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加藤 博之 先生

手の外科(手根管症候群など)の名医
流山中央病院
名誉病院長、整形外科
専門
手外科・上肢外科、末梢神経、小児整形外科
掲載開始日:2016年11月16日
最終更新日:2022年09月28日

臨床実績


年間手の手術数
***

専門医資格
***

学会職位
***

学術活動


論文・学会発表数
*** 件
※件数は英語論文を含まない場合がございます

最終論文・学会発表年
*** 年

学術機関
***

出身大学
***

略歴
***

受診しやすさ


手術までの待機期間
***

医師指定受診
***

外来待ち時間
30〜1時間

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加藤 博之先生のインタビュー

公開日:2019年08月14日
手は心、この地の手外科の治療を盛り上げたい

先生が医師を志した理由を教えてください

母方の祖父が千葉で眼科医をしており、母も薬剤師をしていました。母自身、医師を目指していたこともあり、母からは幼い頃から医師を目指すように言われていました。母は厳しく、私と弟はかなり勉強させられたため、高校は開成高校に通い、進路も迷うことなく医学部を受験しました。
北海道大学を選んだ理由は、親元を少し離れたいという気持ちと中学・高校時代にスキーが好きだったため北海道でスキーをしたいと考えていたからです。一生懸命勉強した甲斐あって、北海道大学に進学することができ、学生時代はスキー部でスキーを楽しむことができました。

手の外科をご専門とされるに至った経緯を教えてください

学生時代、卒業後は東京に戻って内科医になろうと考えていました。しかし、私は学生時代に結婚したのですが、スキー部の顧問をされていた整形外科の石井清一先生に仲人を頼んだところ、先生から仲人をする代わりに北海道に残って整形外科医をしないかと誘われました。そうして整形外科に入局することになったので、何か目標があって入局したというわけではありませんでした。入局してみると、整形外科の医局は体育会系で明るい雰囲気でしたし、診療では手術も行うので頭と手の両方を使い、自分の性にあっていると感じました。
手外科を専門とするようになったきっかけも石井先生が手外科を専門とされていたことです。医師になり5年目に手外科の専門研修を受けることになり、初めは石井先生が指導医についていただけました。しかし石井先生がすぐに札幌医科大学の教授になったので、その後は荻野利彦先生(前山形大学整形外科教授)や三浪明男先生(前北海道大学整形外科教授)について手術の経験を積ませていただきました。
当時は外傷で受診される方が多く、交通事故や農作業、漁業の最中に怪我をして来られる方を多く診ていましたが、荻野先生は小児先天異常である母指多指症や合指症、末梢神経の手術を、三浪明男先生はマイクロサージャリーや手関節の手術を専門とされていたので、そういった専門性の高い手術も間近で見せていただくことができました。当時の手外科は比較的新しい分野でありましたが、手に関する手術の経験はほぼ全て積むことができました。手は細かい作業を行う部分ですので、手術の際には見た目だけでなく動きにも注意を払う必要がありますし、手術後に患者さんの経過がすぐわかるということにやりがいを感じました。
その後、縁あって信州大学の教授になりました。都会であれば一つの疾患や診療領域で独立して診療体制を整えるところも多いのですが、地方ではそう言う訳にもいきませんので、信州大学では上肢グループとして肩から手までを担当していました。信州大学では基本的には何でも診ていましたが、腱の手術を多く行いました。腱は歳を経るにつれ、すり減っていき断裂を起こすことがあるのですが、長野県は全国的に長寿の県であったこともあり、土地柄その類の患者さんが多くいらっしゃりました。

手外科専門医について教えていただけますか

人間がなぜ進化したかというと、言葉を話す、火を操る、道具を使う、ということが挙げられると思います。動物の中でも人間だけが道具や火を操るなど手を使った細かい動作を行うことができます。楽器を弾いたり、スポーツをしたりと様々なパフォーマンスにも使われますし、手話でコミュニケーションを行うなど、手は心を表現することもできる大切な器官であると思います。
手外科専門医になるには形成外科医か整形外科医として5年以上の経験を積み、手外科の指導医がいる元で指導を受け、試験に合格することが必要です。
全国で手の外科を専門としている医師は約950人いますが、形成外科医はマイクロサージャリーや火傷、ケロイドの皮弁形成などを得意としており、整形外科医は骨折や外傷の治療を得意とするなど、同じ専門医でも得意としている分野は多少異なります。
日本手外科学会は会員数が約3500人で、国際的に見るとアメリカに次いで2番目に大きい団体です。しかし、手外科という専門診療科は一般の人にはまだ馴染みが少ないのが現状です。日本手外科学会では、一般の皆様が手に関心を持ち、健康な手を持っていることへの感謝、あるいは、手の不自由な人々に対する社会的な関心を盛り上げ、 手の怪我、病気、しびれの改善に従事している手外科の存在を知ってもらう「手(ハンド)の日」を8月10日として制定したばかりです。来年からは、各地で「手(ハンド)の日」に、市民公開講座等で啓蒙活動を行って行きたいと思っております。

患者さんを診察する際に心がけていることを教えていただけますか

患者さんの希望をよく聞くことだと思います。たとえ同じ病気をお持ちの方でも、人差し指に症状がある方の場合、物の繊細なつまみと感覚が大切ですが、小指に症状のある方の場合、物の力強い握りは必要となりますが、感覚はそこまで必要ではないこともあります。治療方針の検討に際しては各部位の役割、関節の動きを理解する必要があります。また、利き手と非利き手では、同じ指でも異なった機能が求められます。レントゲン写真越しに患者さんを診ても、その人が何にお困りなのかは分かりません。その方の職業や趣味によってゴールは違います。また、最近こちらに来て感じたことですが、地域が変われば治療を希望する時期や治療方針の希望も違います。長野にいた頃は農業をされている方が多かったので、田植えの時期を避け、冬に手術を希望される方が多くおられました。また、ギプスの装着に関してはあまり抵抗がなく、車が運転できれば問題ないという方が多かったようです。しかし、流山市のようなベッドタウンでは季節による変動はあまりないものの、忙しいため治療期間が限られている方も多いですし、人目を憚ってギプスを嫌厭する傾向があります。また、満員電車の通勤の際に治療した手を傷めない様なアドバイスが必要です。
患者さんには、投薬、注射、リハビリ、手術(固定術、再建術、人工関節手術等)など、多くの選択肢を提示して、相談しながら治療の方針を決めていきます。時には元のように治ることが難しい状況もありますが、完全には治らない場合でも患者さんご自身が納得できるように十分な説明を心がけています。

先生の今後の展望を教えてください

千葉は元々、生まれ故郷でもありますし、ここ流山中央病院は、理事長の國吉昇先生は信州大学卒業で、副院長の國吉一樹先生とは以前に北海道大学で共に働いていました。他にもかつての北海道大学スキー部の先輩方が在籍しているなど、不思議な繋がりを感じています。
私が教授を勤めていた信州大学のある長野県は、もともと手外科が盛んであり、人口もそれほど多くはないので、手外科医は比較的充足しておりました。一方、千葉県は人口が多く、特に流山周辺は人口が急増しており、手の外科を専門とする医師は相対的に少ないようです。そのようなわけで、退職後は長野県でのんびりするのではなく、流山周辺の開業医の先生とも交流しながら、手外科・上肢センターを盛り上げ、若手医師が率先して研修を希望する病院となるよう、サポートできたらと思っています。
手外科学会理事長としては、前述した手外科の社会認知の向上とともに、手外科専門医の地域的偏在を無くすために、研修機会の平等化や女性医師の育成などに取り組んでいきたいです。また、手外科の専門医を国の専門医制度として認めてもらうようにも活動中です。
昔は手外科と言うと外傷が多かったですが、今ではスポーツに関連する負傷や加齢によるご病気の治療も増えてきました。特にご年配の方では、手指の変形性関節症、手根管症候群、ばね指等の腱鞘炎がQOLを低下させています。高齢者の手の病気に関する治療はこれまであまいり注力されていませんでしたが、手術以外にも生活指導、装具、リハビリなどにより症状の進行を遅らせ、発症を抑えるための治療にも力を入きたいと思っています。

受診を悩まれている方へ、メッセージをお願いします

手に関するお悩みがある方は、納得がいく説明を受けるためにも手外科専門医に相談していただいた方が良いと思います。副院長の國吉一樹先生も手外科専門医をお持ちですし、日本手外科学会のウェブサイトを見ていただければ、一般の方でも手外科専門医の在籍している施設を確認出来るようになっております。
こんなことで受診していいのかなと迷われている場合には、一度受診していただければと思います。現在は、月曜と火曜は信州で大学を中心に診療をしています。今後は、徐々に流山での診療にシフトし、流山での外来でも多くの患者さんと診察しながら、交流していきたいと思っています。

編集後記

長年、信州大学で教授を勤められていた加藤先生ですが、とても朗らかにインタビューに応じてくださいました。現在も手術を執刀されていますが、「外来ではとげぬきをすることもありますよ。」と日々の診療についてユーモアを交えながら語っていただけました。インタビューを通じて、加藤先生がこれまで培ってきた経験や知識の深さ、自信を感じることが出来ました。加藤先生が理事長を務める日本手外科学会のウェブサイトでは手や肘など上肢の疾患についてとてもわかりやすく書いてありましたので、手や腕のトラブルでお悩みの方は一度、手外科学会のウェブサイトもご覧いただくと良いかと思います。

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勤務先医療機関

住所:千葉県流山市東初石2丁目132-2
電話番号:0471545741