心理に興味があり、大学2年生の頃から精神科に興味を持つようになりました。子どもが好きだったので、精神科医以外に小児科に進む道も選択肢にはありましたが、大学5年生の臨床実習で実際に精神科医療に触れ、患者さんとお話をした際に、とても楽しいと感じ、精神科を専門とすることを決めました。

精神科の中ではどのような疾患をご専門とされているのでしょうか

精神科を志し、研修医修了後に勤務した病院では、院長先生が睡眠障害の研究されていたこともあり、私も睡眠リズム障害、睡眠覚醒障害と言った睡眠障害について研究していました。特に居眠り病とも呼ばれるナルコレプシーという病気について研究しており、100人以上の患者さんを診てきました。

その後、世界的な精神医学研究所の一つであるトロント大学クラーク精神医学研究所にも2年7か月ほど留学し、そこでは統合失調症の発症に関わる遺伝子の解析の研究や、統合失調症の治療の副作用として起こる口や手足を無意識に動かしてしまう遅発性ジスキネジアと言う症状に関する研究もしていました。

現在は当院では不安症やうつ病、うつと躁を繰り返してしまう双極性障害の患者さんを多く診ています。また、うつの方では発達障害を背景に持つ方も多いため、発達障害の方も診ています。

患者さんはどのような形で先生のもとにいらっしゃるのでしょうか

他の先生からご紹介されて来られる方が多いですが、患者さんからの口コミで当院をお知りになり、受診される方もいらっしゃいます。地域で言えば、やはり首都圏にお住まいの患者さんが多いですが、東北や甲信越地方など遠方にご転勤された方でも、状態が落ち着いているため数か月に一度の受診を継続されている方もいらっしゃいます。中には、新幹線で通院されている方もいらっしゃいます。ご年齢も20~70代と幅広くいらっしゃって、精神科は他の診療科よりも付き合いが長くなることが多いので、研修医の頃から30年以上診ている患者さんもいらっしゃいますよ。

診察や治療はどのように進めていくのでしょうか

初診では治療の方針を決めるため30分以上、時間が許せば1時間程度を確保して、患者さんがどのような生活をしているのか、生活の中でどのようなことに困っているのか、といったことをしっかりとお伺いします。そして、初診では問診をしながらどのような疾患が考えられるか見当をつけます。その後、通院していただき、経過をみながら疾患を絞り、診断を行います。緊急時はその限りではありませんが、薬物療法の開始を少し待っても問題のない方もいらっしゃいますので、正確に診断できるまでは、お薬の処方を待っていただいたり、どのような疾患であっても問題のないようなお薬を処方したりするようにしています。安易にお薬を処方することはとても危ないことでもあるので、薬物療法を始める際には細心の注意を払うことが必要だと考えています。

危ないこととは例えばどういったことがあるのでしょうか

不安症を例に挙げると、薬物療法ではSSRI(※選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と言うお薬が第一選択薬としてよく使われるのですが、このお薬は双極性障害を合併している方が内服すると精神的に不安定になってしまうことがあります。しかし、不安症の方は双極性障害を合併していることが多く、不安症の一つであるパニック症では2割程度の方が双極性障害を合併していると言われています。なので、薬物療法を開始する際には、合併症がないか見極め、注意を払って処方することが大切になります。双極性障害を合併している不安症の方に対しては、長時間作用型で効果の安定した抗不安薬によって治療を行います。

こう言ったことは、現在作成中の不安症の診療ガイドラインにも今後記載されていくと思いますが、不安症だからと安易にSSRIが処方されてしまうケースもあるようで、とても怖いことだと思います。

双極性障害を合併しているか見極めるのは難しいのでしょうか

双極性障害では気分が高揚する躁の状態と抑うつ状態を繰り返すのですが、明らかな躁の状態であれば見極めるのはそれほど難しくありません。しかし、たまにぐたっと抑うつ状態になるけれど、それ以外のときはいつもは元気だな、と言った程度の軽い躁の方も多く、注意して診ないとわからないことも多くあります。そのため、短い診療時間のなかでは見極めるのことがとても難しいこともあります。精神疾患の診断分類にも記載されていますが、精神疾患はある程度の経過を見て診断する必要があります。その経過というのを初診時の問診だけで見極められないこともありますので、初診で診断から処方まで全てを判断してしまわないようにすることが大切だと考えています。

薬物療法以外の治療法としてはどのようなことをされるのでしょうか

症状を改善させるために望ましい生活を送ることができるよう生活指導に力をいれています。睡眠表に起床時間や睡眠時間、生活習慣などを記入していただき、患者さんがどのような生活をされているのか、診察の際に確認します。不安症のなかにも様々な疾患があり、患者さんの生活背景も異なります。例えばパニック症の方のなかにはもともと元気な方も多く、ハードな生活を無理に続けていたらパニック発作が起きてしまったという方も多くいらっしゃいます。他にも、仕事や学校に行けないという方でも、睡眠リズム自体が大きく乱れていたり、極端に睡眠時間が短かったりということもあります。睡眠表をつけていただくことで、ご自身でも睡眠リズムを把握することができ、生活を見直すきっかけにもなりますので、お渡しする用紙やスマートフォンのアプリなどで記録していただいています。

生活指導の他にも、認知行動療法や呼吸法・リラクゼーションなどの治療法があります。簡単なものは私が指導することもありますが、臨床心理士さんとのカウンセリングの中で行っていただくこともあります。当院には非常に優秀な臨床心理士さんが揃っており、これほど優秀な臨床心理士さんが揃っているところは他にないと思います。臨床心理士さんとは、患者さんの状態について情報共有するため、密にコミュニケーションをとり、治療を進めるようにしています。

先生が診察の際に心がけていることについて教えてください

先程もお話しましたが、不安症やうつ、双極性障害などの患者さんは、他の疾患を合併していることも多いため、適切な治療ができるように正確な診断をするよう注意しています。また、精神疾患でお悩みの患者さんは氷山のように、水面下で見えない土台の部分に様々な要因をお持ちであり、それらのうち、表面に出てきた上の部分が病気として見えているのです。土台となる要因には、発達障害や睡眠障害、生活習慣、職場環境や勤務状況の問題、その方のパーソナリティなど様々なものがあります。この土台に目を向けないと、症状を改善させていくことは難しいと思いますので、土台に何があるのかというのを見極めることは非常に重要だと考えています。

ここ数年、特に心掛けているようにしていることは、生活指導の際に患者さんが無理なく出来るようなことから取り組めるように指導することです。改善した方が良いことがあったとしても、なかなか生活習慣を変えることは難しいですよね。なので、患者さんがどのようなことなら出来るのか考えながら指導するようにしています。

診察以外に大学で研究活動もされているとお伺いしましたがどのようなことを研究されているのでしょうか

大学ではメンタルヘルスに関する健康教育について研究をしています。具体的には、中高生や学校の先生方に対して、精神疾患に関する知識や、睡眠や運動などメンタルヘルスのためにどのような生活を心掛けたら良いのかという知識をつけていただく健康教育プログラムの開発や、その基礎となるデータの収集・解析を行っています。精神疾患は小学校高学年から中学生位で増えてくるといわれており、10才位から不安症、10代半ばになると統合失調症やうつなどになる方が増えてきます。そのため、子どもたちの生活の場である先生方に対する教育というのも非常に重要だと考えています。

先生の今後のご展望について教えてください

子どもの頃からメンタルヘルスや精神疾患について正しい知識を持っていただくために、現在行っているメンタルヘルスに関する健康教育をさらに普及させていきたいと考えています。正しい知識があれば、メンタルヘルスに不調が起こらないような生活を心掛けることができ、何かあった時には本人や先生方が早く気付くことができます。具合が悪くなる前に気づけるよう、子どもの時から健康教育によってあらかじめ正しい知識を持っていただけるようにしていきたいと考えています。

編集後記

佐々木先生は、臨床だけでなく大学でのご研究も継続されており、幅広い知見をお持ちの先生です。また、研修医の頃から30年以上診ている患者さんや、遠方に転居しても通院されている患者さんがいらっしゃることからもわかるように、とても優しいお人柄の信頼出来る先生で、取材時も大変丁寧に対応して下さりました。

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勤務先医療機関

住所:東京都港区赤坂3丁目9-18 BIC赤坂ビル6F
電話番号:03-5575-8198