
私が精神科を選んだ主な理由は、脳と心の関係、特に脳の機能的な異常が精神面、身体面にどのように影響するかに興味があったからです。精神科医として多くの臨床経験を積む中で、現在でも多くの医療機関で当たり前に行われている科学的根拠に乏しい多剤大量処方に疑問を感じ、精神神経薬理について本格的に深く学びたいと考えるようになりました。
そこで一念発起して当時すでに開業医でしたが、2012年に慶應義塾大学大学院に入学しました。大学院では"不安障害、なかでもパニック障害とそれに関する安全で最適な薬物療法"を研究テーマとしていました。在学中はクリニックと大学院の授業、研究の両立でかなり苦労しましたが、幸いにもよき指導者に恵まれ、複数の英文論文を執筆したことや、海外の大きな学会で数度発表し、うち一回で賞(アワード)を頂いたことは、今でも自分自身の中で大きな財産となっています。特にこれまでで精神依存を起こさないと一般的に言われていたSSRI(※ 抗うつ薬の一種)でも約3分の1で精神依存を引き起こしていることを、世界で初めて臨床データから明らかにし、international clinical psychopharmacology誌にアクセプトされた事は臨床的意義が大きいと自負しています。
精神神経薬理学は日進月歩ですので、学位を取得した現在でも、専門領域の最新の英文論文の抄録には毎週必ず目を通しています。また、これまでに精神科の他にも一般内科、消化器内科、形成外科等も研修して参りましたので、その知識や技術もふまえて様々な治療オプションを提示できるのも私の強みです。
当院は予約制で、初診・再診ともに電話に加えてホームページ上からのWEB予約も可能です。「電話をかけるのは勇気がいる。」という方も多いので、WEB予約は診療の心理的な敷居を低くするのにとても有効だと考えています。WEB予約は24時間利用でき、キャンセルや予約変更もWEB上で簡単に行えます。また、ITを駆使した受付システムの導入により、来院された方同士がなるだけ顔を合わせず、待ち時間のない、スムーズなご案内が可能です。万が一待ち時間が発生した場合でも、スマートフォンへの自動呼出しシステムの採用により、院内で待つ必要がなく、銀座でショッピングなど、時間を有効に利用できます。英語による診療も可能ですので、英語を話せる外国人の方の診療にも対応できます。また、当院で診療が困難な疾患やケースの場合でも、慶應義塾大学病院などのいくつかの提携医療機関に直接ご紹介が可能です。
精神科の初診には約1時間程度の枠を設けており、問診と心理検査、必要であれば血液検査も行います。血液検査では身体疾患の除外と薬を安全に飲んで頂くために不可欠な肝臓や腎臓などの機能チェックや薬の量が適切かどうかを知るために血中濃度の測定を行います。その後も年に2〜3回のペースで再検査していきます。患者さんの中には、精神科の病気ではなく、体の病気(甲状腺の病気、婦人科の病気など)でメンタルに問題が起こっているケースもあるため注意が必要です。また、薬の処方はモーズレイ処方ガイドラインなど、国際的に一定の科学的評価を得ている処方基準に基づいて厳密におこなっています。そのため、多くの方が心配される、(薬漬け)になることはありませんのでご安心ください。
数年前までは、パニック障害の原因は不明とされていましたが、近年は生物学的にも徐々に解明されつつあります。現時点で、脳の中でパニック障害に一番関与している可能性が高い部位は、脳幹部、中でも扁桃体(※ 呼吸や心臓の拍動、体温調整など、生命維持に欠かせない機能を指示する部分)と大脳の前頭葉の下部に位置している左眼窩前頭前野(※ 視覚、聴覚、味覚、嗅覚情報を管理する部分)と言われています。脳幹部は自分の意志でコントロールが不可能な部位ですので、パニック障害では、脳幹の働きをコントロールするために薬物療法を行うことが大切です。また、正しく治療をすることで、通常、数か月の治療で高い確率で寛解(※ 一般に、病気の症状が一時的あるいは継続的に軽減、または、ほぼ消失し、臨床的にコントロールされた状態)します。
パニック障害の患者さんは、外出時に突然不安に襲われ、過呼吸になって倒れたり、突然の激しい動悸や発汗により、このままでは死ぬのではないかと強い恐怖を体験したりなど、"いつ発作が起きるかが分からない"という予期不安を持っています。また、そのエピソードが繰り返されることで、外出自体が怖くなり、やがて自宅に引きこもってしまい、2次的にうつ病を併発するケースも約30%で認められています。うつ病を併発するとパニック障害単独のケースよりも寛解が困難になり治療期間も長引きますので、早期介入、早期治療が極めて大切です。
まず、生活スタイルの見直しをお勧めしています。パニック障害と運動や食事には深い関係があるといわれていますので、日々の生活にウォーキングなどの有酸素運動を取り入れる、コーヒーなどカフェインを含むものを摂取されている方は他の飲料に変える、睡眠を十分に取り脳を休ませるといったことを心がけていただきたいです。
また、薬は正しく内服していただきたいと思います。臨床現場で、薬を必要以上に内服されている患者さんや、インターネットの誤った情報をに惑わされて、逆に薬物療法を全否定して一切飲まない、という方にしばしば遭遇しますが、エビデンスに基づいた正しい内服をしなければ、病気はよくなりません。副作用が怖いからと内服回数や量を勝手に減らされていたという患者さんにも多く遭遇しますが、内服量が体に合っていない状況で長期間服用していると、より薬への依存を引き起こすリスクが高まる(例えば、自己判断で指定された量よりも少量しか内服しないと薬の効果が十分に表れず、結果的に内服期間が長引き、また精神依存に陥りやすくなる。)ことも論文で発表されており、注意が必要です。
治療に対するモチベーションを高められるように、どれくらいの期間、どれくらいの薬の量を内服していくべきかを、私は丁寧に説明するようにしていますので、薬のことで迷われている方はぜひ相談してください。
今後も、科学的な根拠に基づく診療を誠実に行っていきたいと考えています。精神科領域では、薬剤に対する知識など日々変化していきますので、特に不安障害やパニック障害については引き続き臨床研究も行っていきたいと考えています。また、近年注目されているLOH症候群(※ 加齢男性性腺機能低下症候群。テストステロンという男性ホルモンが減ることで引き起こる、不眠やイラつき、抑うつ感などを引き起こす男性の更年期障害)と精神科との繋がりについても勉強し、少しでも患者さんの治療に役立てられればと考えています。
また、私はサブスペシャリィーとして日本抗加齢医学会の専門医も取得しております。医療レーザー脱毛のことをはじめ、アンチエイジング、美容領域(美容点滴・ケミカルピーリング・メディカルダイエット等)のご相談もおまかせいただけたらと思います。
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