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山田 陽介 先生

緩和ケアの名医
豊島病院
緩和ケア内科 部長
専門
緩和ケア、呼吸器内科
掲載開始日:2016年04月12日
最終更新日:2019年04月09日

臨床実績


年間緩和ケア外来患者数(延べ)
***

専門医資格
***

学会職位
***

学術活動


論文・学会発表数
*** 件
※件数は英語論文を含まない場合がございます

最終論文・学会発表年
*** 年

学術機関
***

出身大学
***

略歴
***

受診しやすさ


入院までの待機期間
***

医師指定受診
***

外来待ち時間
*** 時間程度

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山田 陽介先生のインタビュー

公開日:2019年07月04日
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困難な状況でもできるだけ安心を感じてほしい

山田先生が医師を志したきっかけについて教えてください

私の両親はがん、神経難病と共に当時の医学では根治が望めない難病を患い、亡くなりました。父は私が中学生の頃に神経難病を発症しましたが、そのような中でも仕事に励んでいた背中は今でも深く印象に残っています。

医学が進歩し、様々な疾患で診断や治療が可能になる中、根治が望めない疾患に対してどういうアプローチが取れるのかということは当時から大きな課題でした。父は、最期は病院で亡くなりましたが、最新の治療を求めて様々な治療を受けていました。身体が思うように動かなくなっても、人間の尊厳というものを強く持っており、医師から手術の同意書について、「ご自身での署名が難しかったら、ご家族様が署名していただいても構いませんよ」と言われた際にも「人間の尊厳ですから」と、震える手で署名をしていたことを強く覚えています。尊厳という言葉は難しい概念ですが、父から如何にそれが大事かということを教わりました。そういった経験がありましたので、自然と医師を志すようになっていました。

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山田先生は緩和ケアがご専門ですが、医師となってからはどのようなご経験をされたのでしょうか?

医師になった当初は地域のがんセンターで研修し、様々ながんの診療を経験しました。その後、当時はまだ緩和ケアという診療科がなかったため、東京医科歯科大学の第二内科(呼吸器)に入局し、がんの診療と症状緩和に取り組んでいました。

現在は豊島病院に勤務していますが、豊島病院に赴任する前は東京共済病院に8年間在籍していました。東京共済病院は総合病院に勤務している医師が在宅にも訪問診療に行くというシステムがありましたので、患者さんやご家族が安心してご自宅で過ごせるよう在宅での支援も行っていました。患者さんの中にはご自宅に帰ることに不安を感じる方もいらっしゃいましたが、そんな時に、「私がお家にお伺いすることも可能ですし、何かあったら病院にいますから、症状が落ち着いたらお家に帰ってみませんか?」とお伝えすることで、患者さんやご家族が安心してお家に帰れると言うことをよく経験しました。

その後、平成15年に当院に赴任し、以後16年間、緩和ケアに携わっていますが、この経験は緩和ケアを専門とするようになってからもとても活きていると思います。

貴院では患者さんが病院や在宅を循環するシステムが確立していると伺いました。詳しく教えていただけますか?

当院は都立で初めて緩和ケア病棟ができた病院です。緩和ケア病棟にいらっしゃる患者さんはご自身、ご家族ともにお辛い状況に直面することが多く、私は患者さんやご家族が好きな場所で過ごすには何かできるか、またそれを支えるために何ができるかということを常日頃、考えていました。

そのため当院の緩和ケア診療では患者さんの体調が優れない際には入院し、回復したら家に戻ると言う、患者さんが病院と自宅を循環できるようなシステムを構築しました。
また、医療者個人として、患者さんやご家族が困った際には病院に戻ってきてもらいたいと思っても、その時に緩和ケア病棟のベッドが空いていないと言うことも起こり得ますので、緩和ケア病棟だけでこの仕組みに取り組もうとしても実はとても難しいです。そのため患者さんやご家族、地域の在宅に関わる医療従事者の皆さんにも安心して頂けるよう、病院全体の協力体制により、緩和ケア病棟が満床の時は緊急時であっても他の病棟がベッドの調整に協力し、受け入れができるようになっております。

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緩和ケア内科の相談外来受診後は教育入院があると伺いしました。どのようなご説明をされるのか教えていただけますか?

以前は緩和ケア病棟に対して昔のホスピスの様なイメージを抱く方も多く、入院するには全てを諦めないといけない、という印象をお持ちの方もいらっしゃいました。しかし、本来、緩和ケアとはそうしたものではありません。症状が落ち着いて、体調が改善したら、先ほどのようにまた自宅に戻ってもいいのです。当科を退院して外来に通院している方も数多くいらっしゃいますし、最期の迎え方は在宅でなければいけないというものでもなければ、病院で迎えるのが正しいというものでもありません。

私は患者さんとご家族が安心して納得できるところであれば、それでいいと思っています。よりよく過ごせるよう、当院では最近の緩和ケアとはどういうものか、今後どのような生活をしたらいいかなど各人の事情にあわせた対応を検討するため、先ずはごく短期間であっても教育入院をしましょうとお伝えしています。

教育入院ではその時点で困っている症状の緩和はもちろんのこと、がん悪液質に対する対策、生活上の注意点などの説明を行っています。悪液質とはがんによって筋肉の量が減少してくる病態を指し、がんの経過の中で多くの人が経験するのですが、多くの診療科ではどうしてもがんに対する治療や副作用などの説明が多くなってしまうためか、患者さんとそのご家族が、がん悪液質をはじめてとする今後起こりうる症状について「今後どのようなことで困りやすく、日々の生活でどう対策をとっていくべきか」など十分に理解がなされていない現状があるように思います。

がんによる悪液質が進行すると、筋力が低下することでペットボトルの蓋が開けられない、手すりに捕まらないと歩けない、トイレでの立ち上がりが辛い、そしてとても「だるい」ということを経験していきます。その後、食事も十分に摂れなくなり、物事に集中もできず、必要な書類なども書きたいのにただ眺めているだけという状態になります。そのまま寝たきりになってしまうと残された時間がとても短い状態となってしまうことがおきやすいものです。

まだ介護は必要ないとおっしゃる方がいらっしゃいますが、将来的に筋力が低下し、介護が必要になる状況を想像できていないこともあるのです。ですから、きちんと説明をしていきます。

また、近年は筋肉量が維持されている患者さんではがん悪液質でも経過が緩やかであると解明されてきました。そのため、当院では筋力維持のため、早期からリハビリテーションを導入し、患者さんやご家族にも日常の中でできる筋力トレーニングをお伝えしています。患者さんに対して、何もしなくてもいいとおっしゃるご家族もいらっしゃいますが、これまで行っていた日々の習慣や生活は続けていた方が良いのです。家事や日常の動作が筋力維持につながりますので、ご家族にもそういった習慣を継続していただくようにお伝えし、支援しています。年を取っても筋力は維持できる、そしてその筋力の維持が病気の経過を良くするのですよとお話しています。

貴院の緩和ケアで受けられる治療の特徴について教えてください

がん性疼痛の緩和には新しい技術も積極的に取り入れています。例えば症状や使用するお薬によっては点滴を行わないといけない場合もあります。そう言った際に以前では鎖骨の下にCVポートと言ってカテーテルを入れることが多くありました。しかし、鎖骨下に針を刺して処置をすると言われると皆さんとても不安に感じます。そのため当院ではPICCと言って、腕から入れるタイプのカテーテルを使用しています。腕からカテーテルを入れる場合、カテーテル感染のリスクも低いですし、処置の時に気胸を起こす危険性もないのでメリットも多いです。

また、当院の緩和ケア病棟では、胸水や腹水を抜く際やPICCを入れる際にはできるだけ薬で鎮静をかけてから処置を行なっています。患者さんは医療者が考える以上に医療処置を苦痛に感じているものですが、このような方法で行うと患者さんの心理的な負担を大きく軽減することができます。このように最新の技術によって少しでも疼痛をはじめとする様々な症状を緩和できるのであれば積極的に取り入れていこうというのが当院の考え方です。

そしてここからが大切なのですが、身体的な苦痛だけが問題なのではなく、緩和ケアで身体的な苦痛が緩和された後に、それまでは強く意識を向けていなかった「何のために生きているのだろう」などといった実存的な苦悩や無価値観に直面することがあります。これは人間の根本的な問題でもあります。こうしたスピリチュアルペインに多職種チームで向かいあっていく事が緩和ケアの本質でもあり、我々の仕事なのだと思っています。

専門家として苦痛を緩和するだけでなく、多職種の医療チームで日々カンファレンスを行い、いろいろなツールを使用して評価・分析し、その方の「生き様」を支援することが我々のすべき事だと思って取り組んでいます。

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スピリチュアルペインには実際にどのように向き合っているのでしょうか?

スピリチュアルペインを癒そうと思うと、薬や言葉ではどうにもならないことがあります。時には音楽の力を借りることもあります。誰しもが音楽を聴いて共感したり感動したご経験はあるのではないでしょうか?

音楽で癒しを提供できないかといろいろな楽器を試し、行き着いた楽器がウクレレです。ウクレレは深刻な音が出ませんし、ご年配の方だとハワイアンブームやウクレレを弾く芸人がいらっしゃったお陰か、ウクレレを持つとクスッと笑ってくれるのです。数年前から当科スタッフはウクレレを活用していますが、上手い演奏をしようとするのではなく、患者さん・ご家族と一緒に感じようというものです。上手くはなくても一緒に歌い、笑っていただけるのです。過去には、軽い意識障害のある患者さんがウクレレの音を聞いて、昔、祖国のレストランに楽団が来た時の事を思い出したとおっしゃった事もありました。過去の楽しい幸せな思い出を想起するというのは、薬や言葉だけではできない安寧をもたらすことがあるのです。今では当科の多くのスタッフがウクレレを弾き患者さんとご家族と一緒に歌ったりしております。

最後にメッセージをお願いします

当院では多職種が一丸となって、最新の治療や緩和ケアを提供しています。本当の意味での緩和ケアは身体的な苦痛が取れた後から始まります。薬や言葉で癒せない苦痛に対しては、音楽を用いたり、心理師によるアートセラピー(パステルシャインアート)など様々な角度からアプローチを行っています。
豊島病院緩和ケア相談外来の受診をご希望のかたは医療相談室(TEL 03-5375-1234 ㈹))までご連絡ください。

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編集後記

今回の取材では、実際に緩和ケア病棟を見学させていただくことができました。清潔感のある病棟で、陽の光が降り注ぎ、花が咲くベランダに出ることができる開放的な病棟設計がされている病棟でした。至る所に花や絵が飾られ、ただそこにいるだけでいいような肯定感に包まれる雰囲気がありました。
取材では、生きることの本質と向かい合った山田先生だからこそのお話も沢山伺わせていただきました。困った時には安心してご相談できると思います。

豊島病院の写真

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勤務先医療機関

住所:東京都板橋区栄町33-1
電話番号:03-5375-1234