チャットで
相談する

口コミを
投稿する
廣瀬 敬 先生

肺がんの名医
日本医科大学多摩永山病院
呼吸器・腫瘍内科 部長、教授
専門
呼吸器一般、肺癌
掲載開始日:2017年10月17日
最終更新日:2022年09月01日

臨床実績


肺がん外来患者数/月
***

専門医資格
***

学会職位
***

学術活動


論文・学会発表数
*** 件
※件数は英語論文を含まない場合がございます

最終論文・学会発表年
*** 年

学術機関
***

出身大学
***

略歴
***

受診しやすさ


初診までの待機期間
***

医師指定受診
***

外来待ち時間
*** 時間程度

※医療機関の関係者の方へ

クリンタルでは「患者様へのメッセージ」なども追加することができますので、ぜひこちらのフォームよりご入力をお願い致します。(修正や掲載は全て無料です)

※掲載情報は独自の調査・分析により収集しており、最新かつ正確な情報になるように心がけておりますが、内容を保証するものではありません。
※実際に受診を検討される場合には、直接医療機関にもお電話で問い合わせいただくことを推奨いたします。

廣瀬 敬先生のインタビュー

公開日:2019年04月19日
地域からも受診しやすい環境を築き、最新の肺がん薬物治療を患者さんに届ける

廣瀬先生が呼吸器内科をご専門とされたきっかけについて教えていただけますか?

呼吸器内科を目指したきっかけは、内科系の診療科のなかでも画像診断から内視鏡検査、薬物治療、緩和ケアと診断から治療まで全てに関わることができるという点に魅力を感じたからです。他に検査から診断まで行える診療科として、消化器内科も迷いましたが、最終的に呼吸器内科を専門としました。

廣瀬先生が呼吸器内科をご専門とされたきっかけについて教えていただけますか?

まず呼吸器内科領域では薬剤の開発や発展によって治療可能な疾患が増えてきた歴史があります。私が医者になるずっと前には、ペニシリンの発見によって呼吸器感染症の治療が劇的に改善しました。また、戦後、抗結核薬が登場したことで結核もほぼ治る時代になりました。私が医師になったのはその後の1990年ですが、喘息に吸入ステロイドが用いられるようになり、喘息発作で苦しんでいた多くの患者さんが普通に日常生活を送ることができるようになりました。そして最近15年間は、肺がんの薬物治療が目覚ましい進歩をとげています。これまでも早期の肺がんは手術によって治癒が見込めましたが、現在は進行性の肺がんに対しても新たな薬剤や治療法が開発されてきています。

そうした呼吸器内科領域の変遷があるなかで、私が注力している分野は肺がんの診療、特に薬物治療になります。私が医師になった1990年代は肺がんの薬物治療は、抗がん剤しか選択肢がなく、IV期(肝臓などの肺以外の臓器に転移がある)の患者さんの予後は1年程度でした。しかし、その後、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬が登場し、治療は劇的に変わりました。当時は想像もしていなかった程です。実際に、地域の医療機関の先生のところに伺い、現在の進行性肺がんの薬物治療についてお話すると本当に驚かれます。

具体的な話としては、まず2004年にEGFR遺伝子変異が発見され、EGFR遺伝子変異をもつ肺がん患者さんに有効なEGFR阻害薬という分子標的薬が登場し劇的に治療方法が変わりました。そして2012年にもALK阻害薬という分子標的薬が登場し、2016年には免疫チェックポイント阻害薬が登場しました。この約15年間で使用できるお薬が増えたことで肺がんの薬物治療は劇的に変わりましたし、患者さんの予後も大幅に向上しました。

肺がんの薬物治療が進化していく中で患者さんの治療に対する期待値も変わってきておられるのでしょうか?

近年では患者さんも肺がんについてよくご存知でいらっしゃることが多いので、その分治療に対する期待値を感じることがあります。呼吸器・腫瘍内科に受診される患者さんには、進行していて手術ができない方も多いのですが、がんが進行しており、手術ができないことをお伝えすると、「手術はできないのですね」と肩を落とされる場合もあります。

とはいえ、手術ができない場合でも分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬はとても治療効果が高いお薬です。特に肺がんの中でも3〜4%しかいらっしゃらないタイプではありますが、ALK陽性肺がんというタイプの場合にはALK阻害薬が従来の抗がん剤と比較してとてもよく効いて、副作用もほとんどありません。また、免疫チェックポイント阻害薬というお薬は単独で使う場合、2割ほどの方にしか治療効果はありませんが、こちらも効く方には非常によく効きます。2019年から、患者さんの状態によって免疫チェックポイント阻害薬と従来の抗がん剤の併用ができるようになったので、これらを合わせることで6〜7割の方に効果が見込めるのではないかと考えられており、IV期の患者さんでも著効した患者さんでは完治が期待できるようになりました。

このように新しく登場したお薬は治療効果が見込まれるお薬ですので、患者さんから直接、「免疫チェックポイント阻害薬は使用できますか?」と尋ねられる場合も多くあります。しかし、これらのお薬は患者さんの状態によっては適応ではない場合もございますので、そのような場合にはきちんと適応ではない理由をご説明させていただいています。また免疫チェックポイント阻害薬は有効なお薬ではありますが、間質性肺炎や皮膚障害、甲状腺機能障害などの有害事象が生じることがあり、専門医のもとで治療を受けることをお勧めします。

実際に廣瀬先生の外来を受診される患者さんではどのような疾患の方が多いのでしょうか?

当院は呼吸器・腫瘍内科として喘息やCOPD(※慢性閉塞性肺疾患)、間質性肺炎、非結核性抗酸菌症、細菌性肺炎から肺がんまで呼吸器疾患全体を幅広く治療を行なっています。決して肺がんだけではないですのでご安心ください。受診される患者さんは地域の医療機関からご紹介でお越しになることが多く、都心の大規模病院のように遠方からお越しいただくというよりは南多摩医療圏のクリニックからご紹介でいらっしゃる方が多いですね。一番多い疾患は、入院患者さんでは肺がんですが、外来診療では喘息やCODPが多い印象です。

貴院の呼吸器・腫瘍内科の強みはどのようなところでしょうか?

当院は400床の中規模総合病院であるため、他の診療科との連携がとてもスムーズです。呼吸器・腫瘍内科と呼吸器外科と放射線治療科は週に1回、肺がん患者さんの診断や治療についてキャンサーボードというカンファレンスを開催して治療方針を検討しています。また、呼吸器・腫瘍内科と呼吸器外科は外来が隣接していることあり、とても連携を密にしています。もちろん、呼吸器・腫瘍内科として呼吸器外科や放射線治療科と連携を密接にすることは当然のことでもありますが、それ以外の診療科ともとても連携できています。
当院では電話で直ぐに相談することができ医師同士の連携が密接なことは当院の強みです。

この他にも救急診療が強いのも、やはり心強いですね。呼吸器・腫瘍内科では急性呼吸不全や間質性肺炎、重症肺炎等で緊急の治療が必要となる場合がありますが、当院では救命診療がバックアップしてくれるのでとても心強いです。

廣瀬先生が日頃診療で大切にされていることはどのようなことでしょうか?

日頃の診療で心がけていることは、患者さんが治療を受けて帰られるときに満足されているかということです。治療上、診療ガイドラインは大事ですが、患者さんの希望はそれぞれです。私は患者さんそれぞれの治療に対する希望を重視していますので、最新のエビデンスに則りながらも出来るだけ患者さんのご希望に合うように治療を進めていきます。また、当たり前のことではありますが、CTやレントゲン画像の評価を放射線科の医師に全てお任せすることなく、自分の目で見て確認するということを大切にしています。

さらに、肺がんの患者さん、COPDや間質性肺炎で慢性呼吸不全の患者さんでは、痛みや呼吸困難などの症状で苦しむことがありますが、疾患を治すことはできない場合でも症状は必ず緩和するということを大切にしています。

地域の医療機関との連携体制の構築や患者さんが受診しやすい環境の整備にも努めています。私は受け入れを断らないようにしており、呼吸器・腫瘍内科では9時から16時までは紹介状があれば原則受け入れをしています。実際に私が当院に赴任してから呼吸器・腫瘍内科の患者さんは1.6倍に増加しました。そうやって門戸を広げることで、何かあった際には日本医科大学多摩永山病院に行けば診てくれるよねという安心に繋がると思っています。

肺がんの疑いのある患者さんが受診されたら即日CT撮影や血液検査を行い、翌週には気管支鏡検査の予定を組んでいきます。受診のしやすさや診断までの速さは当院の強みだと思いますし、多摩地域の中規模基幹病院としていつでも受診しやすい体制を整えています。

今後のご展望について教えてください

呼吸器内科領域ですと、まず喘息に関しては患者さんの約10%に当たる重症喘息に対して新しい抗体薬が複数登場したことで、今後多くの重症喘息患者さんが発作なく日常生活を送ることができるようになると思います。しかし、COPDや間質性肺炎といった肺の組織が壊れてしまう病気は今後も課題として残っていくと思います。

肺がんに関しては、これまでも述べたように今後も更に新たな薬剤が登場することが期待されており、さらに予後が改善すると思います。分子標的薬が登場してからというもの40歳代や50歳代の現役世代で忙しく仕事をしているような方や主婦の方が1日1錠の飲み薬で治療しながら、普通の生活を送れるようになったというのは大きいと思います。

患者さんにメッセージをお願いします

肺がん治療は、われわれ呼吸器・腫瘍内科医のほか、呼吸器外科医、放射線治療医、放射線診断医、緩和ケア医、精神科医、薬剤師、看護師などの多職種が連携して行うことが重要です。さらに、近隣のかかりつけ医との連携も重要です。日本医科大学多摩永山病院では、病院内の多職種連携はもちろんのこと、南多摩医療圏を中心に近隣のかかりつけ医と顔の見える密な連携をとりながら診療しています。また、患者さんの治療に対する希望にできるだけ沿った治療を行うようにしていますので是非ご相談ください。

日本医科大学多摩永山病院の写真

まだ口コミがありません。匿名での投稿が可能ですので、ご協力よろしくお願いします。 ※ 現在口コミは、clintal会員様からのみ承っております。
個人(法人コードをお手持ちでない方)の新規clintal会員登録は終了いたしました。

勤務先医療機関

住所:東京都多摩市永山1丁目7-1
電話番号:042-371-2111