
私は進路選択をする際に、初めから医師の道へ進んだわけではなく、当初は外交官になりたいという夢から慶應義塾大学法学部へ入学しました。在学中は大学のオーケストラに所属していましたが、プロの音楽家になりたいという思いが強くなっていき、卒業の際に腕試しのつもりで受けた東京藝術大学に合格し、本格的にヴァイオリンの修行をすることになりました。芸大在学中からNHK交響楽団などでヴァイオリニストを務め、卒業後は桐朋学園大学の研究生になり尾高忠明氏に指揮法を師事しながらオーケストラの指揮者も務めたりしていました。
そんな中、医師を目指すきっかけとなったのは、20代の終わり頃に音楽家として慶應義塾大学医学部の学生にオーケストラの指導をしていた際の出来事でした。私は当時から健康マニアだったこともあり、健康談議をしているうちに「先生、結構医者に向いているかもしれません」と言ってくれた教え子がいました。まさか自分自身が医師になれるとはそれまで思っていなかったのですが、ちょうど家族が病気になった時期とも重なり、「このまま音楽をやり続けても本当に人に感動を与え、自分自身も満足できるような演奏を続けられるのか。人間の喜怒哀楽にもっと直接関わること、例えば痛いのが楽になるとか、病気や怪我が治るとか、もっと基本的かつ現実的な部分で人の役に立った方が自分も心の底から嬉しいと感じられるのではないか」などと考え、再度転身を決意しました。幸運にもすぐ帝京大学医学部に入学することが出来、医学の道を歩むこととなりました。
帝京大学医学部を卒業後、東京大学医学部附属病院産婦人科で初期研修を開始しました。産婦人科を選択した理由は、分娩のみならず、不妊、腫瘍、感染症、更年期など、胎児から老年期まで幅広い領域や手術を経験できるからです。特にお産に関わることで、「おめでとうございます」とお祝いが言える環境は医師としてだけでなく、一人の人間として喜びを感じられると思いました。
医師になってからは、東大病院および東大医局の関連病院を1~3年ごとに異動していましたが、患者さんの中には私の勤務先が変わるたびに病院を移ってこられる方もいらっしゃいました。そのため、私が開業して一定の場所にいることが、患者さんの安心へと繋がるのではという思いがありました。それに、勤務医の頃は月のうち半分近くも当直勤務をしなければならなかったり、外来で1日に診なければならない患者さんの人数の関係で一人の患者さんあたりの診察時間が短い時もありましたが、 開業することで、患者さんにじっくり向き合うことができるようになるとも考えました。実際に、当院では予約制をとっていることで患者さん一人一人と十分お話しできる時間を確保しています。 また、勤務医ですとどうしても定年があり、まだ元気であっても医師を辞めなければなりません。その点、開業医には定年がないので、自分の健康が続く限り患者さんのお役に立つ事が出来ます。
当院では、一般産婦人科外来、妊婦健診、超音波外来(子宮、卵巣、乳房)、ピル・アフターピル(緊急避妊ピル)外来、避妊及び不妊外来、更年期ホルモン検査及びホルモン補充療法(HRT)などに対応しております。
また、受診方法についてですが、できる限り短い待ち時間で診察を開始できるよう、受診をされる時には電話予約をお勧めしています。完全予約制ではありませんが、予約を頂くことで比較的空いている時間帯をお伝えしています。また、かかりつけの患者さんで緊急性がある方などに迅速な対応が出来るよう、休診日や時間外もクリニックにかかってきた電話を私の携帯電話に転送し適切に対応する事で、患者さんの安心感に繋がっていると思います。
当院では、ホルモン療法は特に力を入れている治療の一つです。更年期になり卵巣から分泌される女性ホルモンが急に減少する事で、火照り、のぼせ、動悸などの身体症状から、イライラ、不安、不眠、鬱などのメンタルな症状まで様々な事が起こりやすくなります。
それに対して、減少した女性ホルモンを少し補うことによりそれらの症状を改善する治療法がホルモン補充療法です。「関節痛が良くなった」「良く眠れるようになった」「お肌が綺麗になった」「イライラしなくなった」など、心身ともに症状が改善され、とても喜んで頂く事があり、こちらも嬉しくなります。
健康な男性の精子は日々新しく作られますが、女性の卵子は健康な人でも産まれた時から(正確には胎生期から)どんどん減る一方です。日本人の平均初産年齢は年々上昇しており、それに伴い卵子の老化(エイジング)による妊孕性の低下が以前から指摘されていますが、その事を御存知ない方が多いのも事実です。エイジングが進んでから慌てて不妊治療を開始し、沢山の時間とお金とエネルギーを使い、結局子宝に恵まれないカップルも世の中には多いのが現状です。その事を若いうちからよく説明し家族計画を立てる事こそ、これから真に必要とされる性教育だと思っています。
子宮内膜症とは、月経血が子宮から腹腔内に逆流することなどで、子宮内膜が本来あるべき子宮以外の場所に存在することにより、その場所で出血したり周囲の組織と癒着や炎症を起こしたりする病気です。月経困難症や不妊症の大きな原因になります。
子宮内膜症の治療の1つにピルの内服があります。ピルを内服することで、子宮内膜が薄くなり月経血も少なくなる結果、生理痛が減少し、また排卵を抑制することで、将来妊娠したい時の為に卵子を温存する事が出来ます。
ブライダルチェックとは、以前は結婚する際の健診のことを指していましたが、今は未だ結婚の予定が無くても受ける人も多いです。感染症や、妊娠にあたって子宮や卵巣などに何か問題が無いかどうかなどのチェックをします。妊娠すれば初期検査で感染症のチェックは必ず行うのですが、それでは遅い場合があります。例えば風疹・麻疹などの抗体価が低いとわかっても、妊娠してからはそれらのワクチンを接種することができません(インフルエンザの予防接種は出来ます)。
当院では子宮がん・乳がん検診や、子宮頸癌のワクチン接種もしています。また、港区主催の子宮がん検診を受ける際、当院では子宮卵巣の超音波検査も年齢によっては無料で同時に受けることが出来ます。日本人は子宮癌・乳癌検診の受診率が欧米に比べてまだまだ低いです。市区町村の無料健診(検診)などもうまく使い、若いうちから自分の健康の為、将来の妊娠の為、当クリニックと一緒に健康を維持し、幸せな人生に繋げていきましょう。
現在私は当クリニックでの診療のみならず、産業医、学校医や港区医師会理事として皆様の為に幅広く活動させて頂いています。また、今まで積み上げてきた音楽活動も引き続き継続していきたいと考えています。音楽を演奏する事で、皆様の生活をより豊かに喜びに満ちたものに出来れば大変有り難いと思います。日本の平均寿命はまだ伸び続けており、人生100年時代が現実のものになろうとしています。「健康に勝る財産無し」を合い言葉に、皆様と共に将来の日本を築いて行く為お役に立ちたいと考えています。
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