※掲載情報は独自の調査・分析により収集しており、最新かつ正確な情報になるように心がけておりますが、内容を保証するものではありません。
※実際に受診を検討される場合には、直接医療機関にもお電話で問い合わせいただくことを推奨いたします。
成果が見えるものが好きというところでしょうか。見えなかったものが見えるようになり患者さんに喜んでもらえるというのは成果が患者さんにも判断できますし、わかりやすいですよね。そもそも外科領域が良いなと思っていたのですが、自分の適性として、1つの手術が長いと6時間というような、強靭な体力を必要とする科ではないと思って眼科がよいかなと思いました。
できたときから“専門店方式”といいますか、とにかく角膜を中心とした前眼部に力を入れていて、この領域では日本一となることを目指してきました。網膜、緑内障、白内障と眼科領域を幅広く網羅するよりも、病院としての特色を強く押し出すほうが患者さんにとってはよい医療を受けることができるようになるのではないかと思っています。
何より角膜ドナーの確保が絶対条件というところですね。角膜移植は移植のできる医師がいるだけでは不十分で、アイバンクとの連携が不可欠です。ちなみに全国的に角膜移植の症例数は、希望している患者さんの人数と比較すると非常に少なく、角膜の移植件数は20年間ほぼ変化がありません。もっと移植によって救われる患者さんを増やすために、角膜ドナーからの献眼(角膜を提供すること)数の増加は角膜移植における長年の課題です。
市川総合病院に併設のアイバンクでは、角膜コーディネーターが2人常駐しており、角膜移植に関する啓蒙活動や、ドナーファミリーケアなどに従事してくれています。昔からアイバンクは個人のボランティアや社会奉仕団体による運営が多いのですが、ずっとボランティアや寄付に依存した運営では持続性もありませんし、必要な角膜ドナーを増やしていくことも難しいままなので、これを持続可能なものにしていくにはどうすべきかということも考えています。
角膜ドナー登録者のうち、実際に献眼に至る割合はどれくらいだと思いますか?実際に献眼に至るのは1%にも満たない割合です。
日本がこんなに低いのは欧米と比較してドネーション(寄付)やボランティアの意識が低いから、ということが思い浮かぶかもしれませんが、実はそうではないんです。日本と欧米で、ご遺族に対して角膜提供という選択肢をお伝えしたときの提供率は、どちらも10%程度で大きな差はないんです。日本で足りていないのは、ドナーの意思をきちんと汲み取り、ご遺族に角膜提供という選択を適切にご説明する機会です。これには医療機関からの働きかけが必要で、我々は病院開発と呼んで取り組んでいます。
ドナー登録者の方が亡くなられた時は、ご遺族は角膜提供どころではなく、「そういえば亡くなったら角膜提供したいと言っていた」ということを思い出せるケースはほとんどありません。ですので、医療機関の方から角膜移植という選択肢をご説明することができるようになれば、もっと角膜移植数は増えると考えています。
囲碁は小学生の頃からやっていますが、インターネットで囲碁が自由にできるようになってからは対局相手探しにも困らないですし、非常にいいですよ。私もプロやセミプロレベルの友人がおり、AIについては色々なことを聞きます。彼らは悔しがったり、人間が負けることへの失望などを抱いたりしているのかなと思っていたのですが、そうではないんです。彼らは非常にポジティブで、「これで自分はもっと上手くなれる!」と捉えているようです。この前向きなモチベーションには驚きましたね。
間違いなく重要性を増すでしょうね。実際に画像診断の領域では近いうちに人間の力が及ばなくなる領域が出てくるでしょう。既に悪性腫瘍の早期発見などでは効果が認められているものもありますし、眼科領域の診断でも多くの患者さんが救われることが想像できます。ただ、治療という意味では人間の手を離れるのはまだまだ難しいでしょうね。医師を脅かすものではなく、むしろ我々の診療を助けてくれるものになると期待しています。
東京歯科大学市川総合病院は立ち位置として非常にユニークで、その名のとおり総合病院でもあり、大学病院でもある、ある意味両方の機能を求められ、備えた医療機関です。当然、市川市の地方医療を支える役割も重要ですし、また一方で前眼部に関する専門性の高さや研究の深さなども重要なので、このバランスをいかにとっていくかということをこれからも考えて行こうと思っています。
私が当院に来てから、ドライアイや角膜移植を学びたい医師(角膜フェロー)・研究したい人(研究者)・治したい人(患者さん)を積極的に受け入れています。患者さんだけでなく、角膜フェローや研究者の受け入れにも積極的というところがポイントです。
今では当院で学んだ角膜フェローが千葉県の他の病院や他の都道府県に戻って、ここで学んだことを活かして患者さんによい医療を提供してくれていて、時には当院に患者さんを紹介してくれます。今後も、角膜に関して専門性の高い、優れた人材を多く輩出していきたいですし、これによって病診連携を強化していきたいです。
日本でドライアイを専門としている医師は非常にレベルが高いといえます。研究の成果も、治療薬の開発も増えてきていて、病態の解明も進んでいます。
おそらくご自身で「ドライアイだな」と感じている方の8−9割は薬局に行って目薬を購入しておしまいかと思いますが、それでも良くならない、気になるというかたは眼科を受診してください。医師であってもドライアイを「たかが乾き目」と軽視する人がいますが、ドライアイは労働生産性や日頃の生活の質に大きな影響を及ぼしますので、きちんとドライアイを専門としている医師に診てもらい、治療してほしいと思います。
匿名での投稿が可能ですので、ご協力よろしくお願いします。