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朝田 隆 先生

認知症の名医
専門
脳機能画像
掲載開始日:2016年04月12日
最終更新日:2023年10月31日

臨床実績


年間認知症患者数(延べ)
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専門医資格
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学会職位
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学術活動


論文・学会発表数
*** 件
※件数は英語論文を含まない場合がございます

最終論文・学会発表年
*** 年

学術機関
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出身大学
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略歴
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受診しやすさ


初診までの待機期間
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医師指定受診
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外来待ち時間
*** 時間程度

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朝田 隆先生のインタビュー

公開日:2017年05月01日
大病院と連携した認知症の早期発見 早期治療で認知症の進行を抑える

朝田先生が認知症をご専門とされたきっかけは何でしょうか

私は精神科医なのですが、そもそも統合失調症などのいわゆる精神疾患よりは、認知症領域に興味がありました。それがなぜかと言われると難しいのですが、当時は認知症が進むと、CTで脳の萎縮が見られるなど、器質的な変化が起きることがわかっており、精神疾患の中でもわかりやすかったからかもしれません。

1982年に東京医科大学を卒業して、東京医科歯科大学、甲府市立病院、国立精神神経センター武蔵病院等で勤務し、精神科特にアルツハイマー病を中心とした認知症を診てきました。1994年に日本で初めて開設された国立精神神経センター武蔵病院の「もの忘れ外来」の発足にも関わっています。

認知症診療は、内科、神経内科から精神科まで幅広く関わられていますが、その中でも精神科を選択された理由は何でしょうか

なぜ精神科なのかと言いますと、まだ私が大学を卒業した頃には神経内科という診療科自体が黎明期であり、2、3の大学にしか科として設置されていなかったからです 。

少し歴史的な話をすると、そもそも神経内科も脳外科も精神科も同じ診療科、精神(神経)科、から派生しており、昭和30〜40年代精神(神経)科の内科グループが独立して神経内科となりました。 そのため、当時は外科的手術が好きであろうと薬物治療が好きであろうと、精神神経系の疾患に興味のある医師はみな精神(神経)科に入りました。近年は神経内科も認知症の診療に力をいれていますが、元が同じということを考えると、あまり不思議ではないかもしれません。

また、私が理事を務めている日本老年精神医学会や日本認知症学会などの学会も、兼務する医師も増え徐々に近づいてきています。そもそも所属している医師もそれぞれ異なる専門の医師で、異なる組織でした。元々日本認知症学会は、主に基礎研究や病理学など非臨床系の医師の集まりで、日本老年精神医学会は、臨床系の医師の集まりでしたが、近年は認知症ガイドライン作成など、連携して今後の認知症の診療のために動くことも多くなりました。

そういう意味では、認知症領域では、診療科や研究・臨床の垣根を超えて一丸となってきているのを感じます。

朝田先生がメモリークリニックお茶の水を立ち上げたときの想いをお教えください

私はもともと60歳までにやりたいことを始めようと決めており、14年務めた筑波大学を辞めて、2年前にメモリークリニックお茶の水を立ち上げています。ここを立ち上げた想いとしては、「大学ではできないことを大学と連携して行なっていく」、具体的には、早期診断・早期治療と認知機能トレーニングを積極的にやりたいと思って始めています。

認知症は早期にみつけて早期に治療を開始した方が、治療効果が大きいことがわかっています。早期の状態をMCI(軽度認知障害)というのですが、その診断のためにはMRIやSPECTなどの大型の機器による画像診断が必要となることがあります。しかし、いざその検査を受けようとすると、大量の患者さんで混みあっている大学病院では、検査が3,4ヶ月先になってしまうことがありました。一方で、クリニックでは周りの複数の大病院と連携することで、機器の空いているところで検査を早めに受けることができます。例えば、今(2017年4月現在)であれば 、国立国際医療研究センターでは1,2週間程度で検査を受けることができます。このメリットを生かして迅速に診断をして、早期介入に結びつけることを行なっています。

さらに早期治療に関しても、MCIに対しては認知症薬の保険適応がないために、大学では薬剤を処方することが難しくありました。メモリークリニックお茶の水では、治験薬を含めた薬物治療、認知機能トレーニングをMCIの患者さんにも提供しており、早期から介入することでMCIの症状の改善や認知症への進行の抑制を図っています。

認知機能トレーニングとはどのようなものでしょうか

認知症薬は1993年に最初の薬が開発されて以降、いくつかの薬が認可されていますが、根本的には同様の作用機序の薬であり、新しい薬剤は24年間出てきていないとも言えます。

しかしその間に、認知症の薬物療法以外の部分において、様々ことが解明されています。例えば、食事では、ビタミンA、C、EやDHAが認知機能の低下を遅らせること、運動では、毎日30分以上の有酸素運動が同様に効果があること、などです。

効果があるものの一つに認知機能トレーニングがあります。認知機能トレーニングとは、運動と知的刺激を組み合わせたものや、わかりやすいものではパズルやゲームも当てはまります。それを関連施設であるデイケアクリニックにて提供しています。例えば、認知機能が落ちてくると「頭のなかでものを回転させる」ということが難しくなると知られていますが、それに私の日々の認知症患者の診療の中での気づきを追加して「脳トレ」などの本にまとめることで、認知機能トレーニングの一助としています。

認知機能トレーニングにおいては、2つポイントがあります。

1つは、単発で行うのではなく、行動の「習慣化」まで至ることが重要です。「習慣化」とは、特によいしょっと、やる気を起こさなくても物事が行える状態ですが、脳科学的にいうと、線条体から新皮質にける回路ができている状態になります。その回路ができあがるまで続けて行うことで初めて認知機能低下の抑制効果がでてきます。

そのために、2つめとしては、個人で行うのではなく、集団で行う方が良いです 。種族の社会性と脳の皮質の厚さが比例すると言われているように、社会交流、他者とのコミュニケーションは脳神経の活動を活発にします。また個人ではなかなか毎日続けにくいトレーニングでも、集団で行うことで、他の人が続けているというプレッシャーからか続きやすい傾向にあります 。そのため当院ではなるべく集団で行っていただくようにしています。

朝田先生の認知症診療における今後の展望はいかがでしょうか

認知症の疾患教育・疾患啓発をより積極的に行っていきたいです。疾患教育で言えば、糖尿病 は慢性疾患の中でも一歩進んでいる感じがしますが、認知症に関しては広まりつつあるとはいえまだまだだと思っています。

認知症患者は現在500万人超と言われ、高齢化社会の進行とともにどんどん増加しています。 要介護認定者の約6割が認知症という厚労省の統計もあり、社会的課題であることは間違いなく、手を打っていくことが不可欠です。

最近ではMBI(軽度行動障害)という、行動や考え方の変化が、MCIに先んじて発症しているという考え方もでてきていますが、早期の認知症患者は総じて本人の病識は低いです。ご家族が異常に気づいて受診させる必要があるのですが、そのためには、ご家族自身が疾患を正しく理解している必要があり、その点ではより幅広い疾患啓発が重要になってきます。

そのために、クリニックにおける日々の診療に加えて、「脳トレ」の出版やメディア を通じて、一般の方に認知症を知ってもらうことが私の使命だと思っています。それによって、少しでも多くの方が、認知機能に興味を持つようになり、認知症の予防や早期発見につながればと思っております。

メモリークリニックお茶の水の写真

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勤務先医療機関

住所:東京都文京区湯島1丁目5-34 お茶の水医学会館4階
電話番号:03-6801-8718