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千島 隆司 先生

乳癌手術の名医
横浜労災病院
包括的乳腺先進医療センター長、乳腺外科部長
専門
乳腺疾患一般 (手術、化学療法、内分泌療法)、乳癌検診
掲載開始日:2017年10月17日
最終更新日:2019年11月19日

臨床実績


年間乳癌手術数
***

専門医資格
***

学会職位
***

学術活動


論文・学会発表数
*** 件
※件数は英語論文を含まない場合がございます

最終論文・学会発表年
*** 年

学術機関
***

出身大学
***

略歴
***

受診しやすさ


手術までの待機期間
***

医師指定受診
***

外来待ち時間
*** 時間程度

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千島 隆司先生のインタビュー

公開日:2019年12月18日
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AIには出来ない、人だから出来る診療を!乳がんの名医が秘める熱い思い

医師を志し、乳腺外科の道に進まれたきっかけを教えてください

中学生の時に祖母が腎臓がんで亡くなったことがきっかけになります。元々、幼少期から生物が好きでしたし、中学に上がった頃からはニュートンという科学雑誌を読んで宇宙や遺伝子に興味を持っていたのですが、祖母の病気をきっかけに病気や遺伝子の働きなど生命のメカニズムについて学びたいという思いが強くなりました。

乳腺を専門にしたきっかけは、大学で乳がんの講義をされていた君島 伊造先生(現 北福島医療センター)の影響があります。私が学生だった当時は胃がんや大腸がんの手術はとにかく大きく切除すれば良いとされる時代でした。しかし、乳がんに関してはなるべく小さく切除して乳房を温存しようという動きが始まっていました。また、乳がん治療でホルモン療法や化学療法、放射線治療などあらゆる方法を使って治す集学的治療が必要とされ始めていました。
君島先生はいつも講義で「がんの治療に興味があるなら乳がんだ!これからの乳がん治療は外科手術だけではない!」と熱く話されており、私自身も乳がんはもうメスで手術をするだけの時代ではないと感じました。当時は乳がん患者さんが増加しており、治療もさらに発展していくだろうと思ったので乳腺を専門にすることにしました。

包括的乳腺先進医療センターとはどのような部門なのでしょうか

当センターは、診療、研究、患者支援、教育、地域連携の5つを柱にしています。“包括的”という言葉には、診療だけでなく他の4つの柱も含めて取り組むと言う意味と、医師だけでなく看護師、薬剤師をはじめとしたメディカルスタッフによって支援を行うという意味が込められています。“先進”という言葉には、患者さんが安心して受診出来るような他施設より一歩進んだ患者支援という意味と、治験や臨床試験など新しい治療を取り入れる最先端という意味があります。
最後に“医療”についてですが、これを説明するには医学と医療の違いについて説明する必要があります。医学の目的は社会全体の幸せであり、研究によって新しい発見をし、その結果、社会全体、不特定多数の方に貢献することになります。そのため、医学ではどのような研究をするのか意思決定権は医師にあります。対して医療の主人公は患者さんです。今、目の前にいる患者さんが幸せになるために何が出来るのか考えるのが医療です。主人公は患者さんで、目指すものは患者さんの幸せであり、それに従事するのが医療者ということです。
当センターの名前はこのような思いから名付けました。スタッフからは長いし、言いづらいし、書くのも大変だと言われてしまうのですが、思いを知っていただけるとありがたいです。

具体的にはどのような取り組みをされているのでしょうか

当センターでは特に患者支援に力を入れています。乳がんの治療後、以前の生活に戻るための支援が重要と考え、乳房切除後の乳房再建を行ったり、働き続けられるよう就労支援をしたり、妊娠・出産をご希望される方のために生殖医療の支援を行ったりします。そのため、問診では、ご家族の方も含めた生活背景や仕事内容だけでなく、お子さんが何歳で病気のことを話しているのか、職場の方には話しているのか、周りに相談出来る人がいるのか、といった内容もお伺いしています。問診で何かあればがん看護専門看護師や乳がん看護認定看護師の方に伝えたり、就労の相談室をご紹介したり、心療内科の医師や臨床心理士の方と連携したりします。

乳がんと診断された患者さんは、仕事を辞めてもいいという覚悟で治療に臨もうとしてしまいます。しかし、一度辞めてしまうと復帰も大変ですし、会社の福利厚生も受けられなくなってしまいます。そのため、私達はまず仕事を辞めないで下さいと伝えています。患者さんの中には有給休暇を使いながら乗り切る方も多くいらっしゃいますし、化学療法中の副作用がどうしても辛いという場合に傷病手当金を受けている方もいらっしゃいます。仕事を辞める前に、今の状況で出来ることを一緒に探しましょうと話しています。

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乳がんの治療を行う場合、どのように治療方針を決めていくのでしょうか

以前は、医師が治療内容やメリット・デメリットを説明して患者さんが承諾するというようなインフォームドコンセントが行われていて、そこには何も選択がありませんでした。選択肢がある場合でも、「乳がん手術には温存術、切除術、再建術があります。この手術はこういう手術です。どれが良いか選んでください」というように、ご自身で良いと思うものを選択して下さいというインフォームドチョイスが行われていました。しかし、患者さんは医療の専門家ではありませんし、説明に頷いていても本当に理解しているとは限りません。そして、患者さんから先生のお母さんや奥さんだったらどうしますか?と聞かれると、医師は、何が良いかは人によって違いますからご自身で選んでくださいと言うのです。これは正しい患者中心の医療ではないと思います。

本当の意味での患者中心の医療とするためには、適切な情報提供をした上で、どのような治療がしたいのか、どのような懸念事項があるのかなどを聞き出してコーチングする、インフォームドコーチングが重要だと考えています。そのため、治療方針を決める時には、その方の性格や背景なども考慮してコーチングし、ご本人の意見を聞いて、意思を確認しながら決めていくように心掛けています。

患者さんとのコミュニケーションに注力されるようになったのはなぜでしょうか

留学から帰国してまだ血気盛んであった頃の私は、患者さんに共感もせずに、こういう病気だからこういう治療がいいですよ、という説明の仕方をしていました。ある日、患者さんに説明してから1時間位経った時に、看護師さんからもう一度患者さんに説明するように言われました。理由を聞くと、「先生知っていますか?先生がさっき説明した患者さん、ずっと外で泣いていますよ。仕事も家のこともあるし、次の外来は旦那を連れて来るように言われたけれど、旦那にどう話していいかもわからない。自分が死ぬかもしれない病気だしすごく不安で悲しくて、と言って泣いています。」と言われました。その時に患者さんは医師の前では「わかりました、大丈夫です。」と言っていても医師に言えないこともあるのだと気づき、説明の仕方や患者さんへの共感について考え直すきっかけとなりました。また、患者さんが医師に言いにくいことを聞き出すのは看護師で、服用方法などを補足してくれるのが薬剤師なのだということに初めて気が付きました。

その後、ある勉強会で埼玉医科大学の大西 秀樹先生からサイコオンコロジー(精神腫瘍学)について教えていただきました。その中で、がん患者さんはどのような思いを抱え、心を痛めているのか知り、もっと共感を学ばなければならないと思うようになりました。
それから、チーム医療が私のライフワークになりました。チーム医療を進めて、他のスタッフとディスカッションをすればするほど、共感の大事さやコミュニケーションの必要性を実感するようになりました。

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診療に際して心掛けていることはありますか

医療にもAIが活用されるようになり、近い将来、問診や画像診断、治療法の選択をAIが判断するようになると思います。そういった時代に必要とされる医師とは、やはり患者さんに共感できる医師だと思います。がんと診断された患者さんが最初に考えることは、自分は死ぬかもしれないということです。そのような患者さんに対して、AIは共感しているような言葉掛けが出来たとしても、実際に共感することは出来ません。患者さんと接する上では、人だからこそ出来る共感や傾聴、肯定といった態度を大切にしています。

乳がんは40代から増えてきます。40~50代というのは、仕事で責任ある立場になったり、お子さんが受験期を迎えたりする時期です。そういった時期に突然乳がんと診断されて、自分は死ぬかもしれないと思う事の精神的負担は計り知れないものだと思います。さらに、乳房を切除して、抗がん剤治療で脱毛するとなると、女性としての大きな2つのシンボルを失う可能性があります。そういった状況の中で、乳がんが治癒した後に残り30年以上の人生を生きていかなければなりません。乳がんはがんさえ無くなれば良い、という病気ではないのです。だからこそ患者さんの目線になって、一緒に人生を考えていくことを心掛けるようにしています。

また、患者さんの価値観は人それぞれです。患者さんに治療を行えば治る可能性が非常に高いと伝えても、抗がん剤治療で髪の毛が抜けるのは嫌だ、こどもを産めなくなるのは困る、仕事が辞められない、お母さんの介護をしないといけない、といった事情から治療を拒否される方もいらっしゃいます。中には代替医療に走る方もいらっしゃいます。どんなに良い治療でも治療を完遂できなければ効果は発揮できません。そのため、何を解決すれば治療を最後まで完遂することが出来るのか考え、問題を一つひとつ解決していくことが大切だと考えています。

今後のご展望についてお伺いしてもよろしいでしょうか

私もだんだんと年を重ねてきて、病気になった時に自分がどうしたいかと考えるようになりました。やはり自分の生活を維持しながら、安心出来る環境の中で治療をしたいと思います。なので、当センターでも患者さんが安心して治療を受けていただける環境を作っていきたいと考えています。また、機械にはできない、人だからこそ出来る共感や傾聴、肯定といった態度を大切にしていきたいと思います。

また、私のライフワークの一つが、乳がん学校というものです。乳がん学校とは乳がん患者さんに関わる方が一緒にチーム医療を勉強する団体です。今年で12年目となり、受講者数は1,100名以上になります。チームの良いところは、個々の力の総和ではなくて、相乗効果で結果を残せるという点です。陸上に例えると、日本は個人では入賞できなくても、リレーでは賞を取ることができます。このように、患者さんを中心にしてチームとなり、より大きな支援を提供するチーム医療を推進させていきたいと考えています。

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患者さんへのメッセージをお願いいたします

乳がんと診断された方は、最初は驚かれると思いますし、どうしたら良いのかわからないと思います。乳がんと診断されても慌てる必要はありませんので、まずは仕事を辞めないこと、そして自分にとって何が大切なのか、何が心配なのかメモに書いていきましょう。それを基に、医師や看護師、薬剤師と相談しながら、一つひとつ解決して治療を進めていきましょう。治療が苦しい時もあるかもしれませんが、一緒に治療をやり切ることを目指して頑張りましょう。

編集後記

横浜労災病院様は、新横浜公園や日産スタジアムに隣接しており、とても静かで自然豊かな病院でした。
千島先生に医師になってから嬉しかった思い出を伺うと、「乳がんの治療を終えた患者さんが妊娠されて、生まれたお子さんを抱いて来てくれた時です。この子がいるのは先生のおかげです、と言われた時はやはりとても嬉しかったです。」と優しい笑顔でお話してくださいました。千島先生はとても穏やかな先生ですが、目の前にいる患者さんの幸せのため、そして今後の乳がん診療を良くしていきたいという非常に熱い思いを感じました。

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勤務先医療機関

住所:神奈川県横浜市港北区小机町3211
電話番号:045-474-8111