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山田 滋 先生

陽子線・重粒子線治療の名医
放射線医学総合研究所病院
重粒子線治療研究部 部長
専門
放射線治療(消化器)、消化器外科、放射線生物学
掲載開始日:2016年04月12日
最終更新日:2019年02月07日

臨床実績


年間患者数
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専門医資格
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学会職位
***

学術活動


論文・学会発表数
*** 件
※件数は英語論文を含まない場合がございます

最終論文・学会発表年
*** 年

学術機関
***

出身大学
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略歴
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受診しやすさ


初診までの待機期間
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医師指定受診
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外来待ち時間
*** 時間程度

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山田 滋先生のインタビュー

公開日:2019年02月07日
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目指すはがん死ゼロ!重粒子線治療で明るい未来を切り開く

山田先生が放射線科をご専門とされた理由について教えてください

私は元々消化器外科医だったので、外科治療と併用することで患者さんの予後をさらに改善できるような治療法に興味がありました。例えば、膵臓がんなどは外科治療だけでは根治を目指すことが難しい病気ですが、切除が難しい場合に手術前にがんを小さくしたり、手術後に切除しきれなかったがんを治療したりするための補助療法としての放射線治療に興味があり、研究したいと思っていました。

最初はX線あるいは中性子線を用いた治療の基礎的な研究をしていたのですが、1992年から千葉県がんセンターの消化器外科で食道癌の術前化学放射線療法や胆管癌の腔内照射など放射線実際にがんの放射線治療を行うようになりました。1996年からは米国NASA Johnson Space Centerに留学し、鉄イオンによる被ばくについての研究に取り組みました。鉄イオンは重粒子線の一種で、国際宇宙ステーションや火星で宇宙飛行士が被ばくする宇宙放射線のひとつです。2年間の米国留学から帰国して以降は、当院で重粒子線治療にあたっています。外科から始まり、放射線治療へと徐々に専門が遷移していったという少し珍しい経緯だと思います。

山田先生が感じる放射線治療の魅力は何ですか?

切らずに治すことができる事です。特に重粒子線治療は“量子メス”とも呼ばれ外科治療に匹敵する効果が得られることです。

重粒子線による放射線治療では、攻撃したくない正常な組織を避けて放射線をがんのみに集中させることができます。そのために殺細胞効果の高い放射線を照射することが可能であり、手術が困難な症例であったとしても治療でき、手術に匹敵する良好な治療成績を得ることができます。先にも述べたように私は元々外科医でしたから、手術で取り除きたい範囲や、外科的にアプローチするにあたって障壁になりそうな腫瘍の主要血管への浸潤度は、患者さんの画像データを見れば理解できます。優秀な外科医でも切除が難しい症例であっても、放射線特に重粒子線であれば治療できてしまうということに、医師としてとても面白みを覚えます。

また、手術や抗がん剤に比べて、低侵襲であることも放射線治療の魅力です。最近、私自身も冠動脈のカテーテル治療を受け、手術しないで治療ができればとの強い気持ちを患者として実感することがありました。特に、重粒子線治療は、治療期間が1日から4週間程度と比較的短い上、副作用も極めて少ないという特徴があります。そのため、外来通院での治療も可能であり、患者さんの日常生活をほとんど妨げません。お身体へのご負担もあるので積極的に推奨はしませんが、午前に治療して、午後から仕事するという治療計画を立てることも可能です。また、手術や抗癌剤の治療自体が困難な高齢の方や合併症のある方にも放射線治療は行うことが可能です。高齢であっても、病気が進行していても可能な治療法があることが大きな希望に繋がり、生きる意欲が湧く患者さんも少なくはないと思います。

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貴院は炭素イオンによる重粒子線治療を行なっている全国でも数少ない施設ですが、従来のX線治療や陽子線治療に比べた重粒子線治療の特徴について教えていただけますか?

重粒子線の特徴は、周りに大事な臓器があってもがん細胞だけを攻撃でき、かつ強いがん細胞にも効果があることです。

治療に使用している放射線は、①X線などの波長が短い電磁波と②重粒子線、陽子線などの高速で動く粒子があります。電磁波は、線源から距離が遠くなるほど放射線の量は小さくなりますが、加速させた粒子は停止する直前に放射線の強さが最大になるブラックピークという特徴をもちます。この性質を利用することで、粒子線治療では周りにある正常な組織を避けてがんを選択的に攻撃することが可能です。通常のX線治療では、がんの周囲にある正常な細胞もがん細胞と同程度に被ばくしてしまいます。がん細胞よりも正常な細胞の方が照射後の回復能力が高いので、その差を利用して正常な細胞が回復できる量の放射線を照射して、がん細胞を殺します。正常な細胞がダメージを負ってしまうため、放射線治療後にがんが再発してしまった場合、多くの場合は再度のX線治療が実施できません。

一方、粒子線はがん細胞のみを狙い撃ちするため、正常な組織に与える放射線の影響が少なく、治療後に再発した場合でも再度照射することができます。粒子線は、主に陽子線とヘリウムより重い粒子を加速した重粒子線に分類されます。違いは主に粒子の重さとなります。重粒子線はいわば砲丸投げ、陽子線はゴルフボール投げみたいなものです。重い粒子は加速するのに大きな施設が必要になりますが、その分、重粒子は陽子よりも大きな破壊力を備えています。当院では、サッカー場位の広さがある施設に粒子を加速する機器を設置し、重粒子線の中の炭素イオンを加速させてがんの治療を行います。

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貴科にはどのような経緯で訪れる方が多いのでしょうか?

消化器のがんに対する重粒子線治療ですが、X線治療の効果が不十分であったり、重粒子線(炭素線)による1回から12回程度の短期照射が有望だと考えられたりするものを中心に治療にあたっています。具体的には、膵臓がん、食道がん、肝細胞がんや大腸癌術後の骨盤内再発あるいは術後の腹部リンパ節再発でなどになります。

当院を受診される患者さんは全て他院からのご紹介です。紹介の経緯としては患者さんご自身が当院のホームページをご覧になり、主治医にご相談される場合や、手術に代替する治療として主治医の先生からご提案を受ける場合などさまざまですが、直腸がんの骨盤内再発においては、その治療効果が広く外科医にも認められていることもあり、主治医の先生の方からご提案を受けられる患者さんが多くの割合を占めます。ホームページをご覧になって受診に至る方は、手術が適応にならなかった患者さんや抗がん剤治療が困難な患者さん、あるいはX線治療が奏功しなかった患者さんなどがいらっしゃいます。X線による放射線治療では正常な消化管粘膜が被ばくすることで下痢や潰瘍、嘔吐などの消化器症状が出てしまう方がいらっしゃいます。
重篤な消化器症状が出現すると化学療法が困難二なる可能性を危惧して、主治医の先生が放射線治療を推奨しないことがあります。しかし、重粒子線治療であればがんに集中的に放射線治療を行えますので、化学療法による全身治療を続けながら、重粒子線によるがんの局所療法を行うことも可能になります。

膵臓がんや直腸がんの骨盤内再発における治療は現在、先進医療制度のもとで行われているかと思いますが、これらの治療成績について教えてください

局所進行膵がんで手術ができない患者さんを対象にした治療の2年生存率は、抗がん剤とX線治療であれば約20〜30%程度ですが、抗がん剤であるゲムシタビンと重粒子線の併用治療では60%程度まで改善しました。また、切除可能な膵癌に対する術前重粒子線治療では、5年生存率は52%と良好な結果でした。

直腸がんの骨盤内局所再発に対する重粒子線治療後の生存率はすでに手術に勝るとも劣らない成績であり、2年生存率は90%、5年生存率は50%を達成しています。70Gy以上の高い線量の治療であれば、治療後5年間で再発を認めない症例の割合は約90%にのぼります。消化管ががんの近くにあると、重粒子線治療が困難になります。その場合には、照射前に大腸や小腸の間に、お腹の中にある大網という脂肪組織やスペーサーという人工物を挟むことでがんと消化管を安全な距離を置くことで、重粒子線治療に持ち込むことも可能です。万が一照射により、潰瘍・出血・穿孔など被ばくによる晩期障害が生じた場合には、腸を部分的に切除するなどの対応をとることもできるので、直腸がんの骨盤内再発おける重粒子線治療はリスクよりもメリットの方が大きいと言えるでしょう。

山田先生の今後のご展望について教えてください

放射線医学総合研究所が掲げる“がん死ゼロ健康長寿社会”という大きな夢を達成するため、まずは複数の重粒子線を用いるマルチイオン照射により、がんの局所治療としての重粒子線治療の効果をさらに向上させること、さらに、遠隔転移を制御する目的で、アルファ線核種を中心に新しい核種を用いたRI内用療法さらには免疫療法との併用療法を計画しています。

マルチイオン照射としては、腫瘍の状態に応じてヘリウムイオン、酸素イオンなどの炭素イオン以外の粒子も含めた複数のイオンを使い分け、より効果的な照射方法を開発し治療成績を向上させることで、重粒子線治療が手術に代わる治療となるよう研究を重ねています。また、重粒子線は、局所に放射線を照射することによって照射していない遠隔転移したがんも縮小するアブスコパル効果が認められることがあり、これは基礎研究でも証明されています。このアブスコパル効果は、放射線の照射によって身体の免疫が活性化されることで起こると考えられています。そこで、現在では免疫療法と重粒子治療を併用することで、がんの局所治療をしつつ全身治療も進めることができないかと言った研究も進めています。
また、当研究所の分子イメージング診断治療研究部では重粒子線の一種であるアルファ線核種を中心に新しい核種を用いたRI内用療法の研究にも力を入れています。この内用療法では、がんが放射線同位元素を取り込むことを利用した治療となるので、画像に映らないような微細ながんも含めてがんを叩くことができます。

自分の家族ががんになったら、今できる最善の治療を提供してあげたいと思うのが当然です。“いらっしゃる患者さんが自分の家族だったらどうするのか”といつも心に留めながら、これからも診療や研究に励んでいきたいですね。

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