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中村 清吾 先生

乳房再建の名医
昭和大学病院
乳腺外科 診療科長・教授、ブレストセンター長
専門
乳腺外科
掲載開始日:2016年04月12日
最終更新日:2019年10月23日

臨床実績


年間乳房再建手術数/科全体
***

専門医資格
***

学会職位
***

学術活動


論文・学会発表数
*** 件
※件数は英語論文を含まない場合がございます

最終論文・学会発表年
*** 年

学術機関
***

出身大学
***

略歴
***

受診しやすさ


手術までの待機期間
***

医師指定受診
***

外来待ち時間
0.5〜1時間程度

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※掲載情報は独自の調査・分析により収集しており、最新かつ正確な情報になるように心がけておりますが、内容を保証するものではありません。
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中村 清吾先生のインタビュー

公開日:2019年10月25日
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多様な価値観の中で患者さんに全人的な治療を提供するためには、医療者側も身体と心をケアできなくてはならない。

先生が医師を志すようになったきっかけを教えてください。

私の家は東京で120年ほど続く鍼灸院でした。120年前と言うと西洋医学がそこまで浸透していない時期ですね。西洋医学などでは中々うまく治らない患者さん方を、父や祖父は診ていましたが、患者さん方も父や祖父に話を聞いてもらい治療されることで、安心し気持ちが和やかになっていく姿を見て育ちました。
医者になったきっかけも、なぜ鍼灸が人間の体に効果を及ぼすか知りたい気持ちからでした。医学生の時は東洋医学研究会に入り勉強していましたが、そこで鍼灸がなぜ効くか他覚的に証明するためにはコンピューターが必要だと考え、コンピューターの勉強を始めました。当時はソフトバンクグループ創業者の孫正義さんやアスキーの創業者の西和彦さんが日本にパソコンの導入を計ったいわば黎明期であり、それらの技術が医療の分野にどう活かせるか、ということに私は関心を持ちそちらにのめり込んでしまいました。睡眠脳波の自動解析や胎児の超音波画像で、頭の大きさから成長曲線を描きお腹の中できちんと育っているかを計測することができるソフトなどを作成し、卒業時点では将来コンピューターを使えるような医用工学や人工臓器に興味があり、移植や人工臓器に積極的に取り組んでいる病院に行きたいと思っていました。

先生が乳腺外科に興味を抱くようになった経緯について教えてください。

卒業後は聖路加国際病院で研修をスタートし、外科医として広く外科手術について学びました。医師としての研修を一通り終え、その後は研究の道へ進み人工臓器などについて研究したいと考えていましたが、当時の日本は移植そのものがほとんど普及していませんでした。人工臓器は移植を待つ間の代替品としての側面もあるため、臓器移植が普及しないことには人工臓器の研究をしても自分の思い描く未来にたどり着かないのではないかと思い始めていました。
そうして思い悩んでいた頃、乳がんの分野で、それまで当たり前であった乳房切除術を行わず、乳房を温存する乳房部分切除という新しい術式が生まれ、その治療効果を証明するための大規模な臨床試験が行われ始めました。外科の領域で臨床試験によって標準的治療の術式が変わることは非常に珍しく、私が勤めていた聖路加国際病院でも国内では先駆けとして乳房温存手術に取り組んでいました。
同時期に、乳がん手術の際のリンパ節を取り除く範囲についても、センチネルリンパ節生検といって転移しやすいリンパ節を特定し、細胞を調べることで、不必要なところまで切除しないような治療法が浸透し始めていましたし、抗がん剤の治療も飛躍的に進んでおり、乳がん治療についてやりがいを感じ始めていました。
そうして乳がん診療を専門とするようになりましたが、当初は消化器外科で腹腔鏡手術の責任者でもあったので、腹腔鏡の手術も担当する傍らで乳腺外科の手術を行っている状況でした。

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聖路加国際病院でのブレストセンター立ち上げや昭和大学病院でのブレストセンター設立について詳しく伺っても宜しいでしょうか。

日々の診療の中で乳がんの治療に特化した施設を作りたいという漠然とした気持ちはあり、アメリカのテキサスにあるM.D.アンダーソンの病院のブレストセンターで、乳がんを様々な角度から捉え、集学的治療を行っていると聞き、一通り現地の治療などをみるために短期留学をしたこともありました。
しかし帰国後も外科の責任者として、消化器外科や乳腺外科の手術を行う日々でした。しかし、気が付いたら担当する半分以上が乳がんの手術になっていました。研修医からは聖路加国際病院の外科の研修にいくと乳腺外科の手術が多すぎると言われましたし、管理者として手術報告を受ける生活を送るうちに、乳がんの手術や治療を全人的に行い、乳腺外科として独立した科を作りたいと本格的に考えるようになりました。そんな中、たまたま聖路加国際病院のハートセンターが移転することになり跡地活用の話が出ました。そこに手を挙げてブレストセンターを設立させてもらいました。これには故・日野原名誉院長がゴーサインを出してくれたお陰もあります。
始まりは小さい施設でのスタートでしたが、年間200例だった治療患者数も設立から5年で800例にまで拡大しました。
また、看護師や薬剤師の方々が自分の専門性が発揮できる場所として各々のプロフェッショナリズムが芽生え、チーム医療を実践できる場として発展出来たことも嬉しかったです。
ある程度軌道に乗ったところで、後進の育成のための教育や、自身の研究を世の中に出していくといった活動にも興味があり、思い切って昭和大学病院に赴任しました。昭和大学には医学部があり、医学生たちは関連病院で研修を受けますので、治療や診療に対しとてもフレッシュな状態です。鉄は熱いうちに打て、ではないですが全人的な治療を提供できるよう学んで欲しいと思っています。
医学部を卒業後、将来的に乳がん診療を希望している医師でも様々な臓器の外科手術を通じて全身を見る力をつけて乳腺を見ることが大切だと考えていますので、2年間の初期研修を経た後は、他の診療科を回った後に乳腺外科の治療や診療を中心に行うような教育制度を設けています。

貴院のブレストセンターについて教えてください。

当院のブレストセンターは、他院より紹介されてこちらに受診される患者さんもいれば、検診の精査を目的に来られる方、乳房再建をご希望の方など乳がんの予防や治療に関わっています。
個人の価値観があるように、乳がんも個性がありホルモン治療がよく効くタイプの乳がんや抗がん剤が中心によく効く人、HER2蛋白といって乳がん細胞の表面にはがん細胞の増殖を刺激する信号を受け取るタイプの癌やそうでない癌もあります。
抗HER2薬はHER2蛋白に特異的に結合し、がんの増殖信号をブロックする薬剤もあり、それらはある種の免疫療法にもなりますので、癌のタイプにより乳がんは使用する薬剤や治療が細かく別れます。そういった個別化治療にも対応できるようにしています。また、ブレストセンターでは、乳腺外科だけではなく、形成外科や腫瘍内科の医師も使用しますし、カンファレンスの時には病理医や画像診断医、放射線治療医の医師も参加しますので、多くの分野の医師とも共同しながら治療を進めていきます。
また、当院は遺伝性乳がんに対しての治療や診察にも力を入れていますので、ご自身やご家族の方が遺伝性乳がんかご心配され、遺伝カウセリングを受けるために受診される方もいらっしゃいます。
遺伝カウンセリングは、家系図を書きながら丁寧に問診をしていきます。最低でも30分の時間は取るようにしており、同席するのは医師やカウンセラー、本人やそのご家族になります。遺伝性乳がんは通常の乳がんと違い発症が25歳ごろから始まるため、若い方から親が心配してお子さんを連れてくる場合もあります。
検診も受ける事ができますが、マンモグラフィーのみですと、高濃度乳房の方や乳腺が発達している若い方には適さないこともあるため、そのような場合は超音波検査が適している場合もあります。マンモグラフィーや超音波検査を適宜組み合わせ、個人に合わせた検診を提供できるようにしています。

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先生が患者さんと接する際に心がけていることを教えてください。

医者になりたての頃は患者さんの価値観は十人十色と思っていましたが、経験を積んでくると十人十色どころではなく百人百様、千差万別とありとあらゆる様々な価値観があると実感しています。
価値観や人生観の違いから、こちらが良いと思う治療法が患者さんにとってはそうでもないと言うこともあるので、患者さんそれぞれの価値観や人生観に併せつつ、標準治療を中心としたその方の治療方針を見定めていくことが大切だと思います。故・日野原先生がとてもお上手だったことですが、価値観や人生観を頭ごなしに否定するわけではなく、徐々に治療に納得してもらう、そのために粘り強く話を聞き、対応していかなければならないと日々思っています。

最後に患者さんへのメッセージをお願いします。

ご自身の病気のことをよく知り、どのような選択肢があるかをきちんと理解した上で、ご自身に最適な治療法を選べるよう患者力を高めることが大切だと思います。そのためにも私たち医療者は患者さんに向けた情報発信や資料の提供を行い、患者さんが勉強できる機会を設けることが必要と考えています。当院のブレストセンターにはリボンズハウスといって患者さん向けのパンフレットや人工乳房の見本、ウィッグが置いてあるコーナーがありますし、そちらに業者の方が来て説明する機会も設けていますので是非ご活用下さい。

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編集後記

中村先生はお忙しい中、ブレストセンターへの思いや診療内容について丁寧に語ってくださいました。今回は乳がんに関して焦点を当てお話を伺いましたが、昭和大学では遺伝性の卵巣がんの方に対しても遺伝カウンセリングを行なっています。
日々お忙しくされている先生ですが、スポーツが趣味と言う一面もあり、実際にされるのも、観戦されるのもお好きなようです。今はラグビーや陸上、サッカーと様々なスポーツが観られるのでとてもいい時期ですと優しい笑顔で教えてくださいました。

まだ口コミがありません。匿名での投稿が可能ですので、ご協力よろしくお願いします。

勤務先医療機関

住所:東京都品川区旗の台1丁目5-8
電話番号:03-3784-8000