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角谷 徳芳 先生

口唇口蓋裂の名医
昭和大学藤が丘病院
形成外科 客員教授
専門
口唇口蓋裂、頭蓋顎顔面外科、再建外科
掲載開始日:2016年04月12日
最終更新日:2021年05月26日

臨床実績


年間口唇口蓋裂手術数
***

専門医資格
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学会職位
***

学術活動


論文・学会発表数
*** 件
※件数は英語論文を含まない場合がございます

最終論文・学会発表年
*** 年

学術機関
***

出身大学
***

略歴
***

受診しやすさ


手術までの待機期間
***

医師指定受診
***

外来待ち時間
*** 時間程度

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角谷 徳芳先生のインタビュー

公開日:2017年11月24日
どんな子でも綺麗に治してあげたい!口唇口蓋裂の名医

角谷先生が形成外科をご専門とされたきっかけについて教えてください

私が形成外科を専門にしたのは、診断学よりも再建学すなわち失った身体を出来るだけ戻す学問に興味があり、自分には向いていると思ったためです。先天性疾患や怪我、ガンなどで患者さんの身体の一部に異常や欠損があっても、再建手術を行うことでQOL(生活の質)を取り戻すことができるのが魅力的でした。

口唇口蓋裂のお子さんは、口唇形態に異常があったとしても身体のその他に異常がなく、脳の機能にも障害が無い場合が圧倒的に多いのです。そして、周りの子と同じように成長していく上で、ただ口唇の変形があるだけで、異様な目で見られたり、イジメられたり等の嫌な思いをすることも少なくありません。そんなお子さんたちの為にも口唇を手術で治すことで、その子の人生を支えられるような仕事にやりがいを感じ、専門にしたいと思いました。

口唇口蓋裂の原因について教えてください

口唇口蓋裂は遺伝も関与していますが、多因子性の疾患であり、日本では 500人に1人の確率で発症することが知られています。妊娠の早期すなわち胎生8週目で口唇、12週で口蓋ができるといわれていますが、顔や口ができあがっていく大切な時期に、風疹などのウイルス感染、薬物投与、喫煙、飲酒、ストレスや貧血、などといった外的要因が重なると口唇口蓋裂の発症リスクが高くなるといわれています。この妊娠早期は妊娠に気づかないこともあり、このような危険な因子が数多く報告されている以上、是非とも計画出産していただき警戒をしていただきたいと思います。

妊娠20週過ぎ頃に妊婦健診の腹部エコー検査で胎児の顔の形を確認できるのですが、その際に口唇口蓋裂を疑われ、エコー写真を持って心配そうな顔で私の元に来られるご夫婦もいらっしゃいます。口唇口蓋裂には幾つかの形があり、そのころには正確な状態が把握できないことが多いですが、兎に角無事に出産していただき、その後は専門の医師に任せてくださいとお伝えしています。そして必ずいつでも直接相談できる窓口を作ります。

口唇口唇裂の治療方法について教えてください

口唇裂は、片側唇裂(片側の口唇が割れている状態)、両側唇裂(両側の口唇が割れている状態)に大きく分類されますが、歯が生える歯槽から口の中まで割れている場合は唇顎口蓋裂となります。もちろん口唇裂が無く口蓋裂だけ存在する場合もあります。したがって幾つかの形があるために、治療法も手術の回数も異なります。

私の治療方針で最も大切にしていることは、初回の手術に於いてそのお子さんの持つ口唇の組織を大切に温存して手術を完成させていくことです。一度の手術で無理に完成させるのではなく、2回の手術に分けてでも一つ一つ大切に手術していくことで口唇と口蓋を完成させていきます。そして乳児期、幼児期、学童期それぞれに必要な機能と形態を作りながら最終的には成人になったときに満足してもらえる顔を作り上げることです。

■ 初回手術
・ 口唇裂手術は生後2~3ヶ月頃に行いますが、歯茎が大きく割れて崩れている場合は手術前に生後1ヶ月前後から歯科矯正医による手術前矯正を行うことで手術をよりやり易くします。そのため手術は少し遅れて生後5~6ヶ月になります。

・ 口蓋裂手術は1歳前後で行います。

・ 両側口唇裂は一度に両側同時手術を行う事もありますが、完全に割れている場合はより複雑な状態ですので、組織を大切に手術するため片側づつに分けて手術を行うようにしています。したがって口蓋裂手術は少し遅れて1歳半頃に行うことになります。

■ 修正の手術
小学校に入学する前に必要であれば行います。小学校では6歳~12歳と幅広い年代の間で交流が生まれます。その時に上級生から顔のことでイジメに遭うことのないよう配慮する必要があります。

また小学校入学前後は歯が生え変わる時期でもあるので、5歳以上で歯茎の割れているところに骨を移植する必要があります。それは歯茎が割れているとその部位の永久歯の生える場所がなく、変なところから生えてくるのを防ぐ効果があります。もちろん歯科矯正と連携して骨を移植する時期を決めていきます。

■ それ以降の修正手術
学校生活に問題がなく、お子さんも修正の希望が無ければ、通常思春期までは修正手術を行いません。思春期になると徐々に鏡で顔を見る機会が増えてくるでしょう。その時、顔に対するコンプレックスを持つようになることも少なくありません。顔も徐々に大人の形に近づいてきたとき、最終的な手術を考え少しでも心の支えになるようにしていきます。

口唇や鼻の形態や手術の傷跡の目立ち方だけでなく、噛み合わせ、そして言葉の発生の状態など、あらゆる観点からチェックを行い、少しでもお子さんにマイナスな要素があれば、手術を考えていきます。当然ですが、歯の矯正の先生や言語治療の先生との密接な相談のもとに手術計画がなされます。

したがって、手術の大変さもお子さんによって変わってきます。例えば、噛み合わせが大きくずれて、受け口になる場合があります。そのような場合は、上下の顎(あご)の骨を手術しなければならないために大きな手術が必要になります。したがって、一時期辛い思いをしますが、最終的にとても良い顔の輪郭が得られ、噛み合わせも良くなることから大変喜んでもらえます。そして18歳頃になると思春期の顔から成人の顔になり、自分の顔に関心を持つ時期になります。本人の意見を大切にしながら、口唇の形や鼻と口との間のバランスなど、本人が気にならないよう細かい部分を治すと同時に、できるだけ美男美女の顔にしてあげることが最終の手術になります。

角谷先生が形成外科医として心掛けていることは何でしょうか

口唇口蓋裂のお子さんは、生まれて間も無くから手術を強いられ、成人になるまで数回の手術を受けなければならない場合が多いのが現実です。ご家族もさることながら、お子さん本人が最も長期に苦労を強いられる事になることを考えますと、口唇だけでなく最終的には美容を考慮した手術計画を立てこれまでの苦労に少しでも報いなければなりません。

どんなに難しいタイプの口唇口蓋裂であっても、普通の人と同じ会話ができ、きれいな歯並びを持ち、最終的に美男美女に治してあげたいという目標をもっています。

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勤務先医療機関

住所:神奈川県横浜市青葉区藤が丘1丁目30
電話番号:045-971-1151