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八田 耕太郎 先生

統合失調症の名医
順天堂大学医学部附属練馬病院
メンタルクリニック科長・教授
専門
精神科救急、コンサルテーション・リエゾン精神医学、精神薬理学、せん妄
掲載開始日:2016年04月12日
最終更新日:2018年12月12日

臨床実績


年間統合失調症患者数(延べ)
***

専門医資格
***

学会職位
***

学術活動


論文・学会発表数
*** 件
※件数は英語論文を含まない場合がございます

最終論文・学会発表年
*** 年

学術機関
***

出身大学
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略歴
***

受診しやすさ


初診までの待機期間
***

医師指定受診
***

外来待ち時間
*** 時間程度

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八田 耕太郎先生のインタビュー

公開日:2018年12月21日
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医師に完成はない。常により良い方法はないかと模索する精神科の名医

医師を志したきっかけについて教えてください

母方が代々医家だったので、親戚から将来は医師にと期待されたことがありました。一時は反発する気持ちもありましたが、直接人の役に立ちたいという志向はもっていました。高校1年生の時「フランス文学の『チボー家の人々』を読んで価値観が変わった」という著名な方のインタビュー記事に影響されて実際に読んだところ、登場人物の医師の生き方に魅力を感じ、元々の志向も相俟って金沢大学医学部へ進学しました。

精神科に興味を持ったのは、池見酉次郎先生の書かれた『心療内科』という本を読んだことがきっかけだったと思います。身体の好不調が精神的な理由によって変化することもあるのか、と印象に残っていました。

しかし医学はどの科も面白いので、大学5年生の時には外科医になりたいと思い、6年生の夏頃には内科医になるつもりでいました。最終的に在学中に在籍していた山岳部の先輩に誘われる形で、公衆衛生の大学院に進み、東京都立松沢病院、東京都精神医学総合研究所への内地留学を経て精神科医になりました。

その後東京都立松沢病院や東京都立墨東病院で救急・急性期医療に携わり、日々、救急車両や警察車両を受け入れる生活を送りました。

現在、貴院ではどのような診療をされていらっしゃいますか?

当院では主に入院中の患者さんに対しての診療を行なっており、一般の外来診療は行なっておりません。このように総合病院の中で他の診療科の先生方とともに治療を行なっていく精神医学を「リエゾン精神医学」といい、私の現在の活動の中心となっています。

毎日病棟を周り、病棟ごとに入院された患者さんで精神科医として手助けができる患者さんがいないかを確認し、診療に当たっています。患者さんの中にはもともと入院前から精神科に通院されている患者さんもいらっしゃいますし、入院生活や治療の不安、ストレスからお気持ちが不安定になられる方もいらっしゃいます。例えば、入院されたときに不安を感じやすい方や不眠傾向がある方もいらっしゃいますし、ご年配の方でもともと認知症をお持ちの方や救急医療を受ける中で精神的な不調に陥る方もいらっしゃいますので、そのような方の診療を行っております。

総合病院では入院中に「せん妄」を生じてしまう方が多くいらっしゃるので、現在の診療に占めるせん妄の割合は最も多いです。せん妄とは「意識が軽く曇ってしまう状態」いわゆる寝ぼけている時に近い状態なのですが、せん妄によって興奮してしまう場合が多く、患者さんによっては点滴を抜いてしまったり、ベッドから転落したりと本来の治療の妨げになったり思わぬ怪我の原因となってしまいます。またせん妄は認知症に進展する可能性もありますので、早く治療をする必要があります。

これまでの精神医学では、せん妄が現れてからお薬を使って治療するということが多かったのですが、せん妄を予防することができれば患者さんにとっても安全ですし、医療者も本来の治療に専念できるようになります。ですので、当院ではせん妄の予防に対して看護師や内科医、外科医など病院全体でも取り組み、せん妄を減らしていく環境を構築しています。

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どのような方がせん妄になりやすいのでしょうか?また、せん妄の予防方法について教えていただけますか

せん妄を生じやすい要因はいくつかありますが「高齢あるいは認知症の人」はせん妄になりやすいです。その上で直接的な要因として、1つ目はお身体の炎症反応が高いということ、こちらは感染症や悪性腫瘍など様々な要因がありますね。2つ目は「低酸素状態」です。こちらは、呼吸不全・心不全・貧血などによって脳に酸素が不足している状態が当たります。3つ目は「薬剤」による影響です。例えば、不眠の改善や不安を和らげる目的で使われるベンゾジアゼピン系と呼ばれるお薬や医療用麻薬、膠原病など様々な病気の治療で使われるステロイド剤などがせん妄の一因となります。

このせん妄に対する予防ですが、我々の研究では不眠症治療薬の一種に予防する効果があるとわかってきました。具体的に我々がどのように介入しているかというと、まず患者さんが入院された時点で看護師が不眠がないか、不安を感じやすくないかなどのせん妄の要因を確認します。そこでリスクがあると判断されると、精神科医が実際に患者さんのお話を伺いに行き、診察します。患者さんとお話しをして状態を確認し、せん妄の可能性やせん妄となることで起こる不利益について説明を行い、予防のためのお薬を処方します。

当院では、実際にこのせん妄についての予防的介入を行ったことで、患者さんがせん妄を起こす割合が減り、治療のための抗精神病薬の使用も減りました。また、せん妄によって入院期間が伸びてしまうこともあるのですが、当院では医師や看護師がご家族への介入も行い、患者さんの早期退院につながっています。

せん妄を生じてしまった場合、ご家族はどのような反応をされるのでしょうか?

患者さんのご家族からは、このせん妄状態は治るのでしょうか?自宅に帰れますか?ということをよく尋ねられます。自宅に帰ることが出来るかは患者さんが一人暮らしをされているのか、ご家族とご一緒なのかでも異なりますし、せん妄がどの程度続くかは患者さんの状態によっても変わりますが、多くの場合せん妄は一過性であり、適切に治療すれば治ることをお伝えしています。また、予防することが一番大切であることもお伝えしています。

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例えば、高齢のご家族が入院される場合など、何かご家族ができることがありますか?

せん妄の背景には不安な感情があり、この不安が興奮を呼び起こしますので、不安に対処することが重要になります。どうしても、普段と異なる環境での入院生活や手術となりますので、患者さんの知っている方が側にいるというのは一番効果があります。特に、認知症が既に進行している場合には、当院の場合、個室でご家族が一緒に泊まられることもあります。そうされると患者さんも安心されて、治療に臨める場合があります。

ご家族がお忙しい場合でも、出来るだけ患者さんとお話しのお時間をとっていただいたり、面会に来ていただけたりするとよいですね。日頃使われているパジャマなどをお持ちいただくこともよいかもしれません。

これまで様々なご経験をされてきたかと存じますが、印象に残っていることはありますか?

都立病院に勤務していたある時、当時高校生で統合失調症を発症して入院してきた女の子がいました。その子のお母さんもご病気を患っており、病院に入院されている状況だったので、お父さんが付き添いにいらっしゃっていました。

お父さんは毎日作業服のまま面会に訪れ、帰って行くということを繰り返していましたので、おそらく仕事の帰りに立ち寄られていたのだと思います。

そんなある時、その女の子が一時外出できることになり、お父さんと出かけました。その後、外出から帰ってきた女の子は笑顔を浮かべて、「お寿司屋さんに連れて行ってもらった。」と言うのです。その嬉しそうな表情は今でも覚えています。ご家族の状況から見て、暮らしぶりは決して楽ではなかったのかもしれませんし、医療者に言いたいこともあったと思いますが、黙々とご家族を支えている父の在り様を美しいと感じました。自己実現が至上という価値観もある中で、誰かの為に誠実に生きていくという姿は言葉にできないものがあります。

そのご家族のことは今でも心のなかでしっかりと覚えています。

今後のご展望について教えてください

精神医学という点で申し上げると、薬物療法以外にも認知行動療法や、マインドフルネスという方法も発展してきており、よりあるべき精神医療の姿に近づいて行くのではないでしょうか。

個人としては、医師は自分で完成したと思ったらそこで終わりだと考えていて、常により良い診療のために出来ることはないかと模索しています。これからも現場の様々な困難に取り組んでいきたいと思います。

高齢化はこれからも進むので、病院でのせん妄の発生は更に増えて行くことが予想されますが、日本に現在ある7,700ほどの一般病院のうち精神科医が常駐している病院は1割程度のみです。したがって、専門医でなくてもせん妄対応できるシステムがますます必要になります。そのためにもせん妄の研究を続け、より精度の高い予測方法や有効なアプローチを探していきたいと思います。

患者さんやご家族の中には、精神科と言うと受診のハードルが高く感じることもあるかと思いますが、内科や外科、看護師などの医療スタッフと一緒に治療をしている科ですので、あまり構えずにご相談していただければと思います。

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順天堂大学医学部附属練馬病院の写真

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勤務先医療機関

住所:東京都練馬区高野台3丁目1-10
電話番号:03-5923-3111