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高 卓士 先生

神奈川県横浜市中区長者町3丁目7-5 YS長者町ビル1F
B-Rain Clinic
院長
専門:
掲載開始日:2018年06月18日
最終更新日:2019年12月23日

受診しやすさ

医師指定受診
-
外来待ち時間
-時間程度

臨床実績

専門医資格
日本精神神経学会専門医

学術活動

出身大学
2000 年卒
略歴
-

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高 卓士先生のインタビュー

公開日:2020年01月17日
心と脳は繋がっている。脳科学の視点から患者さんを総合的に診る精神科医

先生が医師を志したきっかけについて教えてください

学生時代、英語が好きでしたので通訳者に憧れていました。通訳は、全く異なる文化的背景を持った方々の想いを繋げ、互いの理解を深めることができる仕事ですし、通訳者になれば海外という広いフィールドで自由に仕事ができるのではと考えていました。
そんな中、医学部に進むことにしたのは両親の期待に応えたかったと言う思いがあります。父母が自営業を営んでいたこともあり、私の家はサラリーマンの家庭と比べると収入は安定している方ではありませんでした。それでも、両親は教育にお金をかけてくれていた方でした。元々、幼い頃から知的好奇心は旺盛な方で、勉強の成績も比較的良い方だったこともあり、資格職である医学の道に進みました。お恥ずかしい話ですが、当初、医学部に進んだ理由は人を救いたいと言った高尚なものではありませんでした。
通訳に憧れていた影響もあって、進学後は言葉を重要視する診療科に進みたいと考えていました。私たちは普段何気なく言葉を使っていますが、人を傷つけることもできれば、癒したり平和をもたらしたりすることもできます。そんな思いから言葉を大切にする精神医療の道に進みたいと思っていました。

精神科医としての歩みを教えてください

私が医学部を卒業した頃の初期研修ではまず内科を一通り学ぶ必要があったので、その後に精神科の研修が始まりました。当時は20〜30年と長く入院している患者さんもいましたし、病院は患者さんにとって生活の場でもありました。そうした環境での診療は貴重な経験となりましたが、次第に病院の外の社会で葛藤し、苦しんでいる方々のお手伝いをしたいと言う気持ちが芽生え、クリニックで働くことにしました。当時は児童思春期やパーソナリティ障害に興味があったので、そうした患者さんを重点的に診させていただきました。また、集団認知行動療法の講師をさせていただく機会もあり、様々な患者さんと接するなかで精神科医療への理解を深め、医師としての経験を積むことができました。
その後、もう少し患者さんに踏み込んだ診療を提供したいと考えていた頃、たまたま目にした医学誌の中で脳の画像検査から過食症を5つに分類し、治療を行うダニエル・エイメン先生の紹介記事を目にしました。彼は米国の精神科医であり、脳科学の知識が豊富な方です。エイメン先生は患者さんの脳の画像データを用いながら、うつや不安症、ADHDを細かく分類した上で診療や治療を行っています。初めはその診療スタイルのイメージが湧かず疑問がつきませんでしたが、先生の著書を読み、直接お会いしたいと思いメールを送りました。その後、実際に米国のエイメン先生のクリニックを訪問する機会をいただき、患者さんの栄養指導を行うタナ・エイメンさんも交えて様々なお話を伺う事ができました。先生のお話を聞き、私も日本でエイメン先生のメソッドを取り入れたクリニックを作りたいと考え、2012年に当クリニックを開院しました。

先生のクリニックについて教えてください

クリニックの名前には二つの意味があり、一つはBrain、脳と言う意味です。もう一つは、B(美)-Rain(雨)と分け、気持ちを穏やかにするセロトニンやドーパミンの脳内物質を雨になぞらえて、患者さんに恵の雨が降り注ぎ幸せになれますようにと願いを込めました。クリニックの雰囲気はあまり病院らしくないように意識し、来院される方の憩いの場となることを目指しています。
患者さんは近隣の方が多いですが、エイメン先生のクリニックと提携もしていますので、日本に住まわれている米国の方が先生からの紹介で受診されることもあります。最近は関東近辺や全国からいらっしゃる患者さんも増えてきましたので、遠隔診療システムも取り入れました。年齢は30~40代の方が一番多く、少し女性の方が多い印象です。生物学的にも女性は男性よりセロトニンの分泌量が少ないと言われていますし、ちょっとしたストレスなどで気持ちが落ち込んでしまうことは仕方がない事だと思います。

クリニックでの診療についても教えていただけますか

当院は客観的検査を用いて総合的に診ることを特徴としています。エイメン先生の言葉を借りると、整形外科や循環器の医師は画像や血液検査などのデータを用いて患者さんを診察するのに対し、精神科医は推測の側面が強く主治医の主観が入り込みやすいです。客観的なデータや指標を用いる事で、推測で診療を行うのではなく総合的に患者さんを診る事ができるのではないかと考えています。
そのため、患者さんの主訴や希望に合わせて脳の画像検査や血液検査など客観的評価に必要な検査を行っています。
もちろん、検査だけではなく問診にも力を入れています。当院ではエイメン博士のクリニックで使用されている問診票を日本語に訳して使用しています。かなりの質問量ですので、初診の方には予約時間の1時間前にいらしていただくようお伝えしています。身体的な症状以外にも、その方の生育歴や家庭環境、性格など多角的に知ることができます。診察ではそれらを見ながらお話しをさせて頂きます。
治療はなるべく薬を使わないよう心がけています。最近では、運動不足や食事の不摂生などが心身に与える影響についても理解が深まってきましたので、食事や運動面のサポートもさせていただいています。
また当クリニックは、クリニックとは別の場所に脳波トレーニングセンターを有していますので、そちらで脳画像検査を撮影しています。こちらでは認知症や物忘れを心配されている方、ご自身の潜在的に持っている強みを知りたいと言ったご希望がある方々に対する検査も行っています。

貴院のポリシーでもあるお薬をなるべく使わない治療についてもう少し詳しく伺ってもいいでしょうか

うつ病などの精神疾患は脳の慢性的な炎症が影響していると言う説があります。この炎症を引き起こす原因としては心理的なストレスの他に運動不足や食事・栄養の偏り、お酒やタバコなどの嗜好品が挙げられています。また、アレルギーや腸内環境も脳の炎症を左右するとされています。そのため、炎症を起こさないようになるべくこのような要因を避けることが必要だと考えています。
具体的には食物に関する遅延型アレルギーが原因と考えられる場合には、それらを回避して頂くことが必要になってきますし、嗜好品が影響している場合にはその調整が必要とされます。
患者さんは悩みに囚われて、食事や運動が疎かになりがちです。当院では、まずは患者さんに普段の食事内容を書いてもらい、診察時に一緒に振り返ります。そこから脳の炎症に影響していそうな習慣の改善に取り組みます。
薬だけに頼らず、栄養や食事への取り組みを丁寧に行うことで、体のホルモンバランスも整い、心身ともに健康になっていかれる方が多いです。その結果、クリニックから卒業される方も多くいらっしゃり、治る喜びを患者さんと共に分かち合えることは私にとっても嬉しいことです。

今後の展望について教えてください

人工知能のAIと脳科学は非常に相性がいいと思っていて、今後、精神医療の世界にもAIの技術が浸透してくると私は考えています。例えば、在宅でAIとコミュニケーションをとることにより、病気の改善を図ることも近い将来可能になるかもしれません。そんな人工知能を駆使した診断方法、治療法を開発できればと思い、人工知能についても学んでいます。将来的にエンジニアの方々と一緒に患者さんのお役に立てるツールを開発できればと考えています。
また、いま健康な方に対してのアプローチにもやりがいを感じていますので、メンタルヘルスの予防のための情報発信やセミナーを開催しています。こうした取り組みも継続していきたいと思います。

患者さんへのメッセージ

何か心配事や気になる事があれば、予防目的でも気軽にいらしていただければと思います。私は患者さんと一緒に歩み、笑いあいたいといった思いで日々診療にあたっています。そのためにも絶対に諦めないことを信条にしているので、時には厳しいことを言うこともあるかもしれませんが、患者さんにとってのゴールを見据えた厳しさとご理解いただければと思います。

編集後記

高先生はとても穏やかで柔らかい雰囲気の先生であり、質問にも丁寧に答えてくださいました。先生は患者さんの生活習慣の改善から取り組まれており、一般的な精神科とは少し違った印象をお持ちになるかもしれません。客観的なデータを用いた治療は、患者さんにとってもご自身の状態を客観視できるため、治療方針への納得といった面でも恩恵があるかと感じました。

B-Rain Clinicの写真

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B-Rain Clinicの詳細情報

郵便番号
231-0033
住所
神奈川県横浜市中区長者町3丁目7-5 YS長者町ビル1F
電話
045-315-5151

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