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国内でもっとレーシック手術をはじめとする屈折矯正手術を広めたいという思いは、ハーバード大学に留学する前から持っていました。留学前は東京歯科大学市川総合病院でドライアイなど角膜領域を専門としていましたが、ドライアイのためにコンタクトレンズが快適に装用できない患者さんをたくさん経験し、こういった患者さんが裸眼で過ごせるようになるのは素晴らしいことだと感じていました。当時、米国ではエキシマレーザーによるレーシック手術が開始されていました。そんなタイミングでハーバード大学へ留学するチャンスがあり、レーシックの最先端技術や術後の患者さんの喜びの様子を直接見ることができました。この留学で日本でもレーシック手術を多くの患者さんに提供したいという思いを更に強くしました。
現在(2021年11月時点)、国内ではレーシック手術は約100施設で行われていると推定されています。そのうち、レーシックやカスタムレーシックといった選択肢も含めて全て行うことができるのはそのうち半数くらいなのではないでしょうか。これらの手術を行うためには、専用の機器を導入することが必要で、医療機器も高価ですので導入するに十分な患者数がないと、なかなか導入することは難しいです。
米国ではレーシック手術は日本よりももっと一般的に広まっており、年間80万件程の手術が行われています。レーシックは臨床応用されて約30年が経ち、その安全性の高さから米軍でも積極的に導入されています。一方、日本では2008年くらいをピークに最近は年間5万件ほどの手術しか行われていません。もちろん人口差が倍ぐらいはありますが、それでもまだまだ少ないと言えると思います。その原因のひとつに10年くらい前に、ある医療機関で発生したレーシック関連の感染症が大々的に報道されたことによる影響が考えられています。そのときはマイクロケラトーム(電動メス)によるレーシック手術が行われたので、「マイクロケラトームによるレーシック手術は危険なのか?」と思われる患者さんが増えてしまいました。しかしその実態は、マイクロケラトームの消毒を行わなかったという医療機関としてありえないミスであり、レーシックの安全性の問題ではありませんでした。
また、急激な患者数の増加の中で、一部のクリニックで、術前のコミュニケーション不足、手術に必要なスキル不足、術後の適切なケアの不足、など、医療を提供する前提として不可欠な要素が適切に提供されなかったこともレーシックに対する不信感をあおる結果となりました。レーシックは、経験豊かな医師が適切に行えば、とても良い治療なのですが、このような誤った情報によって、視力矯正が必要な患者さんの選択肢を狭めてしまっているのはとても残念と思います。
日本のレーシック手術は、技術的に他国と比較して全く同等のレベルにあると思います。レーシック手術による事故が報道されてからは、レーシック手術は危険なのか、と思われる患者さんも少なからずおられるのですが、それゆえに、どの医療機関でも、術前コミュニケーションや術後ケアにもそれまで以上に慎重になっていると思いますので、安心して治療を受けていただけると思います。
先程も申し上げたように、患者さんとのコミュニケーションは非常に大事にしています。患者さんに過度の期待をさせないように、術前にきちんと正確な情報を伝えることが最も重要です。レーシック手術は手軽な手術なように伝わってしまっている部分もありますが、誰でも受けられる手術ではなく、近視の強さや角膜の厚みによっては手術できない方もいらっしゃることや、手術である以上、合併症などの可能性も0ではないことなどを正しく知っていただきたいと思っています。また、術後のフォローアップも大切です。ほとんどの患者さんは術後に全く問題なく、手術したことさえ忘れるくらいですが、ほんの一部の患者さんは不満をもつこともあり、このような方々のお話をしっかり聞いて対処することが大切です。さらに、すべての近視をレーシックで治療することは不可能で近視度数やライフスタイルによっては他の矯正方法が向いている場合があります。その適応をしっかりと患者さんに伝え、一番合った治療を受けていただくことが大切です。
最新の技術の提供は大前提として、やはり患者さんの話を聞ける医師ではないでしょうか。医療は治療を提供するという側面だけではなく、生活の質を改善し人生の満足度を高めるというサービス業の側面もあると思っております。そのためには、眼の機能を改善することはもちろん、心も含めたケアが必要だと思います。前述のように術前術後のコミュニケーションや、来院されたときに気持ちよく過ごしていただくなどのホスピタリティーも大切であることをドクターもスタッフも常に念頭におき、日々の診療にあたっています。
南青山アイクリニックの経営理念は「患者様に最高のQuality of Visionを提供する」ですが、この理念のごとく、すべての患者さんに上質の医療サービスを提供していきたいと思っています。患者さんの状態は1人1人異なりますので、理想は個々人に合わせたオーダーメイド医療で、さらに生涯に渡って1人を診る「見え方のトータルケア」をしてきたいと考えています。
例えば、1人の近視患者さんが10歳代でコンタクトレンズやオルソケラトロジー、20歳代でレーシック手術、40歳代で老眼に対してモノビジョンレーシック、60歳代で白内障手術、というように、その年代に合わせた屈折矯正方法を提供するようなイメージです。また、その間に何らかの疾患が起こった場合も対応できるように、現在は一般眼科診療も行っています。さらにその患者さんのお子さんの近視の相談を受ける、といったその方やその方のご家族の人生に寄り添った眼科医でありたいと思っています。
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