チャットで
相談する

口コミを
投稿する
岩平 佳子 先生

乳房再建の名医
掲載開始日:2016年04月12日
最終更新日:2018年12月21日

臨床実績


年間乳房再建手術数
***

専門医資格
***

学会職位
***

学術活動


論文・学会発表数
*** 件
※件数は英語論文を含まない場合がございます

最終論文・学会発表年
*** 年

学術機関
***

出身大学
***

略歴
***

受診しやすさ


手術までの待機期間
***

医師指定受診
***

外来待ち時間
15分以内(完全予約制)

※医療機関の関係者の方へ

クリンタルでは「患者様へのメッセージ」なども追加することができますので、ぜひこちらのフォームよりご入力をお願い致します。(修正や掲載は全て無料です)

※掲載情報は独自の調査・分析により収集しており、最新かつ正確な情報になるように心がけておりますが、内容を保証するものではありません。
※実際に受診を検討される場合には、直接医療機関にもお電話で問い合わせいただくことを推奨いたします。

岩平 佳子先生のインタビュー

公開日:2018年12月21日
海外でも研鑽を積み人工物による乳房再建術の道を切り開いた名医の想い

岩平先生のご経歴について教えてください

私の家は父が開業医をしており、子供の頃から、将来は姉か私のどちらかが家業を継ぐだろうという期待を感じていました。姉妹ともに文系で、姉が先に文系の学部に進学を決めてしまったため、文学部に進学したいという想いもありましたが、高校3年生の時に進路を医学部に決めました。病弱だった父の生きがいにと医学部に入学したものも、もともと文系でもあったので、医学部に馴染めていないと感じたこともありましたね。

形成外科医を志したきっかけは、大学5年生のハワイ大学医学部での研修です。友人が研修プログラムに誘ってくれたのですが、母が背中を押してくれたこともあり、応募することに決めました。募集は2名のみだったのですが、もともと文系で英語が得意だったこともあり派遣が決まりました。

ハワイでは大学の提携する病院で実習をしていたのですが、そこでドクター・パルサーという形成外科医に出会いました。彼は学生の扱いにも慣れており、手術の立会いなど様々な経験をさせてもらえました。ドクター・パルサーとの実習のなかで、私はどんどん形成外科に魅了されていき、研修が終わる頃には、形成外科医になることを決めていました。

卒業した頃は日本ではまだ形成外科という診療科は今ほど一般的ではなく、医局もこれから立ち上げていくという状況でしたので、まずは一般外科に入局しました。当時、そもそも外科医を目指す女性もとても珍しい存在でしたので、医局に入る際には女性ということを明かさずに入る形になりました。男性が入局すると思っていらっしゃった外科の教授が驚いて手に持っていた書類を落としたのが印象的でしたね。

岩平先生が形成外科の中でも乳房再建をご専門とされるまでには、どのような経緯がありましたか?

形成外科とは他の多くの診療科とは少し異なるところがあり、胃腸や脳、心臓などの特定の臓器の治療を専門とする診療科ではないのです。顔の骨折の整復や脚の潰瘍を治したり、やけどの方に植皮をしたり、乳房の再建をしたりと兎に角、対応する治療の幅が広いことが特徴です。時には事故で切断された四肢をつなぐ事などもあるので、救急対応に呼ばれて治療をすることも多くあります。

ある時、教授から「形成外科の中でも何か専門を持った方が良い。いつか家庭を持つこともあるだろうから、救急などに呼ばれるものよりは、女性であることを活かせる乳房の再建術を専門にしてみてはどうか?」と言われました。そうかと思い、その後、乳房について専門的な勉強をするようになりました。乳房の再建では、その基礎に乳がんの治療についても知識が必要なので、乳房再建の専門家になろうと決めてからは乳がんの手術にも立ち会わせていただくなど、乳がんの勉強を沢山しました。

そんなある日、医局に乳がんについての研究講演会の案内が掲示してあることに気がつきました。ちょうどその日が講演会の当日で、私はそのまま講演会に参加したのですが、そこで講演にいらしていたのがベルギー大学で乳房再建を専門とされていたマダム・レジュール先生でした。私は彼女の講演に釘付けになり、彼女の下で学びたいと思い、日本でも乳がんの権威ある先生に推薦状を書いてもらいベルギー大学へと旅立ちました。教授も神の啓示だと仰って、快く送り出してくれました。そこからは修行の日々でしたね。

現在は乳房再建に特化したクリニックを開院されていますが、具体的に貴院で受けられる治療内容について教えていただけますか?

乳房再建は再建を行う時期によって一次再建、二次再建と呼ばれる2つの方法に分けられます。一次再建は同時再建ともいい、乳がんの治療で乳房を切除する手術した後、そのまま連続して乳房再建も行う方法です。患者さんにとっては胸を失う期間がないので、精神的な負担は少ないというメリットがあると言われています。ただし、乳がんの状態によっては術後の補助療法が必要かどうかはっきりとしないまま再建のお話もするので、乳がんの治療で不安な時に再建まで考えなければならないことが負担となってしまう方もいらっしゃいます。

一方で二次再建とは、乳がんの治療が終わってから乳房再建を行う方法です。ゆっくりと再建について考え、向き合う時間があるので二次再建の方が安心して望めることもあります。

他にも、乳房再建の方法は人工物を使用する方法と、自分の体の一部を使用して再建する自家組織再建という方法に分けられます。このように再建には様々な方法がありますが、当院では人工物を使用した二次再建および、他院で一次再建でエキスパンダー(組織拡張器)を留置した方のシリコンインプラントへの入れ換えを行なっています。

この他、例えば、人工物を入れた後にデコルテの部分が埋まっておらず、膨らみが少ないことが気になる場合に脂肪注入を行なったり、乳輪や乳頭を再建したりすることもできますよ。また、新たに胸を作る際には左右のバランスをみる必要があるのですが、胸を小さくしたり、つりあげたり、場合によっては豊胸したりしないと対称性が取れないことも多くあります。そんな患者さんのご要望を確認しながら再建することもできます。

すでに乳房再建を終了した後の修正手術も難易度が高いのですが、当院では他院で手術をされた方でも受け入れています。

実際に貴院に来院される方はどのようなご希望でいらっしゃる方が多いのでしょうか?

人工物を用いた乳房再建術は2014年に保険適応となったのですが、当院では保険診療となる前から行っているためか、他院で乳房再建術を受けられ、その後、人工物の位置や大きさが気になり入れ直しを希望される患者さんが多く、現在では当院の患者さんの4割ほどが再手術を希望されていらっしゃいます。

皮膚がつっぱり腕が動かしにくい、水泳ができない、温泉に行きたいなど、乳房再建を希望される理由はそれぞれだと思います。最近では自分が介護をされるときに胸が無いことが恥ずかしいと思われて来院される方も増えてきていますね。

患者さんには周りから勧められたからではなく、自分が何のために乳房を再建したいのか向き合っていただくことが大切だと思っていますので、日々の診療でも伺うようにしていますね。

貴院で人工物を用いた二次再建を行う場合には、術前術後の通院はどのようになりますか?

人工物を用いた乳房の二次再建では、まず皮膚を伸ばすためにエキスパンダーという生理食塩水を入れる袋を入れます(日帰り 所要時間30分)。エキスパンダーを入れている期間には個人差もありますが、8ヶ月かけて皮膚を伸ばしていきます。患者さんは約1~2ヶ月に1度来院して、生理食塩水をエキスパンダーに注入する事で皮膚を伸ばしていきます。その後、シリコンインプラントに入れ替えますが、シリコンインプラントの形も数多くあり、その患者さんにあった形を選ぶことがとても大切になります。

エキスパンダーからシリコンインプラントに交換する手術は30分程度で終わるので、やはり日帰りで行うことができます。その後乳輪乳頭を作成し、あとは年に1度の経過観察をしていきます。

年に1度の診察はインプラントに異常がないかに加え、その方の健側の変化をみたり、体重の増減による変化をみたり、再建に関する新しい情報提供の場でもありますので、当院ではこの年に1度の経過観察をとても大切にしております。なかには、時間が経つと再建したことを忘れてしまい、来院されなくなる患者さんもいらっしゃり、手術をした身としては嬉しいことでもありますが、やはり年に1度は見せていただくことをお願いしています。

これまで様々なご経験をされてきたかと存じますが、印象に残っている出来事はありますか?

今は人工物を用いた乳房再建を専門としておりますが、大学病院に勤務していた頃は自家組織による再建をよく行っていました。ある時、私が自家組織による再建手術を行なった患者さんで、1年もしないうちにもう片方の胸にも乳がんができてしまった方がいらっしゃいました。その時、患者さんの状態もあり、新たに乳がんが見つかった方の胸は人工物による再建を行ったのですが、患者さんが「人工物のほうが身体が楽だった」と仰ったことがとても印象に残っています。

自家組織による再建の場合、お腹や背中の皮膚や脂肪を使うのですが、人工物のほうが新たに傷をつくる必要もなく、身体的にも精神的にも患者さんにとっては負担が少ないのだと改めて考えさせられました。その時は、本当に患者さんが求めていた治療は何なのか、自分だったら手術を受けるのだろうかととても考えさせられるきっかけになりました。それ以外にも日本は温泉に入る文化もありますので他に傷をつける必要のない人工物は日本人に向いているということがわかりました。

また日々治療をしていて、残念ながらも再発してしまった症例に遭遇することもあり、患者さんはさぞ悔しい思いをされていると思うと、やりきれなさを感じることもあり、そんな患者さんも忘れることはできません。

今後の展望について教えてください

これらからも乳房再建術を行なっていきたいですね。もちろん今まで自分が手術をしてきた患者さんも責任を持って診て行きます。

私は学会などでは、合併症を起こした事例について積極的に発表しています。というのも、これから再建を始める先生方にどういうことに気をつけなければならないかを伝え、もっと正しい乳房再建術を知ることで、どこで手術をしても患者さんが悲しい思いをしなくていいようにしてほしいと思うからです。

また私は日頃の診療で患者さんに「患者さんご自身で変だと思う形は変なことが多い」ということを伝えています。患者さんご自身が乳房の形に納得いっておらずお悩みなのであれば、一度主治医にご相談された方がよいと思います。

形成外科医のあり方としても、今後はさらに専門性を高めた治療を行えるよう住み分けを行えるようにしていきたいと思っています。形成外科医といっても目の手術が得意な先生もいらっしゃれば、手の外科を得意とされる先生もいらっしゃいます。また後輩の女性外科医がキャリアを築けるように積極的に働きかけていきたいと思っていますね。

ブレストサージャリークリニックの写真

まだ口コミがありません。匿名での投稿が可能ですので、ご協力よろしくお願いします。 ※ 現在口コミは、clintal会員様からのみ承っております。
個人(法人コードをお手持ちでない方)の新規clintal会員登録は終了いたしました。

勤務先医療機関

住所:東京都港区高輪2丁目21-43 YCC高輪ビル
電話番号:0357935070