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私は身近に医療関係者が多かったわけではありませんでしたが、高校生の頃は理系科目が好きであった影響もあり、医学部を選択しました。身体を動かすことも好きだったので、医学部在学中はラグビー部に在籍していました。部の先輩であった医師から「じっと座って考えるより、身体を動かしたりする仕事のほうが向いているだろうから、同じ病院の外科で働かないか」と声をかけて頂き、卒業後は三井記念病院で外科のレジデント研修を行うことにしました。自分としても血液検査などのデータを見て診断するより、画像検査などを基に解剖学的に検討し診療をするほうが向いていると思っていました。
当時は医学部卒業後は95%以上の人が出身大学の医局に入局する時代でした。私は医局に所属しなかったので、三井記念病院での5年間のレジデント研修を終えたあと、今後の進路について考えていました。その頃、三井記念病院で私の指導医であった先生が国立がんセンター中央病院の呼吸器外科に勤めていました。その先生は肺結核の治療を得意としていた当時の三井記念病院の上司から「これからはがんの治療ができないといけない」と言われ、肺がん手術の勉強のために国立がんセンター中央病院に移動された先生でした。その先輩からある時、「三井記念病院で勉強してきて、手術もしていたけど、国立がんセンター中央病院に来たら、手術のレベルも高く、凄く勉強になった。もっと勉強する気があるのなら国立がんセンター中央病院のレジデントにならないか」と誘っていただきました。
当院も三井記念病院もそうですが、救急病院でも胃がんや大腸がんの診療も行います。救急ではその場での救命が大切となりますが、がんの場合は半年後や1年後に再発するということもあります。その時に「その場で治療がうまくっているだけではだめだ。ただ家を建てるだけでなく、構造計算をして耐震性を確認した上で大きな建物を立てようと思ったら建築学を学ばなければならないのと同じ様に、先を見据えてがんの手術ができるようになるためには数をこなすだけではいけない」と思いました。
三井記念病院で5年間のレジデント研修を終えていましたので、再びレジデントとして働くのであれば給料は下がってしまいますが、勉強になるのだったらと思い、国立がんセンター中央病院に行くことを決心しました。
国立がんセンター中央病院の外科には食道、胃、大腸、肝胆膵、肺、乳腺の6つの専門領域がありました。三井記念病院でも胃がん、大腸がん、乳がんの手術をしていましたが、肝臓や肺、食道はあまり経験していなかったので、これらを一生懸命勉強しようと思い、それぞれを長めに研修しました。
そして研修を終了する時に、食道外科の先生から「定年退職で他に移る先生がいらっしゃり、ポストが一つ開く予定だがやらないか」と誘われ、食道外科医となりました。今振り返ると食道外科医になりたいと自分でそれぞれを選択してきたと言うよりは、目の前のひとつひとつを積み重ねていった結果が食道外科医につながったように思いますね。
何かを目指して積極的に動くことも重要ですが、与えられた状況でちゃんとした仕事を続けていくということが重要です。
食道外科というのは外科の中ではかなり難しい分野で、手術も大掛かりになります。大きな手術では、最初から大きなことをやろうとすることはできません。小さな手術の場合は積み木を3つくらい重ねるようなもので、少しくらいずれが生じても崩れることはありませんが、大きな手術となると積み木を10個くらい積み重ねないといけないので、1つ目からずれがないように積んで行く必要があります。大きな手術をするときには小さな細かいことを丁寧に行わないと結果に結びつきません。
キャリアも同じで、上を目指して大胆に何かを行うのではなく、小さなことでも一つずつ積み上げていくと、そのうちにそれがキャリアにつながるのではないかと思っています。
当院では大動脈の手術など救急治療も得意としておりますが、やはりがんの患者さんが増えています。現在日本で最も多いがんは大腸がんであり、次いで胃がん、肺がん、乳がん、前立腺がんの順となりますが、当院でも同様に大腸がん、胃がん、乳がん、前立腺がんの患者さんが多くなります。4月から呼吸器外科ができたので、肺がんの患者さんも増えると予想されます。
がん治療センターでは、がんの治療を集学的に取り扱い、理論立てた治療を行うことを目指しております。がんの種類や臓器にかかわらず、個々のがん患者さんに対して最適な医療を提供するために、診療科や部門の垣根をなくして集学的治療を提供する機会をコーディネートするのが、がん治療センターです。がん治療センターは特定の部署ではなく、機能上のシステムを指します。
がん治療センターでは、キャンサーボードと言って、がんの診断、手術、放射線療法、抗がん剤治療に係わる医師が集まるカンファレンスを定期的に開催し、すべてのがん患者さんの診断と進行度を確定し、ガイドラインに沿って治療方針を決定しています。
食道がんに限らずがんの治療では、手術以外にも化学療法や放射線治療といった選択肢があります。現在は若い医師に手術はもちろんのこと化学療法もしっかりと行えるように指導する役割におります。幸いなことに若い医師も集学的治療の重要性を理解してくれて、積極的に取り組んでいます。
当院の周りには川崎地域をはじめとして、がんと診断され困っておられるご年配の方が多くいらっしゃいます。これまで勤務した病院では、地域の病院でがんと診断され、治療を希望されて東京までお越しになる患者さんが多かったのですが、それはお越しになれるだけの体力がある方に限られます。がんの治療というのは一度行えば終了というものではなく、手術前後の化学療法や放射線治療、定期検査などと通院する必要があるものです。そうすると状態が悪い方の場合、東京に通うのは大変になります。そのようなこともあって、東京に行くことが難しい患者さんが、地域のなかで十分な治療を受けられるというのはとても重要なことと実感しています。特にご年配の方にはとても大切になります。食道がんに限らず様々ながんの患者さんが、体力がないからといって諦めるのではなく、地域でちゃんとしたがんの治療を提供してあげられることが大事と思っています。
また、ご年配の方はがん以外の疾患でも一度入院してしまうとそれだけで筋力や体力が落ちてしまいます。それまで一人で動けていた方でも入院し、ベッドに横になっている生活が続くとあっという間に動けなくなってしまいますし、入院前はご家族や近所の方と色々お話しされていた方でも、病院ではあまり話をしなくなってしまいます。特に消化器系の疾患では入院中は周りの方とお茶を飲みながらお話しをするこということも難しい状況です。そのため、患者さんの治療が落ち着いたら、早期にリハビリを行い、元気にお戻りいただけるように努めていきたいと思っています。
当院の外科の若い医師は、緊急手術を含めた日常診療に追われることが多いのですが、専門病院や大学でより高いレベルでそれぞれの分野の研修や研究などを行い、キャリアアップを志せるような道を示したいなと考えています。キャリアアップ後にある程度の力が付いたら、当院で指導者となって若い医師を教えていくというような循環型のシステムを作り上げたいと思っています。
当院は、患者さんごとの状況やお気持ちに合わせた選択肢を提供できる病院だと思います。患者さんにはちゃんと医師と相談して、インターネット等の不確かな情報に振り回されることなく、自分で考えて納得いく治療を受けていただきたいと考えておりますので、相談のきっかけとしてお越しいただければと思います。
やはり、日本の癌治療のトップの病院なので、医療、治療、看護、施設などが全てが高度だと思います。安心して治療して頂けます。
病状と治療方法に関し、解りやすく丁寧に説明して頂きました。症例数の多さや技術の高さに全幅の信頼をし、手術をしつ頂きました。術後も良好です。
看護師さんのレベルの高さは、凄いと思います。患者に合わせ寄り添い親切な対応をして頂きました。また知識も高いと思います。
毎日の掃除やゴミ収集が徹底していて、とても快適に入院生活を過ごせました。また、空調管理もしっかり出来ていて、いいと思います。
電話にて予約をしましたが、親切、丁寧で解りやすく教えて頂き、スムーズに予約を取る事が出来ました。
予約時間の10分前にはチェックインをしてますが、だいたい予約時間の30分〜60分は待たされます。30分位は許容範囲ですがそれ以上になると流石にキツイですね、
私の場合は術前に抗がん剤治療をしたので約8週間位待ちましたが、そのおかげで手術を受ける迄にだいぶ体力が回復して良かったと思います。