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川野 亮二 先生

肺がん手術の名医
板橋中央総合病院
呼吸器病センター(呼吸器外科) 診療部長
専門
呼吸器外科
掲載開始日:2016年11月16日
最終更新日:2022年09月09日

臨床実績


年間肺がん手術件数
***

専門医資格
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学会職位
***

学術活動


論文・学会発表数
*** 件
※件数は英語論文を含まない場合がございます

最終論文・学会発表年
*** 年

学術機関
***

出身大学
***

略歴
***

受診しやすさ


手術までの待機期間
***

医師指定受診
***

外来待ち時間
-時間程度

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※掲載情報は独自の調査・分析により収集しており、最新かつ正確な情報になるように心がけておりますが、内容を保証するものではありません。
※実際に受診を検討される場合には、直接医療機関にもお電話で問い合わせいただくことを推奨いたします。

川野 亮二先生のインタビュー

公開日:2019年12月13日
患者さんの人生に寄り添っていける医者でありたい。呼吸器外科の名医が秘める思い

医師を志し、呼吸器外科の道に進まれたきっかけを教えてください

医師を志すようになったのは、開業医をしていた父親の影響があります。子どもの頃から診療や手術をしている父親の姿を見ていて、自然と医師になりたいと思う気持ちがある一方で、進路を決める頃には宇宙工学にも興味を持っていました。進学の際には国立大学の工学の道か、経済的に負担ではありますが私立の医学部に進むか迷いましたが、やはり父親の背中を見て、また将来性を考え医師の道を進むことに決めました。

医学部を卒業した後は、広島大学の第一外科に入局しました。第一外科では主に消化器外科、胸部外科の診療・研究をしていました。その後、同大学の病理学第二講座の大学院に進学して、肺の病理学に関する研究を行いました。具体的には、発癌物質を用いてマウスの肺にできた腫瘍に関わる遺伝子異常を調べるという研究でした。この研究や病理学の奥深さによって肺に興味を持つようになりました。肺に発生する腫瘍は病理学的に非常に興味深く、消化器の腫瘍と比較すると明らかになっていないことも多いため、これらのことを探求しつつ外科を究めるために呼吸器外科を専門と決めました。

その後はどのようなご経験を積まれたのでしょうか

その後は、大学の人事で三井記念病院の呼吸器外科に出向しました。三井記念病院には胸骨正中切開下両側縦隔リンパ節郭清という肺がんの拡大手術(※標準的な手術よりも大きく切除する手術)を開発された羽田 圓城先生がいらっしゃり、拡大手術のメッカのような所でした。通常、肺がんの手術は体の側面を切開して行うのですが、この手術は胸の真ん中を切開して行う方法です。リンパ節転移の進行例であっても予後が良いというデータが示され、学会での講演やこの術式に関する研究会には現在でも全国から毎年多くの先生方が集まっています。出向した当時は呼吸器外科の研修という形でしたが、結局大学には戻らず科長として14年ほど三井記念病院に所属して羽田先生の下で研鑽を積みました。

2011年からは当院で常勤医師を務めることになりました。当時は呼吸器外科医が私以外にいなかったため、私一人と外科の研修医の先生とで手術をしていました。しかし、それから直ぐに呼吸器外科学会の関連施設になり、さらに条件の厳しい基幹施設にも認定され、今では呼吸器外科のメンバーは5名で手術件数も都内では有数の施設になりました。

貴科の特徴について教えてください

当院では、呼吸器外科と呼吸器内科が連携してシームレスに診療を行えるように、2017年に呼吸器病センターが開設され、内科、外科のみならず病理診断科、放射線治療科などの協力のもとに診断、治療が積極的に行われています。当院は各科の垣根が低く風通しの良い体制が特徴です。

呼吸器外科に関していうと、医師同士の信頼性が厚く、どの医師でも情報の共有は確実で、密に連携した医療が行えることが強みだと思います。最近、メディアや書籍で紹介されるような手術件数や診療実績が多い病院・医師でも、医師同士の連携や内部事情についての情報は触れられることはありません。本来あってはならない話ですが、医師同士の仲が悪いと情報共有や連携がうまく出来ず、患者さんにとってベストな治療が行えないこともあり得ます。なので、診療科内で医師が頻繁に入れ替わったり、急に人数が減ったりする様な所は少し注意した方が良いかもしれません。医師の職場環境が良くないと、延いては患者さんにとって不利益になることもあるので、当科では医師が働きやすい環境づくりをすることが大切であると考えています。

先生のもとを受診される患者さんについて教えてください

患者さんは板橋区や北区など近隣のエリアをはじめ、葛飾区、江戸川区など都東部、埼玉方面からも来られています。受診の経緯は、健康診断などで撮影した胸部レントゲンやCTから異常を指摘され、精密検査のために受診される方が多いです。

当院では呼吸器疾患全般に対応出来るようにしており、肺がん以外にも気胸、肺炎後の膿胸、縦隔腫瘍、外傷なども診ています。とりわけ、気胸という肺から空気が漏れてしまう病気に関しては全国でも有数の手術数(2017年度全国第2位)を誇ります。気胸の手術は比較的短時間で終わることが多いですが、もともと肺の病気がある方では非常に難易度が高く、一歩間違えたら命に関わるような場合もあります。当院は24時間体制で救急医療も行っていますので、気胸の患者さんが救急搬送されてきた時にも迅速に治療を行うことが出来る様な体制下にあります。

先生が医師になられた頃と現在では、呼吸器疾患の治療は変化しましたか

大きく変わってきています。内科では、抗がん剤や分子標的治療薬、免疫療法に用いる免疫チェックポイント阻害薬など次々に新しい薬が出てきています。外科では、開胸手術から胸腔鏡手術、ロボット支援手術と新たな技術が取り入れられてきています。

胸腔鏡手術は傷が小さく痛みも少ないと聞きましたが、実際はどうでしょうか

肺がんの手術に関していうと、当院では胸腔鏡のみを用いた手術よりも、開胸手術と併用することが多いです。肺の周りには大きな血管がたくさんあり、一瞬で大出血する危険性があります。そういった場合には開胸して処置を行わなければなりません。このような場合、胸腔鏡手術では何点か不利なことがあり、あくまでも開胸手術が担保された上での方法です。
ただし、術後の傷痕や痛み、入院日数を考慮すると胸腔鏡手術にメリットがある点もあるため、当科では両者を併用する術式が多いです。個人的には胸腔鏡のみと開胸のみとの手術間で大差はないと感じています。

手術に際して気を付けていることはありますか

患者さんやご家族の方が十分に理解した上で治療に同意されること(インフォームドコンセント)が大切だと考えていますので、手術の前には丁寧にわかりやすい説明を行うよう心掛けています。また、外科医であれば当然のことだと思いますが、手術前には検査画像などをしっかり確認して手術のプランニングとシミュレーションを行っており、手術中に何かトラブルが起きた時に想定されるシミュレーションを行います。以前勤務していた三井記念病院では非常に多くの拡大手術を行っており、ありとあらゆる危機的な状況を経験したので、こういったシミュレーションは欠かさず行うことが大切だと思っています。これらは安全に手術を行うためには必須だと考えますし、手術を受けていただく患者さんへのマナーとして守るべきことだと思います。

手術後の経過観察について教えてください

地域医療連携の観点からは、経過は地域の医療機関で診ていただいた方が良いのかもしれません。しかしながら、肺がん手術後は一定期間、専門とする医師が再発や転移がないか迅速な対応をとるために経過を診る必要があります。私の考えとしては、当科で手術をした患者さんが再発した時に特殊な場合を除いて他科の医師や他の病院の医師に任せるのは良くないと思っています。患者さんからするとそういう場合、不安感が非常に強く、当然関わりが長い医師の方が安心出来ると思います。その方のその後の人生に我々が微力ながら援助していけるように、その方が納得して医学的に大丈夫とされるまで経過は診ていく方針です。
そのために、薬物療法など内科的な治療に関してもスタッフ一同最新の知識を得るように日々努力しています。

今後のご展望についてお聞かせください

個人的には、各々の専門医資格に基づいて診断から治療(細胞診断や内科的治療)まで今後も患者さんに寄り添っていけるような医師であろうと思っています。
外科的な面では、ロボット支援手術など新しい方法の導入を行いつつ、既存の方法のブラッシュアップをはかり、エビデンスに基づいた抗がん剤や分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害薬などの最新の薬物療法とこれらの手術の組み合わせで、個人に合ったテーラーメードの治療法の模索をすることにより、個々の肺がんの治療成績をより高めていきたいと考えています。

受診を検討されている患者さんへのメッセージをお願いします

大学病院や大きな専門病院となると気構えてしまうかと思いますが、当科は一般の市中病院であり決してそのようなことはありませんので気楽に受診してください。診察した上で、検査が必要となればその理由や検査の結果について詳しくご説明し、手術が必要な場合にはその根拠を示しながら種々の治療を提案していきたいと思います。また、他院で治療が難しいと言われた方でも、適応をよく検討すると手術が可能となることもありますのでご相談いただければと思います。
現在、手術は縮小傾向にあるため、呼吸器外科では大きな手術を経験している医師は少なくなってきています。先ほどご説明した胸骨正中切開下両側縦隔リンパ節郭清は優れた術式ですが、慣れていないと難しい手術ですので実施している施設は全国でも数える程度です。当科はそのような手術を経験している医師がいますので、ご検討されている方は来ていただければと思います。
病気と言われて自分ひとりで抱え込んでしまい不安になってしまう方は多いですが、我々呼吸器外科チームみんなで協力しながら一緒にやっていきましょうとお伝えしたいです。

編集後記

板橋中央総合病院様は、志村坂上駅から歩いて1分に位置し、とてもアクセスの良い病院です。
川野先生は「これまで外科医として100%満足のいく手術は一例もありません。どの手術でも、もっとこうしたら良かったという点は必ずあるので、その改善点を次の手術に生かすように毎回心掛けています。」と話され、非常にひたむきな先生と感じました。

板橋中央総合病院の写真

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勤務先医療機関

住所:東京都板橋区小豆沢2丁目12-7
電話番号:0339671181