チャットで
相談する

口コミを
投稿する
中村 靖 先生

高齢出産/ハイリスク出産の名医
専門
胎児検査・診断、臨床遺伝学的検査
掲載開始日:2016年04月12日
最終更新日:2022年06月08日

臨床実績


周産期外来患者数/週
***

専門医資格
***

学会職位
***

学術活動


論文・学会発表数
*** 件
※件数は英語論文を含まない場合がございます

最終論文・学会発表年
*** 年

学術機関
***

出身大学
***

略歴
***

受診しやすさ


初診までの待機期間
***

医師指定受診
***

外来待ち時間
*** 時間程度

※医療機関の関係者の方へ

クリンタルでは「患者様へのメッセージ」なども追加することができますので、ぜひこちらのフォームよりご入力をお願い致します。(修正や掲載は全て無料です)

※掲載情報は独自の調査・分析により収集しており、最新かつ正確な情報になるように心がけておりますが、内容を保証するものではありません。
※実際に受診を検討される場合には、直接医療機関にもお電話で問い合わせいただくことを推奨いたします。

中村 靖先生のインタビュー

公開日:2019年03月05日
胎児診断に関する日本の現状を変えていきたい。胎児診断の名医が語る思い

先生が医師を志し、胎児診断をご専門にされるようになったきっかけを教えてください

医師を志すようになったのは、外科医をしていた父の影響があると思います。父の姿を見ていて、子どもの頃から自然と医師を志すようになりました。当初は父と同じく外科医になろうと考えていましたが、医学部に進学し、臨床実習で様々な診療科を経験するなかで、産婦人科に興味を持つようになりました。産婦人科領域の手術は見ていて非常にわかりやすく、面白いと感じましたし、友人から誘われたこともあって、卒業後は母校である順天堂大学の産婦人科学教室に入局しました。

入局当初は婦人科系の手術をしていきたいと考えていましたが、分娩を経験してからは産科にも関心を持つようになり、産科の患者さんを中心に診るようになりました。研修医が終わる頃に、教授から言われて超音波検査を担当することになったことをきっかけに、胎児診断を専門にするようになりました。日本では、妊婦健診では主に妊婦さんのことを中心に診察し、胎児に関して詳しく診ていない施設がほとんどです。そのため、順天堂大学の妊婦健診では超音波検査で胎児をしっかりと診る機会を作ることにしました。妊娠20~30週の頃に診察を行うようにしたのですが、そうすると、胎児の様々な異常がみつかることがわかり、近隣の病院から精査を目的に紹介される方も増えていきました。また、順天堂大学は小児外科が有名なこともあり、産まれてきたらすぐに手術をしなければならないような病気を抱える赤ちゃんの出産も行っていましたので、妊婦健診で異常をみつけ、出産前から小児外科の先生に繋ぐことも多くありました。その後、海外への留学や市中病院での勤務を経て、2013年に当院の前身となる胎児クリニック東京を開業しました。

スタッフの皆さんは白衣や制服を着ていないのですね

当院では、採血など衣服が汚れる可能性のある検査を行う場合を除き、基本的に白衣や制服は着用していません。私自身が皆が同じ格好をする制服という概念をあまり好きではないこともありますし、白衣を着たスタッフが対応することで受診される方が身構えてしまうことがあるため、話しやすい雰囲気をつくるためにも私服での勤務としています。

先生がご専門とされている胎児診断について教えてください

胎児診断とは出生前に検査を行い、胎児に異常があるかを診断するものです。検査の方法としては超音波検査によって胎児の心臓などの形態を診たり、妊婦さんの血液や羊水、絨毛などに含まれる成分やDNAを検査したりします。これらの検査を組み合わせることで、21トリソミー(ダウン症候群)や18トリソミー、13トリソミー、ターナー症候群といった染色体に問題を持つ可能性や、心臓の異常、骨の病気など、胎児の様々な異常を調べることが出来ます。こういった先天性の病気の中には産まれてからすぐに治療が必要になる病気もありますので、胎児診断によって予め胎児の状態を把握することで、事前に治療の体制を整えておくことができます。

日本における胎児診断の現状について教えてください

出生前に胎児の異常を見つけることは、生まれた時にすぐ治療が行えるように準備するためという目的がありますが、日本ではそれを理解していない方が多いのが現状です。

1999年頃、染色体異常を見つけるための検査が海外から導入されたのですが、当時の厚生省は急速に普及しそうになったのをみて、ストップをかけました。それから、日本ではあらかじめ胎児を調べることは良くないことという雰囲気が出来てしまい、産婦人科医は積極的に胎児の異常を見つけようとしなくなりました。先程も申し上げた通り、妊婦健診では妊婦さんの状態を診るのが主な目的となっていますので、胎児のことはしっかりと診ておらず、見落としている部分も多くあります。海外に目を向けると今や、胎児診断は一般的に行われており、例えばイギリスでは全ての妊婦さんが無料で受けることができる検査となっています。諸外国と比較しても、日本はかなり遅れている状況だと思います。

貴院を受診されている方について教えてください

当院を受診される方は、インターネットで調べて受診される方が多いようです。他にも、他院の先生から詳しく調べた方がよいと言われて来られる方や、妊婦健診のときに医師から言われた言葉で不安になって来られる方など、様々な経緯でいらっしゃいます。都内をはじめ全国各地から来られており、年齢層としては35才前後の方が最も多いです。ご自身が遺伝性疾患をお持ちであり、不安から受診されるお若い方もいらっしゃいますし、特にそういったことはなくても20代で来られる方もいらっしゃいます。

貴院での検査や診断はどのような流れになるのでしょうか

検査をご希望になる場合、まず初めに遺伝カウンセリングを受けていただき、どのような検査があるのか、検査によって何がわかるのか等について正しい知識を持っていただきます。カウンセリングは個人で行う場合とグループで行う場合がありますが、遺伝性疾患をお持ちでない方や年齢が高いからご心配という方にはグループでのカウンセリングを受けていただく場合が多いです。当院には認定遺伝カウンセラーが2名所属しておりますし、アメリカの遺伝カウンセラーの資格を持ち、英語を話すことができるスタッフもいますので、外国からいらっしゃった方でも安心して受診していただくことができます。

検査の目的によって検査内容は異なりますが、妊娠11~13週頃では21・18・13トリソミーといった染色体異常を見つけるために、採血による母体血清マーカー検査と超音波検査を行うことが一般的です。妊娠18~20週頃では胎児の形態異常を見つけるための超音波検査が主となります。妊娠週数によって適した検査や検査目的が異なりますので、週数に合わせて複数回、検査を受けられる方もいらっしゃいます。超音波検査については、説明の時間も含めて30~45分かけて行いますが、胎児の状態によっては1時間程度かけて行う場合もあります。これらの検査によって染色体異常の可能性が高いと判断された場合には、ご希望によって羊水検査や絨毛検査による確定検査を行います。

検査によって胎児に何らかの異常が見つかった場合、どのような対応をされていらっしゃるのでしょうか

どのような異常が見つかったのかによって対応は異なりますので、対応はケースバイケースですとお答えせざるを得ませんが、当院で検査を受けられる場合、検査前だけでなく、検査結果が判明したタイミングや確定検査に進むタイミングにも、その都度、遺伝カウンセラーによるカウンセリングを受けていただいていますので、結果を知らせて終わりということはありません。他の医療機関への紹介が必要になった場合には、信頼している提携医療機関の紹介を行いますし、どのような選択をされたとしても、必ず最後までサポートをしています。

先生の今後のご展望について教えてください

胎児診断に関する日本の状況を変えていきたいと思っています。日本の状況は、知れば知るほど特殊で、世界でこんな国はないと思います。例えば、胎児診断のカウンセリングに行ったら、カウンセラーから「本当に検査しますか?」と聞かれたり、22週以前に診断してしまうと人工妊娠中絶を行う可能性があるため、人工妊娠中絶ができなくなる22週以降に検査が行われたりするのです。妊婦さんには胎児診断について知り、選択する権利があるのですが、選択の余地がなく、勝手に決められてしまっている現状があります。また、海外では胎児に異常が見つかった場合、胎児のうちに行える治療も多いのですが、日本で行える治療はまだまだ少ないという現状もあります。難しい問題ではありますが、妊婦さんやこれから妊娠を検討される方の多くをはじめ、産婦人科医でさえも、海外では当たり前に受けられる検査や治療を日本では受けられないという状況に危機感を感じていないので、そういった認識自体をどうにかしなければならないと思っています。

受診を迷われている患者さんへのメッセージをお願いいたします

日本では、胎児診断というと命を選別するために行うというイメージを持つ方が多く、胎児診断を受けること自体が良くないという風潮があります。そのため、このような検査を受けることに対して罪悪感を植え付けられ、悪いことだと感じてしまう方が多いようです。しかし、赤ちゃんが健康であってほしいと思うのはとても自然なことですし、胎児診断を受けて赤ちゃんの異常を見つけることは決して悪いことではありません。先ほどもお話しましたが、胎児のうちに異常を知ることでできることもあるのです。もちろん、人それぞれ多様な価値観を持っているので、胎児診断を受けたくないという人は受けなくてもよいと思います。しかし、検査を受けることに対して罪悪感を感じる必要はありませんし、検査を受けたいとお考えになるのであれば、素直に検査を受けられるとよいのではないかと思います。

編集後記

FMC東京クリニックは、ホテルのような内装で落ち着いた雰囲気があり、スタッフの方も非常に丁寧にご対応してくださいました。中村先生は、こちらからの質問に対して穏やかな口調でわかりやすくご説明してくださり、不安な思いで受診される方でも安心してご相談できる先生だと感じました。

まだ口コミがありません。匿名での投稿が可能ですので、ご協力よろしくお願いします。 ※ 現在口コミは、clintal会員様からのみ承っております。
個人(法人コードをお手持ちでない方)の新規clintal会員登録は終了いたしました。

勤務先医療機関

住所:東京都千代田区飯田橋1丁目3-2 曙杉館2階
電話番号:03-3221-0333