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小枝 達也 先生

ADHD(注意欠陥/多動性障害)の名医
国立成育医療研究センター病院
こころの診療部部長・副院長
専門
発達障害、ディスレクシア
掲載開始日:2018年08月23日
最終更新日:2019年06月21日

臨床実績


年間ADHD外来患者数
***

専門医資格
***

学会職位
***

学術活動


論文・学会発表数
*** 件
※件数は英語論文を含まない場合がございます

最終論文・学会発表年
*** 年

学術機関
***

出身大学
***

略歴
***

受診しやすさ


初診までの待機期間
***

医師指定受診
***

外来待ち時間
*** 時間程度

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小枝 達也先生のインタビュー

公開日:2019年08月05日
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発達障害と言われても心配しすぎないで。愛情を注いで、子どもも家族も機嫌よく毎日を過ごすことが一番

小枝先生が医師を志されたきっかけについて教えてください

実は高校生の頃は、ジャーナリストになりたいと思っていました。特に、上坂冬子さんの書いた『生体解剖』や、柳田邦男さんの『ガン回廊の朝』というルポルタージュは詳細な取材の基に執筆されており、よく読んでいましたが、どちらも医師や医療を題材にしたものだったため、次第に医療にも興味が湧き、医師を志すようになりました。

鳥取大学の医学部に進学したのですが、子どもが好きだったということ、神経学に興味があったこと、比較的珍しい脳神経小児科という教室があったことから、卒業後は鳥取大学で研修を受けました。

小枝先生は発達障害がご専門ですが、何かきっかけがあったのでしょうか?

私が医師になった頃は、現在のような発達障害という概念は未だ無い頃でした。研修1年目の冬に、小学校2年生で「何故だか字が読めない」というお子さんがいらっしゃいました。診察をすると会話は通じ、内容も理解しているようなのですが、字を読むことだけができないのです。初めて経験する症状でしたが、当時の指導医から2週間で原因を探るよう指示され、なんとかして、その子が困っている原因を突き止めなければならないと、様々な論文を調べました。手探りで、海外で使用されている検査方法などを取り入れ、同僚とも協力し、どうにかその子の症状の傾向を突き止め、脳の言葉を司る部分に原因があることがわかりました。

その後は、経過を見ることができなかったのですが、6年後にもう一度診察することになりました。その子は中学3年生になっていましたが、字を読むということについては全く改善しておらず、とても強い衝撃を受けました。初めて診察をしてからの6年間はなんだったのだろうと思いました。その子は会話の理解も良好ですし、上手に絵を描く子でしたが、やはり字を読むことだけができませんでした。その時の経験がきっかけとなり、発達に関わる専門的な研究や治療に携わるようになりました。

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小枝先生は、早期から療育環境を整えようと5歳児健診を考案されたと伺いました

まず、お子さんの身体発育や精神発達の面から3歳時に確認することは重要ということもあり3歳時健康診査、いわゆる3歳児健診は既に制度化されています。その後の健診は就学時健康診断になるので、3歳児健診で多動などが疑われても、明らかに違いがあるとは言い切れない場合、次の健診までに3年の間が生じてしまいます。また3歳児健診では個人としての発達、発育に重点が置かれており、集団の中での適応については重きが置かれていません。

就学前に多動などに気づけていれば、クラス分けの際に配慮してもらったりと学校側も準備ができます。しかし、この頃の発達の変化に気づけず、お子さんが小学校に入ってから初めて指摘されてしまうと、親御さんや学校側も準備はできていませんし、お子さんにとっても学校に行くことが辛くなってしまいます。ですから、5歳の時にもう一度発達に重きを置いた健診を行う必要があると考えました。

実際に始めるにあたって、どう取り組もうかと考えていた矢先、鳥取県のある自治体の保健師さんから是非取り組んでみたいと話があり、そちらで始めることにしました。実際に取り組んでみたところ、保育士さんからも非常に好評を得ました。多動や、他の子より育児に手が掛かるなど、親御さんも気づいていることも多いのですが、保育施設や学校としては親御さんの心情を考慮すると伝えにくい内容でもあります。そこに5歳児健診があることで親御さんに客観的に伝えることができます。また、親御さんが一人で抱え込んでしまっているという状況の場合、自治体の保健師や育児や発達を専門とする保育士などに繋げ、相談することができるようになります。そう言った良い反応が得られてからは他の自治体でも次々に5歳児健診が取り入れられ、現在では鳥取県全ての自治体で行われています。

5歳児健診を受けた後はどのように相談したらよいでしょうか?

親御さんは、お子さんの発達の課題に気づくと早期からの介入が必要と考え、すぐに医療機関を受診されます。しかし近年、発達障害への理解も深まり、医療機関に寄せられる相談も増えてきていますので、医療機関としても受け入れる余裕が無いこともあります。そのため、5歳児健診で発達について指摘された場合の相談環境を充実させていく必要があると考えています。保健師さんや保育士の方々に相談し、それでも改善が難しかった場合に医療機関で相談していただけるとよいと思っています。

健診後の事後相談は主に3つに分類されます。1つは保育相談です。保育相談では、爪噛みが多い、兄弟喧嘩が多い、クラスの子との喧嘩が多いといった内容であり、保育のプロが相談を受けます。次に心理発達相談です。個別の相談で心理検査を行い、検査結果などを保護者に伝え、子育て上の悩みについて相談を受けます。最後が教育相談です。これは教育委員会が相談窓口を設け、就学するにあたってどのような配慮が必要か、学校として何がしてあげられるかということを相談できます。5歳児健診を提唱して20年以上が経ちますが、この3つの事後相談は非常に大切で、健診後の事後相談が十分に機能していると、医療機関を受診する割合が減ることもわかってきました。5歳児健診の導入で、お子さんの不登校が減るという報告が出てきています。学校は嫌な場所ではなく、楽しく過ごせる場所と思えることは、お子さんにとっては大切なことだと思います。

5歳児健診の後、読み書きに問題があった場合、ご家族やお子さんが自分できることはありますか?

発達障害の中でも読み書きなどの学習の側面、特に読みに問題があった場合、1文字の音読の練習をすることが有効とわかってきました。鳥取大学に在籍していた頃、実際に解読指導プログラムとして、お子さんが継続して学習することが嫌いにならないよう、1日に1回、5分で取り組めるアプリケーションを開発しました。プログラムでは、文字が画面に表示されますのでまずお子さんに音読してもらいます。その後、正解が音声で流れますので、それを聞いて当たっていれば○を、間違っていれば×をつけていきます。最初は「あ」という単音から始めていきます。他にもアプリケーションはあり、例えば「うさぎ」という単語とウサギの絵が表示されるような、文字と実際の動物を照らし合わせるようなものもあります。お子さんにこのプログラムを使って段階的に音読練習してもらうと、症状の軽いお子さんであれば、徐々に改善していくことが証明できました。小学校1年生からアプリケーションでの練習を取り入れた場合、1/3くらいのお子さんに改善が見られることがわかりました。鳥取県では教育委員会や行政も積極的に取り組んでおり、学校でもこのアプリケーションを学習に生かしています。このアプリケーションは無料でダウンロードできるようにもなっていますので、活用していただければと思います。

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小枝先生は長年発達障害の研究や治療をされてきたことと存じますが、取り巻く環境が変化してきたと感じることはどのようなことがございますか?

私が初めて字が読めないという子に出会った頃、発達障害の概念も確立しておらず、病態を説明しても親御さんはもとより、医療関係者にもの理解が得られず、ベテランの小児科医からも「ただ、やんちゃな子なだけ」と言われたものでした。それでも研究や治療を続け、啓発してきたことで、社会的にも関心が高まり、広く認知されるようになりました。今では発達障害という言葉を聞いたことがない親御さんはいらっしゃらないかもしれませんね。広く認知されることで、お子さんや親御さんも支援を受けやすくなったと思います。しかし、その反面、親御さんを過度に不安にさせてしまっているということもあります。外来では様々な検査を行い、経過を診ながら診断していきますが、診察の結果、問題ないというお子さんも少なからずいらっしゃいます。

小枝先生が、診察の中で大切にされていらっしゃることはどのようなことでしょうか?

診察での主役はお子さんです。その子と仲良くなって、その子のコミュニケーションスタイルに合わせることを大切にしています。親御さんの中には心配から、沢山お話しになる方もいらっしゃるのですが、まずはお子さん自身から一番困っていることについて聞くようにしています。お子さんはそれぞれ性格も違います。しっかり目を合わせて話してくれる子もいれば、そうしたことが苦手な子もいます。そうした場合は、そっと横に並んで同じ方向を見て話をすることもあります。給食が好きかとか、学校は楽しいか、嫌いなことはどんなことか、その子の話をよく聞きます。そして、仲良くなれたら最後には笑顔で「またおいで」と声をかけるようにしています。まずはお子さんと仲良くなって、話を聞いてから、その後で親御さんにお困りのことを伺うようにしています。若い先生からは子どもと仲良くなるコツについて尋ねられることも多いのですが、子どもとの接し方は、子どもに教えてもらうものだと思っています。

今後のご展望とメーセッジをお願いします

これまで発達障害の中でも、特に読み書きについて専門的な治療や研究を行ってきました。読み書きの次は計算と思っていますが、計算については、まだ診断基準もないので、これからというところです。読み書き同様、適切な練習によって徐々に慣れていくことができるのではないかと思っています。

また、発達障害と診断されると周囲の方も大変なことと心配されますが、周囲の過度な心配によって、子どもが追い込まれてしまうこともあります。追い込むのではなく家族みんなで仲良くくらしてください。家族みんなで楽しく、明るく過ごし、機嫌の良い毎日を過ごしてください。親御さんもきょうだいも楽しく過ごすことが大事です。そして、お子さんに「大好きだよ」と伝えてください。30年以上、診療をしていますが、子どもに愛情を注いで機嫌よく過ごせていれば意外となんとかなるものです。

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国立成育医療研究センター病院の写真

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勤務先医療機関

住所:東京都世田谷区大蔵2丁目10-1
電話番号:334160181