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浦尾 正彦 先生

小児外科(ヘルニアなど)の名医
順天堂大学医学部附属練馬病院
小児外科診療科長・教授、副院長
専門
腹腔鏡手術、小児外科一般、小児泌尿器
掲載開始日:2016年05月19日
最終更新日:2021年07月05日

臨床実績


年間小児外科手術数
***

専門医資格
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学会職位
***

学術活動


論文・学会発表数
*** 件
※件数は英語論文を含まない場合がございます

最終論文・学会発表年
*** 年

学術機関
***

出身大学
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略歴
***

受診しやすさ


初診までの待機期間
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医師指定受診
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外来待ち時間
*** 時間程度

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浦尾 正彦先生のインタビュー

公開日:2017年12月07日
お子さん、ご家族にとって安全・安心・納得の治療を提供することを心がける 小児外科の名医

医学の道を志したきっかけや、小児外科を専門とされた理由は何ですか?

私は大学の進路を決める時、どの道に進むか悩んだ時期がありました。父親が医師であった影響から医学の道に進むか、美術が好きであったためや芸術の道に進むかという選択でした。医学の道に進もうと決断したのは、高校生の時に交通事故を目撃したのがきっかけです。その当時、目の前で倒れている人を見ながら私には何もできませんでした。その時、医師になれば目の前の人を助けられるのではないかと思い、医学を志す決意をしました。

医学を学んでいく中で小児外科を専門としたきっかけは、もともと美術や手先を動かすことが得意であったため外科に進みたいと思っていた中で、小児医療に興味があったことや、大学時代のラクビー部の恩師が小児外科医であった影響が大きいと思います。

小児外科疾患で浦尾先生がよく診られる疾患は何ですか?

小児外科では、主に赤ちゃんから中学生までを対象にしています。大学病院ではありますが、急性虫垂炎やそけいヘルニア(脱腸)などの一般的な疾患から、ヒルシュスプルング病、胆道拡張症、胆道閉鎖症、卵巣疾患、水腎症、尿道下裂など専門的な疾患まで幅広く診る体制が整っています。

そけいヘルニア(脱腸)について教えてください

そけいヘルニアを発症する子どもは50人に1人ほどです。基本的に小児期で発症するそけいヘルニアのほとんどが、腹膜鞘状突起と呼ばれる胎児期の腹壁の構造が残っているために起こる先天性の疾患であり、幼児期に発見されることが多いものです。もちろん、生後すぐに発見される場合もありますし、大人になってから気付く方もおられます。自然に治ると思われている方も多いのですが、先天性のそけいヘルニアは手術をしなければ治りません。

そけいヘルニアは、腹圧が加わり、腸管がそけい部に脱出することでそけい部や陰嚢部が膨らんで発見されます。腹圧が加わっていない時には、腸管がおなかの中に戻るため異常がなかったかのように見えます。しかし、腸管が脱出したまま戻らなくなる陥頓(かんとん)になると、かちんかちんに硬く膨らみ、強い痛みを伴い、そのまま脱腸が整復できなければ緊急手術が必要となります。

そけいヘルニアで最も怖いのは、この陥頓の状態です。例えば風邪を引いたり、喘息などで咳がある時は、咳き込むことでお腹に圧が加わり脱腸が起こりやすく、さらに陥頓することがあります。もし脱腸が戻らなければ緊急手術が必要となりますが、呼吸状態が悪い時に手術をすることは肺の合併症リスクを高めてしまい大変危険になってしまいます。ですからできるだけ安全な手術をするためにも、嵌頓が起こる前にそけいヘルニアを発見し、体調のよいときに手術を行うことをお勧めします。

当科でのそけいヘルニアの手術は、太さ2ミリ程の器具を用いた腹腔鏡下ヘルニア根治手術(LPEC法)を第一選択としています。腹腔鏡下手術で行うことで、傷跡が目立ちにくく、腹腔鏡下で反対側のそけいヘルニアの有無を確認できるため、発見すればそのまま反対側のそけいヘルニア手術も行えるというメリットがあります。

そけいヘルニアは嵌頓が起こらなければ危険な疾患ではありませんが、少しでもおかしいなと思ったら、かかりつけの先生に相談していただきたいと思います。

ヒルシュスプルング病について教えてください

ヒルシュスプルング病は、腸管の一部が動かないことで便秘を引き起こす、乳児期に多い外科的治療が必要な疾患です。症状としては、慢性的に異常にお腹が張っていたり、排便が無かったり、嘔吐があったり等、重篤な状態で発見されることがあります。

また、肛門近くの非常に短い範囲の腸管にのみ異常がある場合は、浣腸すれば排便があるのでヒルシュスプルング病が発見されにくいこともあります。私が診てきた子どもさんの中にはティーンエイジまでずっと病気を持ち続けていた子もいました。その子どもさんは、胸部から腹部まで膨れており、鳩胸と言われて紹介されてきました。そして、レントゲンを撮ってみると、お腹の中の腸管がパンパンに膨らんで胸を押し上げている状態でした。また、体幹の形に異常があるだけではなく、身長も平均よりずいぶん低い成長障害があり、重症のアトピー性皮膚炎も引き起こしていました。手術治療を行うことで、便秘はもとよりアトピー性皮膚炎も軽快し、心配していた身長もホルモン補充療法を行うことで改善されました。

外科的疾患に伴う便秘でも、一般的な便秘であっても、便秘は腹痛や成長障害の原因になる場合があります。慢性的な便秘がある場合には、専門医へ相談をして原因を確かめ治療することが大切です。

診察・治療時に浦尾先生が心がけていることについて教えてください

基本的なコンセプトとしては、「お子さん、ご家族にとって安全・安心・納得の治療を提供する」ことを心がけています。自分の子どもだったらどうするかということをまず考え、合併症のリスクを減らし、痛みも少なく、傷の目立たない、低侵襲な治療を心がけています。
お腹の疾患の中には開腹手術による治療を必要とする疾患もありますが、当科では腹腔鏡の手術を第一優先にしています。手術後の痛みは皮膚を切った量に比例しますので、手術の傷がより小さい術式を選択するようにしています。

また、このコンセプトを追及していったことで、昔は開腹手術の適応だった疾患が、今では体を切らずに治す治療法も行っています。

例えば、泌尿器系の疾患では、「膀胱尿管逆流現象」という尿路感染の原因になる膀胱の病気がありますが、尿道から細い内視鏡を入れて治療を行うので、痛みがなく、合併症もほとんどなく治療ができます。

「臍ヘルニア」(でべそ)の治療では、手術が一般的でしたが、現在では綿球圧迫療法という治療に変化してきています。言葉の通り、綿球とテープだけで行える治療法です。乳児早期から正しく治療をすることで、手術を行わなくても治る疾患です。

「漏斗胸」(胸部がポコッとへこんだ胸郭の変形を呈する疾患)の治療には胸腔鏡下手術のNuss法があります。ステンレス製のバーを胸骨の下に固定して持ち上げことで胸郭の形が良くなります。しかし、手術ですので脇の下に傷跡ができることや、合併症もゼロではありません。さらに低侵襲な治療法として当科でおすすめしているのが、バキュームベルという矯正器具です。これを使うことで、手術を行わなくても胸のへこみが目立たなくなります。バキュームベルであれば合併症はなく、矯正期間中であっても運動が可能というメリットもあります。

「急性虫垂炎」については、かつてはすべて緊急手術の対象でしたが、抗生剤の効果が高まったこともあり、当科では軽傷な虫垂炎は内科的に治療をします。手術を必要とするレベルの虫垂炎は開院以来100%腹腔鏡手術をしており、美容的にも喜ばれています。

私は常に、手術が必ず必要な状態か、手術以外の治療が可能な状態かを検討して、外科的・内科的にこだわらない治療、子どもさんにとって低侵襲で合併症が少ない治療を第一に選択するようにしています。

またその他にも私はチーム医療を大切にしています。16歳以上の患者さんでも、そけいヘルニアや尿膜管遺残症など、先天性の疾患である場合は、小児外科が執刀を引き受ける場合もあります。一般にそけいヘルニアの手術は成人と小児では術式が違ってきます。当院では個々の患者さんのためにはどの術式がよいのかを成人外科、小児外科がチームとなって情報を共有し検討することを大切にしています。

患者さんやご家族へのメッセージ

「手術の1分間、患者の一生」と思い、細心の外科治療に取り組んでいます。私は、大学病院でありがちな患者さんを多くの症例の一人として診るのではなく、目の前のお子さんとご家族のために、「Aちゃんのために頑張ろう」、「Bくんを治そう」、と一人一人の患者さんに寄り添った治療を提供したいと思っております。

私がご両親に希望することは、少しでも子どもさん健康のことで気がかりなことがあれば放置せずに、まずはかかりつけの先生に受診して欲しいということです。その上で、当科にご紹介いただければ、一般的な疾患から専門的な疾患まで幅広く診療いたします。誠心誠意、早期発見・早期治療、安全・安心に心を配りながら治療を行って行きたいと思っております。

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勤務先医療機関

住所:東京都練馬区高野台3丁目1-10
電話番号:0359233111