
実家が祖父の代から歯科医院をしていましたので、小さい頃から祖父や父の背中を見ているうちに自然と医療者になりたいと思うようになりました。ただ、全く同じ道に進むのは面白くないと思い、それなら私は医師になろうと考えるようになりました。また、私は思春期を鹿児島のラ・サール中学校・高等学校の男子寮で過ごしたのですが、周りの友人も医学部志望が多く、切磋琢磨しているうちに医学部にいきたいという気持ちが強くなったということもあります。
中学、高校とずっとサッカー部に所属していたので、医学部に入学してからも自然とサッカー部に入り、週4日部活を続けていました。医学部のサッカー部の先輩方は整形外科に進む人が多かったので、私も在学中は整形外科を第一志望に考えていました。その後、大学を卒業して、研修医として内科や外科をはじめ様々な診療科で研修したのですが、その中で全身管理をする麻酔科にも面白さを感じました。整形外科や麻酔科に進むことも考えましたが、どうして医師になったのかということを突き詰めて考えると、外来で直接患者さんと接して、その人の人生に関わりたいという思いが強く、精神科の道に進むことにしました。今後は社会のニーズも増えると感じていましたし、精神科は医師自身の色々な経験が診療にも生きるということもあり、年を重ねるごとにスキルアップ出来るという点でも良いなと思いました。医師になって10数年経ちますが、精神科の道に進んだことを後悔したことは今までに一度もありません。
当院は、2018年10月に前院長の秋根 良英先生から現院長の松本 悠先生が引き継ぎました。秋根 良英先生は認知症を専門にしていたので、当初はご高齢の患者さんが多かったのですが、ネット予約を導入してからは20~40代の若い方の受診もかなり増えてきました。疾患で言うと、若い方の場合、うつ病やパニック障害などが多いですね。高校生や大学に入りたての10代の方では不登校や適応障害なども多い印象です。未成年の方については、初診時は保護者の方に付き添いをしていただき、それ以降の保護者の付き添いはケースバイケースでご相談しています。
当院は忙しく働いている方でも仕事帰りに受診できるように、火曜以外の平日は19~20時と遅い時間まで診察しています。朝はご高齢の方、午後は主婦層の方、夜は働いているサラリーマンやOLの方など、時間帯によって受診される層が異なってきています。日曜日に受診したいという方もいらっしゃると思うので、今後は日曜日にも診察できるような体制にしていきたいと思っています。精神科では小さなお子さんの発達障害なども診療の対象になりますので、今後は物心ついた頃のお子さんからご年配の方まで、広い領域でいつでも診られるような体制にしたいと考えています。
また、もともとこの地域はメンタルクリニックが少なく、昔から患者さんが初診予約を取り難い状況がありました。まだまだ地域のニーズに応えられていないと感じ、当院では外来枠を増やし初診予約はなるべく早め、可能であれば当日に受け入れられるように努めています。お困りの方に素早く対応でき、お役に立てる体制を整えていきたいと思っています。
外来診療だけでなく、訪問診療を始めたいと計画していたこともあり、そのためにはもっと医師を増やす必要があると感じておりました。現在は、徐々に数も多くなり、10名の精神科・心療内科の医師と3名の身体科(内科、外科)の医師がおります(2019年5月時点)。精神科医の中でも認知症、老年精神医学、摂食障害、スポーツ精神医学、統合失調症など各自がそれぞれ専門分野を持っており、患者さんの様々なニーズにお応えすることができると思います。また、メンタルクリニックの診療は相性も重要ですので、主治医と合わないと感じられる場合は担当医を替えても良いですよとお伝えしており、実際に変更される患者さんもいらっしゃいます。
訪問診療では、精神症状や心臓、足腰が悪いなど何らかの事情で外来に通院できない方を対象に、24時間365日対応しています。訪問可能なエリアは、船橋市をはじめ、隣接している習志野市、八千代市、市川市、鎌ヶ谷市などです。もともと当院の外来にかかりつけの方が訪問診療に移行する場合は、可能であれば診ていた外来担当医が訪問に伺うようにしています。対象者の内訳としては現在はまだ訪問診療を始めてから1年経っていないということもあり、外来から移行した認知症の方が約7割を占めていますが、若い方の引きこもりや、慢性期の統合失調症、不安障害の方などもいらっしゃいますし、身体疾患のターミナルの方のお看取りをさせて頂くこともあります。
訪問診療に関しては、精神科以外にも様々な疾患を診ることができる総合病院のような体制にしていきたいと考えています。当院はメンタルクリニックではありますが、訪問診療では、あらゆる領域の医師を揃えて、どのような疾患があってもある程度全て対応できるようにしたいと思い、そのための体制を整えているところです。
精神科の患者さんの中には、病状のためまず病院まで来ることが難しい方もいらっしゃるので、訪問診療をしていなければ医療に繋がれなかった人もいますし、まだ繋がれていない方もたくさんいます。行政と連携しているので、ご家族の方が困って保健所などに相談された場合に当院に繋いでいただくこともありますし、ご家族向けの相談も行っておりますので、直接ご家族から連絡をいただくこともあります。ニーズはすごくあると思いますが、今はまだ私たちも手探りという状況です。
精神科は、外科のように「自分が神の手で治すんだ!」というような診療科ではありませんが、私に会ったことで患者さんの人生に何か少しでもプラスになればと良いなと思って日々診療をしています。変に気負って治さなければというよりは、患者さんと伴走するイメージで、受診してお話することで少しずつでも良くなるお手伝いが出来ればと思っています。
また、私は認知症を専門にしているのですが、認知症の方に対しては、プライドや自尊心を傷つけないように接することを心がけています。認知症になったからといって全てのことが出来なくなるわけではないですし、記憶に何らかの問題があったとしてもご本人がわざと忘れているわけではないので、その方の人生をリスペクトして関わるようにしています。ご家族や周りの方にも認知症について正しく理解して納得していただけるような説明を心掛けています。
認知症を専門とするようになったきっかけは、精神科医となって6年目の時に大学の関連病院である桜ヶ丘記念病院という精神科の単科病院に出向したことです。その時に偶然、認知症の専門病棟を担当させていただき、2年間、濃密に認知症診療を経験し、とてもやりがいを感じました。もともと私はおじいちゃん子で、おじいちゃんやおばあちゃんが好きだったということもあるかもしれません。認知症の診療はその方のこれまでの長い人生を知ったり、生活に深く関わることができますし、今後、世界的な問題になることもわかっていたので、必要性も高くなると思っていました。認知症の診断・治療をはじめ、運転免許や財産管理、意思決定の問題など、様々な社会問題にも関わってくるので、そういった点で世の中の役に立てることも醍醐味の一つだと思います。
これは病気の症状なのかどうかなどあまり難しく考えずに、困っていたら気軽に受診していただけたらと思っています。「なんだかつらい」、「ペットが亡くなって悲しい」、「もの忘れが少し気になる」など、どのようなことでも普段と違うつらさや不安を感じる場合には、受診していただけたら何かしらのお役に立てるのではと思います。
今日の外来も10代半ばの方から90代のご高齢の方まで様々な患者さんが来られていましたが、幅広く何でも診ることができる精神科医になりたいと考えています。
5年目になりますが現在も週に1回、慶應義塾大学病院で認知症外来をしています。病診連携の点から、大学病院では認知症外来で診ている患者さんの診断や治療方針がある程度決まったら、かかりつけ医の先生のもとに戻っていただくケースも多いです。さらにその後、ADLの低下や認知機能低下などの理由で患者さんがかかりつけ医の先生のもとを受診出来なくなると、今度は訪問診療の先生にお願いすることになります。そのため、認知症医療では、せっかくお互いに信頼関係ができても患者さんやご家族との継続的な関わりが断たれてしまうことがあります。今は幸いなことに大学での専門外来、地域のクリニック外来、そして訪問診療を行っているので、診断から在宅への移行、お看取りまでシームレスに患者様を診ることが出来ています。大学の専門外来と、クリニックの外来・訪問診療と、それぞれの立ち位置での経験を通して見えてくることもありますので、そこを行ったり来たりしながら認知症を含めた高齢者医療に携わっていけたらなと思います。
きたなら駅上ほっとクリニック様は、北習志野駅から直結しており、通院にとても便利な場所にありました。船木先生は、柔らかい笑顔と落ち着いた口調でインタビューに答えてくださり、受診を不安に感じている方やそのご家族の方でも、安心して相談できる先生だと感じました。
大学病院の認知症専門外来と、地域に根差したクリニックでの外来・訪問診療と、様々な立ち位置から患者さんやご家族に関わっていらっしゃる船木先生だからこそ、治療だけでなく、ご自宅での生活や認知症患者さんへの接し方などについても安心して相談できると思いました。
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