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田端 実 先生

心臓弁膜症(低侵襲手術)の名医
専門
心臓・大動脈手術
掲載開始日:2016年04月12日
最終更新日:2023年01月30日

臨床実績


年間低侵襲弁膜症手術数
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専門医資格
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学会職位
***

学術活動


論文・学会発表数
*** 件
※件数は英語論文を含まない場合がございます

最終論文・学会発表年
*** 年

学術機関
***

出身大学
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略歴
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受診しやすさ


手術までの待機期間
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医師指定受診
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外来待ち時間
-時間程度

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田端 実先生のインタビュー

公開日:2019年04月01日
弁膜症治療のフルラインナップで偏りのない最適な医療を

田端先生のご略歴

1999年東京大学医学部卒業。一般外科研修後に2003年から心臓外科の道に入り、2004年に渡米。ハーバード大学やコロンビア大学病院で心臓手術の技術を磨き、同時に自分たちの医療を正確に評価する方法論を学ぶためにハーバード公衆衛生大学院で公衆衛生学修士号を取得した。その後ベルギーの病院で内視鏡下心臓手術の技術を習得し、2009年に帰国。榊原記念病院を経て、2013年より東京ベイ・浦安市川医療センター心臓血管外科部長。2019年より虎の門病院循環器センター外科特任部長を兼務。その他、慶應義塾大学、杏林大学、東京慈恵会医科大学、聖マリアンナ医科大学の非常勤講師を兼務している。

現在、田端先生が注力されておられる取り組みにはどのようなものがありますか?

成人心臓手術全般を行っていますが、自分が専門とするのは心臓弁膜症(心臓の弁が狭くなったり逆流する病気)の治療であり、心臓弁膜症に対する全ての治療をフルラインナップで提供しているのが最大の特徴です。通常の開胸手術に加えて、内視鏡下心臓手術、カテーテル治療まですべてを行っています。手術とカテーテル治療の両方を行う外科医はハイブリッド外科医と呼ばれますが、複雑な弁形成術や内視鏡下手術などの高度な弁膜症手術からカテーテル治療までをすべて行えるハイブリッド外科医は稀です。

すべての治療を行えることのメリットはいくつかあって、ひとつは偏りなくそれぞれの患者さんに最適な治療方針を選択できることです。どうしても手術のみを行う外科医は手術をやりたがるものであり、カテーテル治療のみを行う内科医はカテーテル治療をやりたがるものです。全ての治療を行っていると、当然それぞれの利点や欠点を最もよく理解できますし、どの治療にしても自分で責任を持って行えるため、バイアスなく治療方針を選択できます。また、手術で得た知識はカテーテル治療に役立ちますし、手術の良いところを知るとそれを元にカテーテル治療をさらに良くしようと考えます。逆もまた然りであり、自分の中で両方の治療が競いあって切磋琢磨していくのです。

外科手術で主に取り組んでいるのがMICS(ミックス)という胸骨を切らない低侵襲心臓手術です。私は2004年からMICSに取り組んでおり、現役の心臓外科医ではおそらく最も多くのMICS経験を持つ一人です。MICSの中でも内視鏡(胸腔鏡)下MICSというより身体への侵襲が小さい手術を行っています。当院では内視鏡下MICSの後、50%以上の患者さんが4,5日で自宅退院されており、ロボットを使わなくてもロボット支援手術と同等の低侵襲度を実現しています。また、病院が負担するコストがロボット支援手術よりも格段に低いことも利点です。

私が以前からMICSに力を入れてきたのは、早く元気になりたいという患者さんのニーズに応えるためです。加えて、早期退院や早期社会復帰を促進することで医療費を抑えることや社会の生産性を向上する効果があり、低侵襲手術は患者さんだけでなく社会にも貢献もできていると考えています。実は、私は数年前に腹腔鏡下手術を受けて、手術の3日後には職場復帰をして心臓手術を執刀したという経験があります。患者の立場からも低侵襲手術が患者や社会に役立つことを実感しました。

MICSよりもさらに身体の負担が小さいカテーテル治療にも取り組んでいます。具体的には、大動脈弁狭窄症に対するTAVI(タビ:経カテーテル大動脈弁植え込み術)や僧帽弁閉鎖不全症に対するMitraClip(マイトラクリップ:経皮的僧帽弁接合不全修復術)を行っています。これらのカテーテルを用いた治療は一般的には循環器内科医が取り組むことが多いのですが、心臓外科医は心臓の弁を直接見て触ってよく知っており、弁膜症カテーテル治療でその強みを生かすことができます。大動脈弁領域では手術とTAVIを両立するハイブリッド外科医が少しずつ出てきていますが、僧帽弁領域ではMICSを含めた僧帽弁形成術とMitraClipの両方を行っているハイブリッド外科医は世界でも稀であり、日本では2019年4月現在私一人だけです。手術とカテーテル治療の両方ができると、それぞれの利点を生かしたハイブリッド治療(手術とカテーテル治療を組み合わせた治療)も行えます。

MICSやカテーテル治療は当然欠点もあり、すべての患者さんに向いているわけではありません。治療前にはそれぞれの患者さんごとにどの治療がベストであるかをチームで検討します。個人としてもチームとしても治療選択肢が多くあれば、ひとつの治療にこだわることなく、無理もなく無駄もなく治療を行うことができるのです。

田端先生は治療する上で一番大切なことはどのようなこととお考えでしょうか?

東京ベイの心臓血管外科では「チーム力は神の手に勝る」というのをモットーにしています。心臓手術は外科医ひとりの力ではどうにもならず、麻酔医や手術室看護師、人工心肺を操作する臨床工学技士のすべてが優秀でかつチームとしてまとまっていることが必要です。また、手術の前後では循環器内科医や集中治療医、診療看護師、看護師、理学療法士、検査技師など多くのスタッフが患者さんの治療方針決定や術後のケアに関わります。当院では、集中治療専門チームや診療看護師が術後管理を行っており、外科医が手術後にそのまま夜通しで患者さんを診るという体制ではありません。夜も病院に張り付くような外科医が美談としてマスコミに登場したりしますが、十分休息の取れていない外科医に手術してもらいたいでしょうか?外科医が何から何でもやるのでなく、高いスキルを持った様々なエキスパートがチームとして協働することで、外科医は本業である手術で高いパフォーマンスを発揮することができます。外科医が手術の腕を磨くのはもちろんのことですが、チームを構築することはそれと同じくらい大事なことだと思っています。

田端先生が今後注力していきたいことには、どのようなことがありますか?

2019年4月から虎の門病院の循環器センター外科特任部長を兼任しており、新しいチーム作りを始めています。東京ベイ・浦安市川医療センターと虎の門病院の2つのチームをまとめることで、一つの病院ではできないことに取り組んでいきます。「病院の枠を越えたチーム医療」で患者さんにとって最適な治療を最適なタイミングで(お待たせすることなく)安全に提供しようという試みです。

それを実現するために必要なことのひとつとして、心臓外科医の働き方改革に取り組みます。心臓外科は病院のなかでも最も労働環境の厳しい科のひとつです。その理由は私たちが重症の心臓病患者さんを治療する使命を担っているためですが、私たちの働く環境に非効率なことや無駄が多くあることも事実です。すでに東京ベイにはチーム医療を軸に外科医がなるべく手術に集中できるシステムがありますが、先に述べた「病院の枠を超えたチーム医療」で、より一層安全かつ効率的で医療者にも患者さんにもやさしい診療体制を作っていきたいと考えています。

他には、患者さんへの説明をよりわかりやすくする改革に取り組んでいます。具体的には、プロのメディカルイラストレーター集団と一緒に、イラストやアニメーションを増やし、わかりやすさを向上するデザインを追求した説明用資料の作成を進めています。治療方法にはそれぞれ期待できる効果とともに起こりうるリスクを伴います。複数の治療選択肢を持つハイブリッド外科医としては、各治療のリスク・ベネフィットが一目でわかるような内容も含めたいのです。わかりやすい説明は患者さんにとってのメリットになるだけでなく、説明する方の時間節約にもなり、先に述べた働き方改革にもつながると考えています。
色々とやるべきことがありますが、すべては心臓病治療の質を向上し続けて患者さんに最高水準の医療を届けるためであり、一貫しています。

患者さんにメッセージをお願いいたします

最近よく手術説明の際に患者さんから「先生が執刀してくれるのですか?」と聞かれます。実際は別の医師が執刀するのではという心配があっての質問だと思いますが、そのようなことを医師に直接確認することはとても良いことだと思います。さらには、余裕のあるチーム体制ができているか、他に治療の選択肢があるか、ということも聞くのがよいでしょう。病気の治療には多くの場合いくつかの選択肢があります。ある治療を勧められたときに他に治療法がないのか、あるとしたらどういう理由でその治療が最適なのか、を確認することは重要です。私も含めて忙しい医師は説明が不十分になることもあり、患者さんのストレートな質問でそれに気付かされることもあるのです。

東京ベイ・浦安市川医療センターと虎の門病院では、個々の高いスキルとチーム力、そして治療のフルラインナップを揃えて、偏りのない最適な医療を提供していきます。心臓病の治療でお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。

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勤務先医療機関

住所:千葉県浦安市当代島3丁目4-32
電話番号:047-351-3101