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岡田 弘 先生

男性不妊の名医
獨協医科大学埼玉医療センター
泌尿器科 特任教授
専門
男性不妊症、排尿機能、尿路性器悪性腫瘍
掲載開始日:2016年11月16日
最終更新日:2021年07月21日

臨床実績


男性不妊外来患者数/月
***

専門医資格
***

学会職位
***

学術活動


論文・学会発表数
*** 件
※件数は英語論文を含まない場合がございます

最終論文・学会発表年
*** 年

学術機関
***

出身大学
***

略歴
***

受診しやすさ


初診までの待機期間
***

医師指定受診
***

外来待ち時間
*** 時間程度

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岡田 弘先生のインタビュー

公開日:2019年06月11日
患者さんには受診して良かったと思っていただきたい。リプロダクティブ・ヘルスプロモーションに取り組む男性不妊の名医

先生が医師を志したきっかけについて教えてください

子供の頃は物理や数学が好きだったこともあり、そういった研究の道に進みたいと考えたこともありましたが、そのような理論科学の分野の天才には自分は歯が立たないとも思っていました。そのため、高校3年生の頃には違う方向に進むことも考えるようになりましたが、生物学の分野は普遍的な概念が成り立たず、きれいな解が出ないように感じており、あまり好きではなかったのです。そうして考えている中で、生物学の中でも動物よりは人に関わる分野の方がより人の役に立つことができるかと思い、医師を志すようになりました。

泌尿器科の道に進み、男性不妊を専門にされるようになったのはなぜでしょうか

医学生の頃にホルモンのシグナル伝達機構に興味を持ち、生化学の教室に出入りしていたので、卒業後は内分泌内科に入局しようと考えていました。ですが、内科系は少し自分に合わないかなとも感じ、泌尿器科に行き着きました。泌尿器科の中では特に腎移植に携わりたいと考えており、母校である神戸大学の泌尿器科の教授からも、当院でも腎移植をやっているからと言われたので入局することにしました。しかし、卒業後に分かったことなのですが、実は当時、神戸大学ではまだ腎移植を行っておりませんでした。正式に入局する前だったので腎移植を行っている他の大学に移ろうかとも考えたのですが、その頃に腎盂がんの手術を見せていただく機会があり、これはすごいものがあるなと嵌ってしまい、今に至ります。私は「人間万事塞翁が馬」を信条にしていますので、今の道に進んだことを後悔したことはないです。

貴院泌尿器科の特徴について教えてください

当科では、腎臓、尿管および尿道からなる尿路の疾患から前立腺、精巣といった男性生殖器、副腎と泌尿器に関わる全ての領域を対象に診療を行っています。小児泌尿器疾患や勃起不全、男性不妊症、性感染症、メンズヘルスなど、他ではあまり扱っていない疾患についても積極的に取り組んでおり、当科の特徴は泌尿器科の教科書に載っている疾患は全て対応出来ることだと思います。
腎移植についても2017年から扱っており、現在では2週間に1件程度のペースで手術を行っています。私が当院に着任した当時はあまり泌尿器科が強い病院ではなく、透析室もありませんでしたが、その後、腎臓内科の先生に来ていただいて透析室を開設し、10年かけて腎移植を行える体制に整備してきました。今後は週に1件のペースで行える体制に整えていきたいと考えています。

がんの患者さんが多いと伺いましたが、大学病院におけるがん治療の強みとはどのような点でしょうか

がんの治療は今後、様々な診療科を有する総合病院や大学病院でなければ難しくなってくると考えています。例えば、免疫チェックポイント阻害薬など新しい抗がん剤が出てきていますが、そういった新しい薬は従来の抗がん剤とは異なる副作用が生じる可能性があり、なかには循環器科や内分泌科など、それぞれの専門家がいないと対応が難しい場合もあります。合併症のない患者さんについては特定の領域のがん治療を専門にしている病院でも対応出来ますが、全身管理を必要とするような患者さんについても、各分野の専門医や専門部署が協力して診ることが出来るというのが大学病院の強みだと思っています。

また、がんに関しては病院の総合的な力が必要と考えています。2019年年度中には腫瘍センターの組織改編・拡充が終わり、外来化学療法室を25床から60床に増床する予定です。がんの診療に長けた循環器内科医(カーディオオンコロジー:腫瘍循環器科医)もいますし、がんのリハビリも行っています。

ソフト・ハード面で患者さんが安心して治療を受けられるように整備を進めているのですね

がん患者さんの中には様々な持病を持っている方もいますので、各科の垣根を無くして複数の診療科で患者さんを診ていく必要があります。また、病気の治療だけでなく、患者さんや患者さんのご家族への支援も重要だと考えています。例えば、がんの治療中には皮膚トラブルを抱えることが多くありますので皮膚科の医師との連携が必要になりますし、皮膚のケアを専門にしている看護師のサポートも必要になります。患者さんの心理面へのサポートも大切になるので、精神看護の専門看護師であるリエゾンナースとも連携しています。他にも、お亡くなりになった患者さんのご家族を専門的にケアするための外来(遺族外来)も開設しています。

先生はどのような患者さんを診ていらっしゃるのですか

当院には様々な領域を専門としている泌尿器科医がいますので、多種多様な疾患をお持ちの患者さんが来られています。私は泌尿器科の外来では主に精巣がんなど泌尿器がんの患者さんを多く診ており、リプロダクションセンターの外来では男性不妊の患者さんを診ています。精巣がんはあまり多いがんではないのですが、当院にはかなり多くの患者さんが来られています。

リプロダクションセンターについては当院に着任した頃から作ろうと思っていて、9年かけてやっと開設することが出来ました。リプロダクションセンターは3名の産婦人科医と2名の泌尿器科医がそれぞれ専任で診察しており、不妊症を中心に診ています。当院のように不妊症を専任で診る医師がいる大学病院は日本では数少ないと思います。女性の不妊に関しては産婦人科医、男性不妊に関しては泌尿器科医が診ることになりますが、なるべく2人で一緒に受診していただくようにしています。場合によっては産婦人科医と泌尿器科医双方の医師が同席して4人でお話することもありますし、カウンセラーが同席することもあります。
患者さんの9割以上は埼玉県外から来られており、全国各地から受診されています。韓国など東南アジアから来られる方もいますし、海外に住んでいる方が帰国の際に来られる場合もあります。年齢層としては20代後半~40代の方が多いですが、中には60代の方もいらっしゃいます。

先生がご専門にされている男性不妊についてもう少しお伺いできますか

男性不妊はやはり加齢による影響が大きいといわれていますが、長年診療をしてきて患者さんの年齢が上がってきていると感じています。
また、以前は原因不明のケースも多かったのですが、最近では精索静脈瘤という精巣静脈の血流が逆流してコブのようになる状態が男性不妊の原因の4割近くを占めることがわかってきました。静脈瘤のある方では精巣の血流が悪くなることで精巣の温度が上がってしまい、精巣中の酸化物が増加します。この酸化ストレスによって造精機能が低下することがあり、これが男性不妊の原因となります。
精索静脈瘤の治療方法としては薬物療法や手術療法があり、薬物療法では静脈瘤そのものを治すのではなく、コエンザイムQ10やビタミンCやビタミンEなどの酸化ストレスを軽減する効果のあるサプリメント(SOサポートⓇ)などを内服することで造精機能を回復させます。手術では手術用の顕微鏡を用いたマイクロサージェリーで精巣静脈を結び、切断することで血液の逆流を防止する手術などを行います。場合によっては、少しでも早く妊娠出来るように薬物療法を行いながら手術を行う事もあります。

診療の際に心がけていることがありましたら教えてください

患者さんには、当院を受診して良かったなと思っていただけるように、必ず何か持って帰っていただけるように心がけています。それは治療が成功したということでも良いですし、何かの情報でも良いのです。しかし、不妊症治療の成否は子どもを授かることができたかどうかという非常に厳しいものになります。リプロダクションセンターでは、無精子症の患者さんも多く診ており、治療を受けられた方の25%程度は子どもを授かることができています。しかし、逆にいうと75%の方は子どもができていないという現状があります。

そういった方々に対しては、私たちはリプロダクティブヘルスプロモーションというものに取り組んでいます。リプロダクション(生殖)から健康を増進していこうという考え方です。
通常、40才前後の若い方が医療機関に真剣に通院することはあまり無いと思います。この年代の人は健診を受けて肝機能の数値が悪くなっていたり、コレステロール値が高くなっていたりしても、外食が多かったから…と理由付けしてしまい、病院を受診されない方も多いと思います。そのため、当センターでは受診された方に対して不妊治療以外の点でも介入を行っています。例えば、体重が増加していたら、体重減少のプログラムを受けていただく、喫煙者は禁煙外来を受診していただくといった形になります。
若い時期に医療機関を受診する機会に恵まれ、その後の健康増進の役に立ったと思っていただくのも当センターの目的となります。最終的に子どもを授かることができなかった場合でも「健康に長生きするのに役に立ちました」と言われることが私たちの目標なのです。

先生の今後のご展望についてお聞かせください

これまで教育する立場としても仕事をしてきましたので、私の弟子たちが星の数ほど増えていけばいいなと思っています。非閉塞性無精子症の手術として精巣組織を取り出して、その中から精子を回収するTESE(精巣精子採取術)や顕微鏡下の精索静脈瘤手術では日本でも有数の手術数を誇っており、今年は500例程になるかと思います。こういった手術について、是非当院で勉強して欲しいと思っています。
また、特にリプロダクション関連では遠方から勉強に来ていただくことも多いのですが、その後、全国各地に戻られた先生たちが定期的に戻ってきて知識や技術のアップデートを行うためのプログラムも作っていきたいと考えています。

受診を迷われている患者さんへのメッセージをお願いいたします

迷う位なら受診した方が良いと思います。というのも、治療はご自身で選択することになりますから、意見を聞ける人は多い方が良いと思います。
大学病院は数多くの手術を行いお金を稼ぐことを目的とする場所ではありません。働いているスタッフの方々も、他の病院と比べると決して高い給料で働いているわけではなく、新しい治療を作りたいとか、医療を進歩させたいとか、そういった目的で働いています。そのため、患者さんにはいい事も悪い事も含めて本当の事を言います。また、大学病院だからこそ導入できる診断機器もあり、検査の精度という点では小さい病院との差があると思います。もちろん当院で導入していない機器もありますので、ないものはないとお伝えします。当院にはこの機器しかないから、これでやりましょうというのは間違っていると思います。すべての治療手段を充分に理解してもらった上で、患者さんとともに最善の方法を検討してから行うべきだと思います。

編集後記

岡田先生は、「私は病院で年齢が一番上ですが、自分よりも年上の方を診ることが圧倒的に多いです。相手に対する尊敬の意を込めて、外来には必ずネクタイを締めて出るようにしています。」と仰っており、大学病院の院長というお立場でありながら非常に謙虚な先生でいらっしゃいました。取材後に院内を案内して下さった時には、医師や看護師の方と気さくに話されており、スタッフの方からも厚く信頼されている先生なのだと感じました。

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